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   ■11・24―25岩国行動を成功させよう

         反戦反基地・国際連帯闘争の前進を

                                         政治運動指導委員会




 朝鮮半島・東アジア情勢の大きな転換のなかで、われわれは今こそプロレタリア国際主義に貫かれた反戦反基地闘争の前進を全国各地でかちとっていくべきことを提起してきた。韓国における「ろうそく革命」をその最大の原動力として切り拓かれてきたこの巨大な情勢転換が、あくまで戦争への道を進もうとする安倍政権の姿、および、地域の平和に逆行する在沖・在日米軍基地の存在をあらためて浮き彫りにし、それとたたかうことが日本の労働者人民の国際主義的任務のきわめて重要な一部であることを大きく突き出してきたからである。
 自民党総裁選で三選を果たした安倍は、あくまで辺野古新基地建設をおし進め、日米軍事同盟のさらなる強化を狙いつつ、いよいよ憲法九条改悪へと本格的に踏み出していこうとしている。岩国基地をめぐっては、一〇年越しの米軍再編攻撃のなかで、今年三月末に厚木基地からの艦載機の移転が公式に完了し、そのことが地域住民に新たな基地被害をもたらしている。
 こうした情勢のなかで、アジア共同行動(AWC)日本連絡会議と岩国・労働者反戦交流集会実行委員会によって、きたる一一月二四日から二五日にかけて、「二〇一八岩国行動」が開催される。われわれはこのたたかいを支持し、全国の労働者・学生が岩国現地に結集し、共にこの取り組みの成功をかちとっていくことを呼びかける。激動する国内外の政治情勢のなかで、また岩国住民が直面する最新状況のなかで、この「二〇一八岩国行動」が取り組まれる意義を確認し、共にたたかいの成功をかちとろう。

