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   18春闘に勝利しよう

  
大幅賃上げ、「働き方改革」阻止、戦争・改憲反対

     
          中央労働運動指導委員会




 ●1章 18春闘を取り巻く情勢

 ▼1章―1節 18春闘と戦争の危機


 安倍政権は朝鮮半島における戦争の危機を煽りたて、戦争国家化とそれに向けた改憲をもくろんでいる。米帝と一体となって「制裁と圧力」の強化のみが朝鮮民主主義人民共和国の「核開発」を放棄させることができると主張している。また米帝の「あらゆる選択肢がテーブルの上にある」という軍事的手段の行使も支持している。
 米帝の危機感とは朝鮮民主主義人民共和国がICBMといわれる「火星15号」によって米本土を核兵器で攻撃する可能性があるという事である。米帝が「可能性」だけで戦争をしかければそれは「予防戦争」であり、全世界での戦争拡大の引き金になりかねない危機的な行為である。従来の先制攻撃が、敵が攻撃の意思を持った段階で行使されるのに対し、「予防戦争」はその前段でおこなう将来の攻撃の可能性に備えた予防的軍事行動だからである。各国がこのような権利の行使を主張すれば、外交交渉が介在する余地はなく国際的秩序の維持は不可能と言われている。日本はその「予防戦争」に在日米軍基地を出撃拠点として提供するとともに、日米安保と戦争法によって実質的に参戦することになる。戦争は核戦争になる可能性が高い。
 そして米帝が軍事攻撃を行なえば朝鮮民主主義人民共和国の労働者、民衆に多大の犠牲が出るだけでなく、核の報復により韓国、日本では数十万人、数百万人の死傷者が出ると言われている。安倍政権は米帝の「予防戦争」を支持し、その結果、韓国、日本が壊滅的打撃を受けてもいいと主張しているのである。安倍政権の「制裁と圧力」は、米帝の本土攻撃の可能性の排除のために日本の労働者、民衆の生存を根底から脅かす許しがたいものである。
 安倍政権がこのような形で戦争の危機を煽り立てる真の目的は、全世界での戦争の拡大、中国の台頭などのなかで自らの帝国主義的権益を軍事的に防衛する戦争国家化の推進とそれを実現する憲法改悪のためである。安倍政権はイージスアショアの購入、過去最高の五兆二千億円と言われる一八年防衛予算、米韓合同軍事演習と連動した日米韓作戦体制の強化、安保強化を推し進めている。また一月二二日から開始される通常国会での憲法改正発議をおこなうと繰り返し表明し、六月にも改正発議が行なわれるという見方もある。18春闘はこのような朝鮮半島における戦争の危機、戦争国家化、改憲策動のなかでの闘いとなる。

 ▼1章―2節 18春闘と貧困の拡大、労働強化

 18春闘はアベノミクスが破たんし、貧富の差が拡大するなかでの春闘である。異次元の金融緩和、公共投資で利益をあげたのは大企業だけである。一六年度末の大企業(資本金一〇億円以上。金融、保険を除く)の内部留保は、三二八兆円(前年度比約一五兆円増)、全企業の内部留保は六〇四兆円(前年度比三一兆円増)である。まさに「わが国企業全体の収益は史上最高を更新し続けている」(経団連・経営労働政策特別委員会報告、以下、「18経労委報告」)のである。
 反して労働者の賃金は安倍政権発足時の一三年と一六年を比較すれば現金給与総額は0・5%増だが、消費者物価を勘案した実質賃金指数はマイナス3・1%と減少している。大企業の経営指標では九九年度を100として、一六年度の経常利益は276・6に対し、賃金は100・4とほぼ同額、株主配当金は492・1となっている。その結果、労働分配率も九九年度の62%から一六年度は52・8%に低下している。
 労働者の生活は困窮し年収二〇〇万円以下の労働者は非正規労働者を中心に一一三二万人(全労働者の23・3%)で四年連続して一一〇〇万人を超えている。生活保護世帯は一七年七月時点で二一三万人、世帯数では一六四万世帯だが補足率は二割程度でしかなく、六五歳以上の高齢世帯が二割以上を占めている。
 貧困率は一二年の16%から一五年の15・6%に微減しているが、可処分所得の中央値の半分を貧困線とすることから、九六年には二九七万円であった中央値が一五年には二四五万円に低下し、その結果、貧困線が一四九万から一二二万以下に低下したからである。
 他方、富裕層では一〇〇万ドル(約一億一千万円)以上の金融資産を有する人は二八三万人で、アメリカについで世界第二位になっている。彼らの富の源泉は自社株の上昇と配当金である。すでに日本は富裕層の上位四〇人の資産が、日本人口の下位の半分(六〇〇〇万人)の資産合計に匹敵する格差社会になっている。
 雇用もまた劣化している。非正規雇用労働者も38%と年々増加し、とりわけ六五歳以上の労働者が増えている。六〇歳定年後の継続雇用制度で六五歳まで働き、生活できないので六五歳を超えても働かなければならない労働者が、非正規労働者として働いているのだ。会計年度任用職員の導入など公務非常勤労働者の拡大と低賃金の固定化も目論まれている。
 このような事態の中で安倍首相は、「正社員の有効求人倍率が1を超えたこと」「就業者数が一二年から一六年で一八五万人増えたこと」などの成果をあげたと主張している。正社員の有効求人倍率が増えているのは事実だが、求人が増えたのは介護、保育など仕事がきつく賃金が低い業種であり、これらの職種を除くと倍率は1以下になる。就業者数の増加も内訳は正規雇用が二二万人、非正規雇用が二〇七万人で圧倒的に非正規雇用が多く、非正規の雇用の増加は成果とは言えない。
 安倍政権によるアベノミクスによって労働者の実質賃金は下がり続け、雇用も劣化し、貧富の差も拡大しているのが実態である。

