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    改憲阻止―安倍政権打倒を闘おう

                                           時田三郎




 二〇一九年、安倍右翼反動政権は九条改憲を最大の攻防環に据えて、独裁的強権政治を貫徹しようとしている。この間、日帝―安倍政権は反動的反人民的法制を独裁的に強行制定してきた。戦争法・共謀罪、森友・加計疑惑やこれに忖度した財務省の公文書改竄、イラクや南スーダンに派兵された自衛隊の日報隠蔽問題、労働者に「過労死・残業代ゼロ」や雇用といのちの破壊を強制する「働き方改革」一括法、さらに外国人労働者の奴隷的な導入拡大、水道民営化などだ。現在、「統計不正」の賃上げ偽装が暴露され、アベノミクスが富裕層・大企業だけを儲けさせ、労働者人民の貧困化を深めてきたことも明らかとなった。嘘と隠蔽を繰り返す安倍は、自治体の六割が自衛隊員募集に協力しないと大嘘をつき、自衛隊を九条に明記する改憲キャンペーンを強めている。極右の安倍がファシスト・日本会議とともに、改憲にむけ、憲法審査会に自民党改憲案を提示し、国会発議を狙い、院外では小選挙区すべてに「改憲推進本部」を設置し、〝草の根〟からの九条改憲攻撃を繰り広げようとしている。安倍の改憲攻撃に対して、断固として国会前や各地で全人民的政治闘争の巨万の決起をつくり出し、日本会議など極右ファシストもろとも粉砕していかなくてはならない。
 改憲阻止の前進と勝利は、立憲民主党や日共など現代日本帝国主義ブルジョアジーの延命に手を貸すリベラル保守や社民勢力へ集約させることはできない。そうではなく労働者・被抑圧人民・被差別大衆の解放運動や青年学生の戦闘的な反帝決起など、何よりも革命的左派の勢いと飛躍をもってかち取っていかねばならない。その意味で、改憲阻止と天皇代替わり攻撃粉砕・天皇制打倒を結合することも決定的に重要である。改憲阻止、反天皇闘争、そして左派勢力の前進をわが同盟と総力でたたかいとっていこう。

 ●1章 安倍の改憲への動き

 安倍は、自民党総裁の三選直後の昨年一〇月、九条改憲の全面攻撃を宣言した。「次の国会では、憲法改正案の提出をめざす」と。しかし臨時国会では、外国人労働者導入拡大の入管難民法改悪の強行制定が焦点化し、自民党改憲案の国会提示は、「野党が仕事を放棄している」などの下村博文・改憲推進本部長の暴言に野党側が猛反発し、結局、出来ずに終わった。これは、立憲主義を破壊する安倍の九条改憲に野党側が国会内で反対し、同時に、広範なさまざまな改憲阻止闘いで反撃し、押し返していったのであった。
 一月二八日、安倍の施政方針演説は、「憲法審査会の場において、議論が深められるのを期待」と訴え、焦りながら、改憲攻撃を執拗に強めている。下村は「新元号の年に改憲の流れを」と述べ、さらに加藤勝信・自民党総務会長も、「改憲実現に汗をかく」と決意表明した。一月二三日、自民党は、全国にある衆院小選挙区支部二八九のすべてに「改憲推進本部」の設置を急ぐよう、党国会議員、都道府県連に通知した。九条改憲の国民投票にむけて、草の根キャンペーン態勢を取ってきた。党国会議員に、自民党改憲の考えを記した「憲法ビラ」を配布した。
 二月一〇日の自民党大会で、安倍は市町村の「六割以上が、自衛隊員募集の協力を拒否している」と主張し、憲法への自衛隊明記を呼びかけた。同月一四日、党国会議員に、地元自治体が自衛隊募集に協力しているかどうか、確認の「圧力」をかけるよう指示した。
 これらの動きを支え推進しているのは、極右ファシスト団体の日本会議だ。日本会議のフロント団体「美しい日本の憲法をつくる国民の会」は、昨年一二月、国会近くで「待ったなし! 憲法改正の国会論議」を開催した。
 安倍は、二〇二〇年東京オリンピックまでに九条改憲-戦争国家化を実現したいと、いまだに執念を強めている。現在の国会は、厚労省統計不正問題や消費税10%増税をめぐる国会論戦を打ち切り、一九年度予算の衆院可決を強行した。今後、憲法審査会を開催し、自民党の改憲案を提示し、衆参の三分の二による改憲発議を狙っている。この政治日程が遅れても、安倍は七月の参院選で自民・公明・維新など改憲勢力の三分の二の議席を確保しようとしている。その後に、改憲発議と国民投票を断行する目論見なのだ。
 だが、安倍の森友・加計疑獄についての嘘と隠蔽、官僚の忖度、辺野古の土砂埋め立て強行をはじめ独裁的強権政治に対して、多くの労働者人民は根強い政治不信を抱いている。改憲に対する世論調査では、多くが冷めている状況にある。昨年一二月の共同通信の世論調査では、二〇年施行という安倍の改憲の動きに対し、52・8%が反対し、賛成は37・6%でしかない。安倍政権が執拗に推し進めようとする改憲攻撃は、確実に焦りと行き詰まりの色合いが強いのである。