(第一章)日米軍事同盟強化―改憲策動との対決を

 切り拓かれてきた朝鮮半島・東アジアにおける情勢の転換をいっそう確かなものにするために、その地平を後退させて軍事緊張と対立の局面へと引き戻そうとするあらゆる策動とたたかっていくことは、日本の労働者人民の重要な政治課題である。それはまた、改憲・戦争攻撃を推進する安倍政権と対決し、それを打倒していくことが、情勢が緊急に要請する日本の労働者人民の国際主義的課題であることをも意味している。岩国反基地闘争もまた、地域情勢に逆行し、あくまで日米軍事同盟と在沖・在日米軍基地を強化しようとする安倍政権の攻撃に対して現場からの反撃を組織し発展させていくための重要なたたかいの一環に他ならない。
 九月一八日から二〇日にかけて平壌で開催された今年三度目の南北首脳会談は、朝鮮半島の平和と自主的平和統一を願う南北在外の朝鮮人民の意思を反映し、朝鮮半島における平和の確立と朝鮮戦争の公式終結、および朝鮮半島の非核化に向けて、また一歩その歩みを進めるものとなった。採択された「平壌共同宣言」と「歴史的な『板門店宣言』履行のための軍事分野合意書」は、4・27板門店宣言を引き継いで、とりわけ南北間の「軍事的な敵対関係終息」、および、「朝鮮半島の全地域での実質的な戦争の危険の除去と根本的な敵対関係の解消」に向けた具体的な措置を打ち出し、米国・トランプ政権に対して南北が共同して朝鮮戦争の終戦宣言を迫るものとなった。
 このような状況のなかで、昨年の国連総会演説で「対話ではなく圧力」など称して朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)に対する制裁強化と軍事対決を煽り立てた安倍首相は、今年九月二五日の国連総会演説では「金正恩朝鮮労働党委員長と直接向き合う用意がある」と発言し、その態度を修正した。進展する情勢から孤立することを避けるために、安倍はこのような態度をとることを強いられた。しかし、安倍政権による朝鮮敵視政策と排外主義煽動は何ら変わっていない。それを端的に示すのが、八月二八日に閣議決定された今年度版の防衛白書である。そこでは共和国の「核・ミサイル」について、昨年度版にあった「新たな段階の脅威」という表現をさらにエスカレートさせ、「これまでにない重大かつ差し迫った脅威」などとしている。4・27南北首脳会談を前後して共和国が核実験・ミサイル発射実験の中止を表明し、実際に今日までそれが行われていないにもかかわらずである。総額が六〇〇〇億円に達するとも言われるイージス・アショアの配備策動についてもまた、安倍政権は「共和国の核・ミサイルの脅威」を表向きの理由として推進している。
 第二次帝国主義間戦争における敗戦帝国主義としての制約を突破し、自国の海外権益を防衛するためには必要であればいつどこにでも自国の軍隊を出動できるような態勢をつくりあげるために、最終的に憲法九条を改悪して名実ともに戦争のできる帝国主義へと日本を変貌させようとする安倍政権と日帝ブルジョアジーは、あくまで架空の「脅威」とその煽動による排外主義的な「国民統合」を必要としている。われわれはこれと徹底的に対決し、労働者人民のなかにも存在する排外主義意識を直視し、それを克服するためのたたかいを粘り強く進め、安倍政権の改憲・戦争攻撃との対決を大衆的なたたかいとしておし広げていかねばならない。
 九月二〇日に行われた自民党総裁選で三選を果たした安倍は、その直後の記者会見で「七〇年以上一度も実現してこなかった憲法改正にいよいよ挑戦し、新しい国創りに挑んでいく」と語り、憲法改悪への並々ならぬ意欲を示した。そして、早ければ今秋の臨時国会にも自衛隊の明記による憲法九条の実質的な無効化と緊急事態条項の新設を柱とする自民党憲法改定案を提示・提出し、今後の改憲発議へと突き進んでいこうとしている。このような安倍政権の動向はアジア人民からの批判と怒りを増大させずにはおかないだろう。
 安倍政権はまた、沖縄人民の意思を踏みにじり、あくまで辺野古新基地建設を強行しようとしている。沖縄人民は九月三〇日の知事選において、翁長雄志前知事の遺志を継ぐ玉城デニー氏を圧倒的な得票差で新たに知事に押し上げた。自民党や公明党の全体重をかけた選挙工作にもかかわらず、辺野古新基地建設反対が全沖縄的な意思であることがあらためて鮮明に示されたのである。これに対して沖縄防衛局は一〇月一九日、沖縄県が八月三一日に行った辺野古の公有水面埋め立て許可承認の撤回に対する対抗措置として、国土交通相に対して行政不服審査法に基づく審査請求と処分が出るまで撤回の効力を止める執行停止を申し立てた。国(沖縄防衛局)の申し立てを国(国交省)が審査するという茶番によって、土砂投入―海面埋め立てに突き進んでいこうとする安倍政権の攻撃を決して許してはならない。
 これ以外にも米軍横田基地へのオスプレイ配備をはじめとして、日米軍事同盟の強化と改憲策動をおし進める安倍政権の下で、在日米軍基地の強化と日米軍事一体化、自衛隊の侵略出動態勢の強化がさまざまな形で推進され、軍事予算の増強がおし進められている。これに関連して注目しておくべきものに、さる一〇月三日に元米国務副長官リチャード・アーミテージや元米国務次官補ジョセフ・ナイらが日米両政府に対する提言として発表した報告書「二一世紀における日米同盟の刷新」がある。彼らはこれまでも米帝・支配階級内部のいわゆる「知日派グループ」として、日本政府に対して集団的自衛権の合憲化や憲法九条改定などを要求し、その多くは日本の軍事政策に反映されてきたが、四度目となる今回の報告書では日米軍事同盟の強化と日米軍事一体化の具体的内容について、さらにその要求をエスカレートさせている。そこでは、「中国と北朝鮮(ママ)の脅威が高まっている」なる情勢認識の下、①自衛隊と在日米軍の基地の共同使用、②西太平洋における「共同統合任務部隊」の創設、③日米韓による合同軍事演習の拡大、④自衛隊の「統合作戦司令部」の設置、⑤日本によるGNP1%以上の防衛費の支出、などが打ち出されている。この報告書はトランプ政権の「米国第一主義」が、日米軍事同盟の基盤に危機をもたらすことを懸念しているが、それゆえに日米の軍事同盟の「重要性」をより強力に主張し、日米両軍の「統合軍化」を要求するものとなっている。
 強化される日米軍事同盟と安倍政権の改憲・戦争策動が、切り拓かれてきた平和に向かう朝鮮半島・東アジア情勢の大きな転換を阻害し、平和と自主的平和統一に向けてたたかう朝鮮人民や米軍基地の撤去を求める沖縄人民をはじめとするこの地域の労働者人民の願いに敵対するものであることは明らかだ。われわれは沖縄・アジア人民と連帯し、今こそ日米軍事同盟粉砕・安倍政権打倒のたたかいをおし進め、その一環として全国反基地闘争の前進のためにたたかっていかねばならない。岩国基地の強化を許さず、その撤去をめざすたたかいもその重要な一部である。岩国基地は朝鮮戦争における米軍の一大出撃拠点・兵站拠点として機能し、その後も朝鮮半島に最も近い米海兵隊基地として、また、日米両軍が駐留する軍事基地として、日米帝国主義による朝鮮半島への侵略戦争出撃拠点としてあり続けてきた。このような岩国基地の撤去をめざすたたかいは今、新たな朝鮮半島・東アジア情勢の到来のなかで、その歴史的・戦略的意義をあらためて鮮明にしている。岩国現地から日米軍事同盟と対決し、安倍政権の打倒に向かうたたかいをおし進めよう。