 ●2章 アベノミクス偽装・統計不正、貧困化と権益拡大を許すな

 改憲攻撃の階級的背景には、アベノミクスと新自由主義による貧富の格差拡大、労働者人民の貧困化が大きく横たわっている。報道各社の世論調査では、「景気回復を実感している」は一割台。逆に「実感していない」は六割~七割に昇る。一四年の消費税8%増税以降、個人消費が低下。一八年一月から一一月の現金給与総額は前年比で伸びがゼロで、物価上昇分を差し引いた実質賃金はマイナス。安倍のいう三八〇万人の就業が増えたという実態は、生活苦から高齢者・女性・学生が働きに出たのがほとんどの増加分だった。消費持ち直し、賃金は過去最高、総雇用者所得は増えているという、安倍の繰り返しは偽装そのものであった。
 「毎月勤労統計調査」での「賃上げ」は偽装であり、不正行為・犯罪であった。一八年一月、賃金統計の算出方法が変更され、賃金が大幅にかさ上げされた。即ち、(イ)賃金サンプルの一部入れ替え。安倍官邸の介入で総入れ替え方式を部分入れ替え方式とした。(ロ)労働者数の基準の変更。(ハ)不正調査を「補正」した。一七年と一八年を比較し、算出方法が異なったまま、賃金が異常に伸びる結果をねつ造した。
 こうした上で、異次元の金融緩和などで株高、輸出増を演出し、富裕層や大企業の階級的利害を徹底化してきた。法人税減税など企業収益は安倍政権下で三五兆円拡大とほざき、大企業の内部留保が四二五兆円に膨れ上がる一方、年収二〇〇万円以下のワーキングプアは一二年連続で一〇〇〇万人超なのである。子どもの貧困率(平均所得の半分以下の世帯の一八歳未満)は13・9%、七人にひとりが貧困状態。安倍政権は「働き方改革」を呼号し、高度プロフェッショナル制度導入で労働時間規制(八時間労働制)を破壊し、低賃金・非正規の労働者を増大させ、「過労死横行・残業代ゼロ」など労働法制改悪を強行してきた。その上、超低賃金・長時間労働の奴隷労働状態にある技能実習生や留学アルバイトなどの実質拡大となる外国人労働者の導入拡大が法制化された。入管難民法改悪である。日帝ブルジョアジーの搾取と収奪、差別分断が労働者人民の上に激しく打ち下ろされている。
 福祉切り捨ても激しい。七五歳以上の高齢者医療保険料の引き上げや高額医療費の負担増、介護保険制度に一部の三割負担導入、生活保護費の生活扶助費・ひとり親世帯母子加算などの段階的切り下げ、年金の実質減額などが進められるのだ。第二次安倍政権下で、社会保障費の削減は4・3兆円。「全世代型社会保障」を叫び、さらなる社会保障削減、新自由主義的自己責任、貧富格差-弱肉強食が激化している。
 水道法や漁業法の改悪と民営化、農業における法人参入の拡大などや、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)、EUとのFTA(自由貿易協定)、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)、米国とのFTA交渉など新自由主義グローバリゼーションの規制撤廃攻撃が続いている。公共の資源とサービス、医療保険・農林魚業・労働・健康などが、独占資本の利潤追求の下に破壊されている。
 これらは、帝国主義諸国・大国の市場争奪戦の激化の中における、日帝の延命のためのものであり、FTA戦略=海外権益圏の支配強化と一体化している。膨大な海外資産=アジア・世界の労働者人民に対する略奪を繰り広げている日帝は、中国やドイツなどに追い上げられながら、現在も日帝の海外純資産残高は約三二八兆四千億円で二五年連続で世界一位を記録している。
 このような日帝ブルジョアジーによる内外の労働者人民への搾取と収奪のすさまじい推進の中で、改憲―戦争国家化の歴史的転換攻撃が画策されている。現在、米中貿易戦争の激化と中国の景気減速のなかで、日帝本国の景気後退も露わとなってきた。一〇月の消費税率10%増税の人民大収奪が狙われ、労働者人民の生活苦と憤激はさらに激烈化する状況にある。