●(第二章)激化する爆音被害とたたかう岩国住民

 在日米軍は今年三月末までに厚木基地に配備されていた空母艦載機六一機の岩国基地への移駐を完了させた。すでに昨年八月には早期警戒機E2Dホークアイ五機が配備され、一一月から一二月にかけて艦載機の主力である戦闘攻撃機FA18スーパーホーネット二部隊(二四機ほど)が配備されることで移駐は本格化した。これに加えて、今年三月末までに残りのFA18スーパーホーネット二部隊が配備されることで艦載機移駐は完了することになった。
 二〇〇六年三月の住民投票で艦載機移駐に反対する意思を鮮明に示した岩国住民は、それ以来日本政府による巨大な重圧に抗して粘り強くたたかい続け、当初は二〇〇七年の完了が予定されていたこの空母艦載機移駐計画を一日一日と押し返してきた。しかし、この移駐完了により、岩国基地はとうとう現実に戦闘機約一二〇機が駐留する東アジア最大規模の米軍基地となった。昨年のF35Bステルス戦闘機一六機の配備や愛宕山米軍住宅(通称・アタゴヒルズ)の完成とあわせて、岩国には新たに約三八〇〇人の米兵とその家族が移駐し、岩国市の旧市街地人口約一〇万人に対して米軍関係者約一万人が駐留することになったのである。
 空母艦載機の移駐と同時に岩国住民が新たに直面してきたことは、岩国および周辺地域における米軍機による爆音被害の拡大・深刻化であった。
 昨年八月から空母艦載機の移転が段階的に始まって以降、米軍機による訓練が増加し、それにともなって爆音被害が深刻化した。市民から岩国市に寄せられる苦情件数は今年一月に入ってからは毎月三〇〇件を超えるようになり、四月には七四八件、さらに五月には九〇三件と過去最多を更新した。岩国市は市内五カ所で騒音測定を行っているが、七〇デシベル以上の騒音回数が艦載機移駐が始まる前の昨年七月には月間合計で七一一回だったのに対して、今年四月は三七二六回、五月には四一六九回と五倍~六倍近くも増加した。いずれの地点でも騒音の平均値は地下鉄の車内やパチンコ店内と同じくらいとされる八〇デシベルを超え、最大値は一〇〇デシベル(電車のガード下と同じ)に近く、滑走路の南側にあたる尾津町では四月に最高一〇三・三デシベル、五月に一〇三・九デシベルを記録した。すさまじい状況が招来しているのである。
 また、この爆音被害は岩国市内だけに限らない。岩国市に近い周防大島町や広島西部の廿日市市や大竹市などでの計測でも騒音の記録回数が増加している。米軍の訓練空域「ルート567」が上空に広がる西中国山地のなかに位置する北広島町でも米軍機の低空飛行訓練とそれにともなう爆音被害の増大が記録されている。爆音被害は県境を越えて拡大しているのである。
 さらに付け加えれば、爆音被害は昼間だけのことではない。滑走路の運用時間は午前六時半から午後一一時までというのが岩国市、山口県、国、米軍岩国基地でつくる岩国日米協議会での「確認事項」(一九七一年)だ。午後一一時までの滑走路の運用というのは、家族のだんらんや子どもたちの家庭学習、人々の安眠を妨害するのに十分だが、しばしばそれ以降の時間帯にも爆音被害がもたらされているのが現実だ。また、この岩国日米協議会の「確認事項」には「正月三が日は訓練をしない」、「お盆期間中は飛ばないようにする」という項目があるのだが、それが守られなくなってすでに久しい。今年のお盆期間(八月一三日~一六日)の七〇デシベル以上の騒音計測回数は、実に一〇〇回に達している。岩国市などの自粛要請に対する米軍側の回答はつねに同じだ。すなわち、「任務遂行上、不可欠であり、止めることはできない」と言うのである。艦載機移駐以後の爆音被害の増大に対しても米軍側の回答は同じである。そもそも現行の日米地位協定においては、日本側に米軍機の飛行を制限する権限はなく、米軍にはその飛行計画を日本側に通知する義務もない。そのことが、岩国日米協議会による「確認事項」が絶えずないがしろにされる根拠となっている。岩国とその周辺地域の住民は(沖縄をはじめ米軍基地を抱える他の地域の住民と同様に)、この点でも不平等な日米地位協定の壁に直面しているのである。
 また、爆音被害の拡大・深刻化は、空母艦載機の移駐による米軍戦闘機の訓練や作戦運用の増加に起因するのだが、それは同時に米軍機による事故の危険性をも増大させるものである。実際にもこの数年、在日米軍に所属する米軍機の事故が続発してきた。二〇一六年一二月に発生した岩国基地所属のFA18ホーネットの高知沖での墜落事故もそのひとつである。また、岩国基地を運用拠点・中継拠点のひとつとする普天間基地所属のオスプレイも、一六年一二月での名護市安部沖での墜落事故や一七年八月のオーストラリアでの墜落事故など、深刻な事故を繰り返している。また、昨年一月から岩国基地への配備が開始されたF35Bステルス戦闘機についても、同機種が市長による受け入れ表明直前の一六年一〇月に米国フロリダ州で出火事故を起こし、今年九月二八日には米国サウスカロライナ州で墜落事故を起こしている。米軍機の墜落事故は現実に存在する危険性であって、岩国の人々は絶えず事故に対する不安を抱えて生活せざるを得ない。
 岩国の人々はこれまでも長年にわたって米軍戦闘機の爆音に悩まされ、また軍用機の墜落事故を危惧し、その解決を求めてきた。これを受けて岩国市は、一九七〇年代から滑走路の沖合への移設を防衛省を通して要望し続けてきた。それは基地の沖合を埋め立て、滑走路をこれまでよりも一キロ沖合側に移転させる「滑走路沖合移設事業」として最終的に具体化し、一九九七年より埋め立て工事が開始され、二〇〇五年にはその工事も半ばを越えていた。
 在日米軍再編の一環として厚木基地からの空母艦載機の移駐計画が発表されたは、こうしたなかでのことだった。基地被害の緩和を望んできた住民に対して、日米両政府が打ち下したのはそれとは逆の基地負担の強化であった。基地はこれまでの一・四倍に拡張され、空母が接岸可能な岸壁も造られた。岩国基地はオスプレイの全国・全世界への運用拠点・中継拠点とされ、F35Bという最新鋭のステルス戦闘機が配備され、「もうひとつの米軍基地」として愛宕山米軍住宅(アタゴヒルズ)が造成された。さらに、爆音被害の拡大・深刻化と一体となった空母艦載機の移駐がおし進められてきたのである。基地の拡張と新滑走路の建設が基地機能の飛躍的な強化を呼び込んだのだ。われわれは少しでも基地被害から解放されたいという住民の素朴な願いを逆手にとり、住民たちをだまし、基地強化を推進してきた日米帝国主義政府を徹底して弾劾しなければならない。
 いま岩国住民は深刻化する爆音被害とのたたかいに立ち上がっている。「異議あり!『基地との共存』市民行動実行委員会」は、米軍機による爆音被害をなくすことを求める署名運動を開始し、七月一日には岩国市役所前で「爆音はゴメンだ市民集会」を四〇〇人の参加で開催した。集会では、「家の上を艦載機が飛ぶ。テレビも聞こえず、電話も、会話もできない。飛行機が落ちてこないか心配だ」(周防大島住民)、「夜勤の看護師(妻)が昼間に寝ていて起こされる。腹の底に響く爆音だ」(由宇町住民)「山を越えてきたと同時に頭上から覆いかぶさる爆音がとどろく。静かな和木町を返してほしい」(和木町住民)など口々に深刻な爆音被害が訴えられた。また、国を相手取って騒音被害の賠償や空母艦載機の移駐差し止めなどを求めてたたかわれてきた爆音訴訟は、いよいよ来年一月二五日に結審を迎える。
 二〇〇六年三月の空母艦載機の移駐に関する住民投票は、これ以上の基地強化は決して許せないというのが大多数の岩国市民の意思であることを明らかにした。以降、岩国の人々は、米軍再編を受け入れないことを理由にした市庁舎建設のための補助金の凍結という露骨な恫喝や米軍再編交付金による懐柔策など、基地強化をおし進めようとする日本政府による「アメとムチ」の政策に抗い、いくつもの市民集会の開催を含めてそのたたかいを継続してきた。また、米軍機の事故や米兵による性犯罪を含む事件・事故を弾劾し、艦載機の移駐のみならず、愛宕山米軍住宅建設やオスプレイの運用拠点化、KC130空中輸送機部隊やF35ステルス戦闘機の配備など、ますます激しくなる基地強化に抵抗してきた。その攻防の一環として、岩国基地をめぐる裁判闘争も、海(沖合移設事業埋立承認処分取消請求訴訟)、空(爆音訴訟)、山(愛宕山開発事業認可取消処分取消請求訴訟)、テーブル(愛宕山開発等に係る市長協議報告書非開示決定取消請求訴訟)の四つの領域で取り組まれてきた。粘り強いたたかいのなかで、とりわけ愛宕山米軍住宅建設に反対して二〇一〇年八月に開始され、今日まで八年以上にわたって継続されている毎月三回の「愛宕山見守りの集い」は、岩国住民のたたかいの持続性、不屈さを象徴している。このようなたたかいのなかで掲げられてきた「異議あり!『基地との共存』」という言葉は、現在の岩国市長が前提とする「基地との共存」政策を問い返し、岩国基地の存在そのものを問うものとなっている。
 二〇〇五年一〇月の日米安全保障協議会(2+2)での計画発表以来、足かけ一二年半をかけた空母艦載機の移駐が完了し、それがもたらす爆音被害が深刻化するなかで、岩国基地に対する住民のたたかいは新たな段階に入っている。岩国の人々のたたかいは、地域で平和に生きていく権利、生存権をめぐるたたかいである。「基地との共存」を強いられることに抗する岩国住民のたたかいを全国から支えよう。それはまた、強化される日米軍事同盟と対決し、沖縄―「本土」を貫く反基地闘争を発展させていくための重要なたたかいであり、切り拓かれつつある新たな朝鮮半島・東アジア情勢のなかで、侵略戦争のための前線基地、出撃拠点を撤去することを通してアジア人民との連帯の前進をつくりだしていくための歴史的な課題をもつたたかいなのである。