●3章 安倍改憲案の国会発議を阻止しよう

 安倍自民党の改憲案の根本問題を捉えよう。自民党改憲案は次の四項目である。①現憲法九条に自衛隊の明記、②緊急事態条項導入、③参議院の合区解消、④教育の無償化である。教育無償化や参院合区解消は、九条改憲―戦争国家化の問題に焦点を当てさせない、抱き合わせ改憲攻撃だ。また教育無償化は、それを強調する日本維新の会を改憲へ引き込むためにある。安倍自民党の最大の狙いは、自衛隊の九条明記と緊急事態条項導入なのだ。
 自民党の自衛隊憲法明記案は、九条一・二項を維持した上で、「九条の二」として、「必要な自衛の措置をとることをさまたげず」「内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する」を加える。その本質は、第一に、憲法よりも下位にある自衛隊法上の自衛隊を憲法上の地位にあげることにある。第二には「後法は前法を破る」ことから、九条一項・二項の戦争放棄・交戦権否定・軍隊不保持が完全に空洞化する。第三には、自衛隊と集団的自衛権行使の違憲論を封じ、自衛隊への憲法上の歯止めがなくなり、全面的な集団的自衛権行使の容認―米軍・自衛隊の一体化した戦争行為を「合憲」とする。即ち、戦争国家への大転換であり、自衛隊への憲法上の歯止めがなくなるのだ。
 それは、①これまでの「専守防衛」「攻撃的兵器保有の禁止」「非核三原則」「武器輸出禁止」「海外派兵禁止」といった軍事上の基本政策を見直し、②自衛隊に関する秘密が、憲法上の保護をうける重大な軍事秘密として保護され、③軍事費の増大、④今後、徴兵制や軍事的徴用が合憲とされる状況に道を開く。
 緊急事態条項の自民党草案では、「緊急事態の宣言を発することができる」、「内閣は……政令を制定することができる」、首相は「財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる」、と記している。これは、首相-内閣が広範な裁量権を持ち、国会の立法権を奪い、集会・デモ・ストライキの規制、報道管制などを実施する、戒厳令を発動できるものとなる。緊急事態条項の本質は、〝法を無視することをあらかじめ許す法〟なのであり、基本的人権-人民の民主的諸権利を完全に剥奪することを可能とするものなのだ。
 改憲は次の手続きを踏む。第一段階で衆参憲法審査会の過半数による議決、第二段階で衆参各議院の総議員の三分の二以上の議決による改憲発議である。この改憲発議の中で一八〇日以内に国民投票の具体的な日程が指示される。第三段階で、国民投票による投票の過半数の賛成、というスケジュール。国民投票は、最低投票率の定めが無く、テレビ・ラジオなどメディアによる有料意見広告の規制が無い(投票日前一四日間の広告放送禁止だけ)。自民党などは莫大な資金を注ぎ、自衛隊九条明記の大キャンペーンのために、博報堂・電通を使ってTVなどのゴールデンタイムを制圧し、大宣伝することが予想される。
 安倍政権の自衛隊九条明記・緊急事態条項導入などの改憲攻撃を絶対に許してはならない。全人民の反改憲の闘いを強め、改憲の国会発議を断固として粉砕していこうではないか。

 ●4章 九条破壊の大軍拡、新防衛大綱・新中期防を許すな

 改憲攻撃と連動して、大軍拡が開始されている。史上初の総額一〇〇兆円を超えた一九年度予算案では、赤字国債が約三一兆円と膨張し、軍事費は五兆二五七四億円へ増大した。
 昨年一二月に閣議決定された新たな「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」は、五年間総額で二七兆四七〇〇億円という途方もない大軍拡にほかならない。
 新防衛大綱は、防衛力=軍事力をこれまでの「最後の拠り所」から「最も重要な力」と位置づけ、独自の打撃力の強化として高速滑空弾・長距離巡航ミサイル・F35など攻撃的武器を持つことを正当化し、日帝が日米同盟を「自主的」に強化すること、「敵基地攻撃」に踏み出し、戦争法の米艦防護・補給を強め、「いずも」空母化で広大な太平洋の航空優勢をめざすという。専守防衛を突破し、南中国海・東南アジアや太平洋地域の防衛=軍事展開を位置づけ、「柔軟な抑止措置」として米中などの衝突に巻き込まれることも想定した。沖縄―「本土」が戦場になる事態をリアルに計画し、「陸上イージス」や「被害の極限・国民の避難施設」に言及している。軍事出動状態に無いグレーゾーンから、シームレス(継ぎ目のない)な対応を行うと述べて、自衛隊軍事出動の構想と態勢=戦争攻撃の準備を常時取るのだ。宇宙・サイバー空間での軍事力強化も課題にあげている。
 中期防の具体的な大軍拡として次の軍備増強が挙げられている。護衛艦「いずも」と「かが」にステルス戦闘機F35Bを搭載可能とする「空母化」へ改修を行う。一機一一六億円のF35を一〇五機購入(6・2兆円)して、現有四二機と合わせて一四七機とする。秋田市と山口県萩市に陸上配備型「イージス・アショア」二基(レーダーと攻撃型巡航ミサイルの基地。合計約六〇〇〇億円)を建設する。E2D早期警戒機九機で三四八〇億円。KC46空中給油機を四機。無人偵察機グローバルホーク一機などである。
 それは、侵略攻撃型の軍事戦略への歴史的転換であり、憲法九条破壊の軍事政策である。中国・朝鮮民主主義人民共和国を「重大かつ差し迫った脅威」である敵対勢力と規定し、「従来の延長上ではない、数十年先の未来の礎となる防衛力のあるべき姿を追及し」、「従来とは抜本的に異なる速度で」軍備増強に邁進する。
 米帝―トランプ政権が昨年一月に策定した「国家防衛戦略」では、中国・ロシアとの長期的な競争が最優先事項であると明言した。その次に、イラン・朝鮮民主主義人民共和国を対象化し、ISなど反米武装勢力との「対テロ」戦争の位置は一定低下させている。加えて、使用する小型核の武装強化、INF条約破棄など、米帝の核軍拡が格段と強まっている。日米同盟は、一五年の日米ガイドラインや集団的自衛権行使の戦争法を具体化し、「インド太平洋地域、さらには国際社会の平和と安定、繁栄に大きな役割」と位置づけ、侵略反革命・攻撃型の軍事戦略へ転換し、日米軍事一体化を加速している。米朝首脳会談など朝鮮半島の核戦争危機が対話と交渉へと転換する一方、中国の軍事戦略ライン―第二列島線(伊豆諸島・小笠原・グアムを結ぶライン)を想定し、東中国海、南中国海、西太平洋、東南アジアなどの地域で、自衛隊、米軍の軍事演習=戦争準備が激化している。沖縄・普天間基地の固定化と辺野古新基地建設を強行し、さらに与那国・石垣・宮古や、奄美大島の各地にミサイル基地・レーダー基地・自衛隊監視部隊などを一挙に配置しようとしている。
 この九条破壊の大軍拡は、日米軍事基地の強化や軍事演習の激化と一体である。沖縄は、日米帝の差別支配が激化し、軍事基地と侵略反革命前線基地化がさらに強まっている。陸自の水陸両用団配備や空母の準母港化が進む佐世保、そして築城、新田原の空自基地も軍事施設が増強されている。岩国基地では、空母艦載機が移駐し、オスプレイの中継拠点となり、米兵とその家族が一万人も住む軍事拠点となった。爆音や米兵からの被害、戦争危機が岩国住民の生活と命を脅かしている。京丹後の米軍Xバンドレーダー基地、その隣の空自レーダー基地の両方が拡張強化され、関西北部の軍事要塞化が狙われている。東京・横田基地では米空軍オスプレイ配備が強行され、軍事演習の多発、日米の航空統合司令部基地へと強化された。神奈川の基地群も縮小せず、厚木基地・座間基地・相模補給廠に米軍部隊が強力に居座り続けている。
 新防衛大綱=大軍拡と日米軍事一体化の強化は、労働者人民の平和的生存権や生活を破壊し、同時にアジア人民虐殺の脅威を不断に高めているのだ。憲法九条の破壊であり、反戦反基地・国際連帯を断固として闘っていかねばならない。