●(第三章)二〇一八岩国行動の成功をかちとろう

 アジア共同行動(AWC)日本連絡会議と岩国・労働者反戦交流集会実行委員会は、きたる一一月二四日・二五日に、「爆音をまき散らす岩国基地はいらない!」、「戦争と改憲の安倍政権を倒そう!」、「米軍をアジアから総撤収させよう!」などのスローガンを掲げ、「東アジアの平和を創る『二〇一八岩国行動』」を開催する。岩国住民の粘り強いたたかいに連帯し、全国反基地運動の前進をかちとり、日米軍事同盟を粉砕してアジアから米軍の総撤収を実現する展望を切り拓いていくために、この二日間の取り組みを支え、成功させていこう。われわれは全国の労働者・学生の皆さんがこのたたかいを支持し、共に岩国現地へと結集することを呼びかける。
 この二日間の取り組みにはまた、韓国で反基地闘争をたたかう仲間が参加する予定である。
 韓国においては、朴槿恵前政権の末期に「北の脅威」を口実にして米軍THAAD(終末高高度ミサイル防衛)システムが強行搬入された。その後、新たに文在寅政権が発足し、南北首脳会談が開催されて以降も、THAADは稼働を続けており、住民の抵抗を暴力的に排除しての関連資材の追加搬入さえ行われている。その配備先である星州・ソソン里では現在も関連資材や燃料の搬入阻止闘争が日々続いており、米軍は人員・資材・燃料の輸送を陸路ではなく空輸に頼らざるをえない状況が続いている。この星州・ソソン里の住民をはじめとする韓国の労働者人民の反米軍基地闘争と岩国住民の粘り強いたたかい、全国各地の反基地闘争との結合を促進し、反基地闘争の国際連帯を発展させていくことが求められている。
 われわれは「二〇一八岩国行動」の成功に向けて、全国の労働者・学生の皆さんが以下のような獲得目標をもって、共にこの岩国現地闘争に立ち上がっていくことを呼びかける。
 第一に、艦載機の移駐完了と深刻化する騒音被害を弾劾し、粘り強くたたかう岩国住民と連帯し、そのたたかいを支え、岩国基地とのたたかいをさらに広く全国的な課題へとおし広げていくことである。すでに述べてきたように岩国基地は様々な在日米軍基地のなかでも突出したかたちで基地機能の強化がおし進められ、住民たちはそれに粘り強く反対してきた。艦載機の移駐完了によって新たな段階に入った岩国住民のたたかいを全国から支えていこう。
 第二に、改憲策動をおし進め、侵略戦争出動態勢をますます強化する安倍政に対して、反基地闘争の現場からこれに対決するたたかいとして岩国現地闘争の成功をかちとることである。安倍政権の存在とその政策が、朝鮮半島と東アジアの平和に敵対し、アジア人民に侵略の銃を向けるものであることは明らかだ。安倍政権の打倒をめざす全人民政治闘争をおし広げていくための一環として、この岩国でのたたかいを成功させよう。
 第三に、反基地闘争の国際主義的な発展をかちとり、反基地国際共同闘争を前進させていくものとして、「二〇一八岩国行動」を成功させていくことである。先に述べた韓国でのTHAAD撤去闘争との連帯は、今日の反基地国際共同闘争の発展にとってきわめて重要な課題である。国際的な連帯と結合は、反基地闘争の勝利にとっての不可欠の課題に他ならない。われわれはアジアからの米軍を総撤収させていくという展望の下に、アジア各地の反米軍闘争との連帯をさらに発展させていかねばならない。
 第四に、この岩国現地闘争を全国反基地闘争の結合と連帯を促進していく一機会としていくことである。とりわけ日米政府の全体重をかけた重圧に抗して解放を求める沖縄人民の辺野古新基地阻止闘争への連帯が組織されていかねばならない。また、イージス・アショア配備反対闘争、京丹後米軍Xバンドレーダー基地撤去闘争、神奈川の米軍基地群に対するたたかい、オスプレイ配備によって強化される横田基地に対するたたかいなど、全国各地の反基地闘争による相互の連携・連帯を前進させ、それらのたたかいと岩国反戦闘争の結合を発展させていくことが求められている。
 第五に、「二〇一八岩国行動」を通して労働者反戦闘争のさらなる前進をかちとっていくことである。岩国行動の機会に積み重ねられてきた岩国・労働者反戦交流集会は、労働者反戦闘争の復権と前進に向けて、また、職場闘争と階級闘争、反戦平和のたたかいを結合して資本家階級の攻撃に対抗しうるたたかう労働組合運動の発展に向けて、ひとつの重要な役割を果たしてきた。
 いま連帯労組関西生コン支部への大弾圧に見られるように、政府と資本はたたかう労働運動つぶしに奔走している。それを弾劾し、階級的労働運動の飛躍、その一環として労働者反戦闘争の前進をかちとっていこうではないか。今年の岩国・労働者反戦交流集会の成功をかちとろう。
 「二〇一八岩国行動」のもつ意義と重要性は鮮明だ。全国のたたかう労働者・学生は岩国現地に結集し、共にこのたたかいの成功をかちとろう。




 

 

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