 ●5章 改憲阻止―安倍政権打倒の闘争方針

 最後に、安倍政権の改憲攻撃を断固として全力で阻止する闘いの方針を訴える。
 第一には、改憲阻止―安倍政権打倒の巨万の全人民的政治決起を国会前―各地で推進することである。二〇一五年の集団的自衛権行使と戦争法の強行制定に反対する数十万の全人民的決起は、今日も継続して闘われている。一九日行動である。「戦争をさせない! 九条改憲を許すな! 総がかり行動」をはじめ、各地で安倍の九条改憲を阻止する広範な統一戦線や政治共闘が国会前や各地の街頭で繰り広げられている。上述したようにアベノミクス偽装と新自由主義の下で、低賃金と貧富格差の拡大、福祉切り捨て、消費税増税策動など、政府・資本の搾取・収奪・生活苦攻撃に困窮する労働者人民の階級的憤激が、改憲阻止―安倍政権打倒の全人民的政治闘争へ結合することが決定的に求められている。巨万の階級的憤激に依拠した全人民的決起を進め、改憲阻止―安倍政権打倒を断固としてかちとっていこうではないか。左派労働運動、被抑圧人民・被差別大衆の解放運動、学生青年の決起をとことん強化していこう。国会の憲法審査会開催などによる改憲論議や、何よりも衆参両院の改憲発議を粉砕するために、国会前・各地街頭において安倍政権打倒の全人民的政治闘争の高揚や様々な直接行動を断固として推進していこうではないか。
 5・3憲法集会に各地で巨万の全人民決起を闘っていこう。四月の統一地方選、七月の参議院選において、安倍自公勢力・維新など改憲勢力を後退させていかねばならない。あくまでも全人民的政治闘争の一環として、九条改憲に反対し反戦平和・反差別に貢献する議会内抵抗勢力を支持し、参院の九条改憲勢力の議席が三分の二以下になるよう、改憲阻止闘争を強化していかねばならない。全国各地の地域・職場・街頭において、強まる搾取収奪・差別分断・生活苦に対する労働者人民の階級的憤激からの決起を徹底して推進しよう。改憲阻止―安倍政権打倒の全人民的政治闘争を強化し、街頭での宣伝煽動・集会デモ・大衆的実力行動などに断固取り組んでいこうではないか。
 第二には、実際の憲法破壊攻撃と闘うそれぞれの現場における攻防を前進させ、安倍政権打倒の全人民的政治闘争を拡大強化していくことである。
 菅官房長官が東京新聞記者の辺野古土砂埋め立てで赤土が混じり海の汚染が進んでいる問題を追及する質問を封じ、「事実誤認」として内閣記者クラブからの排除をたくらんだ。とんでもない言論の自由や人民の知る権利の破壊である。
 言論・集会・結社(団結)・表現・報道の自由に対する安倍政権と警察など国家権力の弾圧・統制は、絶対に許してはならない。強まる弾圧に反撃を拡大し、闘っていこう。関生労組弾圧では、当該労組執行部でのべ五〇名を超える被弾圧者が不当逮捕・長期勾留・起訴の攻撃を受けている。労働基本権を蹂躙し、労組の正当な抗議・要請行動・ストライキを「威力業務妨害」「恐喝未遂」とし、労組の刑事免責・民事免責を排除する警察権力とファシスト排外主義勢力の暴力的弾圧を許してはならない。これらの攻撃は憲法破壊そのものだ。当該と支援は、団結と支援を拡大し、いっそうの左派系労組活動家を鍛え、反転攻勢を切り拓こうとしている。関生労組弾圧に広範な抗議と支援を強めよう。
 三里塚闘争では、市東さんをはじめとする反対同盟農民と支援による農地死守―実力闘争を堅持し、農地強奪阻止、三里塚軍事空港の二四時間化や第三滑走路建設など「空港機能強化策」の粉砕、安倍政権打倒を掲げ、反戦闘争の砦としての役割を打ち固めている。
 天皇代替わりによる歴史的な天皇制攻撃の激化=天皇元首化と憲法破壊を許さず、正面から抗議・反対行動を闘いぬこう。差別排外主義・民族排外主義の天皇制イデオロギー、天皇制の下におけるいっさいの統制・弾圧と対決し、日本会議や右翼ファシスト勢力の攻撃を粉砕していこう。労働者・被抑圧人民・被差別大衆の解放運動に敵対する天皇制の打倒を闘っていこう。 
 原発立地住民と連帯し、反原発闘争を全人民の闘いと結合し、強めよう。そして、反基地、日米安保粉砕を粘り強く闘おう。
 そして第三には、辺野古新基地建設阻止などの沖縄解放闘争をはじめとする現場の反戦反基地闘争を強め、アジア人民との国際連帯をすすめ、日米安保廃棄の要求を広範化し、改憲阻止―安倍政権打倒の全人民的政治闘争の牽引することである。沖縄―「本土」を貫く、普天間基地撤去―辺野古新基地建設阻止の闘いは、安倍政権を追い詰めている。県民投票に示された辺野古土砂投入反対の民意に対して、安倍政権は真向から敵対し、玉城知事の要請を踏みにじって辺野古埋め立てを強行しつづけるという独裁的暴挙に出ている。沖縄の闘いと連動した「本土」各地の反基地闘争も粘り強く展開されている。岩国、京丹後、横田、神奈川などで、基地被害に怒り、反戦・平和的生存権を求め、沖縄解放闘争に連帯し、自分たちと次の世代のために基地撤去―日米安保破棄にとりくんでいる。これらの反基地闘争との連携を強めていこう。
 さらに韓国の徴用工、元日本軍性奴隷制度の被害者などが、日帝のアジア侵略戦争と植民地支配の犠牲への謝罪と賠償を求め、日本政府―安倍政権を徹底的に糾弾している。アジア人民は日本政府・独占資本に対し、謝罪と賠償を求め、日帝と米帝のアジア軍事侵略の脅威に反対し、日米安保反対を日本政府や日本労働者人民に要求している。これらの動きは、アジア各地での日系侵出企業の低賃金や略奪に対する闘い、米軍・自衛隊によるフィリピンや東南アジアでの駐留・軍事演習に反対する取り組みなどにつながっている。
 沖縄・アジア人民と連帯し、日米安保破棄と改憲阻止を断固として闘っていかねばならない。
 第四には、改憲阻止闘争を前進させ、立憲民主党などリベラル保守や日共・社民と分岐した左派・反帝国際主義派の原則的で革命的な政治潮流を拡大することである。九条改憲―戦争国家化は、日帝ブルジョアジーと保守そして日本会議などファシスト排外主義勢力による日本資本主義社会の危機を右から突破しようとする歴史的な反革命攻撃にほかならない。この九条改憲―戦争国家化を阻止する闘いの飛躍と前進は、立憲民主党や日共のような現代日本資本主義の階級矛盾・対立の改良と緩和要求に押しとどまることはできないのである。即ち、現代の日本帝国主義ブルジョアジーを打倒し、米帝を放逐する、プロレタリア社会主義革命をたたかう革命的左派・反帝国際主義派の潮流建設に勝利していくことが決定的なのである。
 以上の改憲阻止闘争の任務を闘おう。プロレタリア国際主義に立脚し、日帝打倒を闘う、わが共産同(統一委)に結集せよ。ともに改憲阻止―安倍政権打倒の勝利をかちとろう。


 

 

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