 ▼1章―3節 18春闘と働き方改革との対決

 18春闘は、安倍政権による「働き方改革」強行との対決の中で闘われる。「働き方改革」は安倍政権にとって、朝鮮半島危機と並んで国難と位置付ける重要課題である。安倍政権は一六年頃から「働き方改革」と称して「同一労働、同一賃金」「長時間労働の是正」「賃金引上げ」などを強調してきた。「働き方改革」は、少子高齢化による労働力不足対策、市場縮小の克服、一億総活躍社会実現、アベノミクスの成長戦略などの要として、「万能薬」的にその効能がうたわれてきた。しかし一七年三月に決定された「働き方改革実行計画」の内容とは、「生産性向上」をキーワードとした日帝ブルジョアジーの強搾取、強収奪の願望のオンパレードでしかない。
 安倍首相が「生産性革命、人づくり革命」と称すように、「働き方改革」とは、労働者保護制度などを無視し、老若男女を問わず、死ぬまで、寸暇をおしみ時間があるかぎり働かせようとするものである。耳触りの良い「長時間労働の是正」なども労働密度の強化の結果、実現するものとされ、残る時間を更なる労働と家庭生活に分割することによって、生産力の増大と家庭生活時間を増加させようという代物である。
 労働者にとっては労働密度の強化の結果として生産性が向上した時、はじめて労働時間短縮が可能になるだけである。どの程度、生産性が向上すれば労働時間短縮になるかは使用者の胸先三寸である。生産性があがらなければ長時間労働と低賃金に甘んずる以外にはない。仮に生産性が向上し家庭生活時間が少々増えたとしても翌日の厳しい労働に備えた精神的、肉体的な疲労回復に当てる以外になく、家庭生活の充実などありえない。この厳しさは家事、育児、介護責任を差別的に押し付けられながら賃労働を強要される女性労働者にとってより過酷なものとなる。
 「雇用によらない多様な働き方」と称してテレワークの推奨や請負による働き方の拡大など労基法による労働者保護の適用除外の労働を作り出し拡大しようとしている。使用者に使いやすく大きな利益をもたらす労基法などの適用がない労働力を、大量につくりだそうとしているのだ。
 安倍首相が「生産性革命、人づくり革命」と言うように、それは単なる生産性の向上や教育費の無償化による人材の育成にとどまらず、日本社会を更なる強搾取、強収奪が可能な社会へと作り変えようとするものである。日本帝国主義ブルジョアジーは、労働者民衆に対する「革命的」な搾取、収奪を実現しなければ、帝国主義間競争の激化、少子高齢化・労働力不足・国内市場縮小の中で、自らの延命が不可能であることを強く自覚している。
 一月二二日に開始された通常国会で、この「働き方改革」の実現にむけ八つの法案をひとくくりにした「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」が予算案のあとに審議入りするとされている。18春闘の過程で「働き方改革一括法案」の成立を阻止する闘いを構築していかなければならない。

 ●2章「働き方改革」と同調する「18経労委報告」を許すな

 日本経団連は、「18経労委報告」において「働きがいと生産性向上、イノベーションを生み出す働き方改革」をテーマにした、18春闘にむけた基本的立場を明らかにしているが、それは安倍政権の「働き方改革」と同調したものである。
 冒頭、「18経労委報告」では重要な課題として、少子高齢化による人口減少、環境・エネルギー制約、大都市への人口集中、国際的、対外的にはグローバル化の下での国際競争の激化、これらに対処しながら持続的な成長にむけた「society5・0」(注)を実現することであるとしている。
 日本経団連もまた少子高齢化、都市集中と地方の疲弊、原発事故など自らの搾取と収奪によって疲弊し、破たんしつつある日本社会を再構築すること抜きに、経済活動の持続可能な発展がないことを自覚していることがうかがえる。その新たな社会の実現は、「働き方改革と労働生産性向上の一体的取り組み→企業収益の拡大→処遇改善」という社内好循環をつくりだし、それを日本経済全体につなげていくことであるとしている。日本経団連が美辞麗句で飾り立てる新たな経済社会も、生産性の向上をキーワードにした搾取、収奪の強化によってしかもたらされないものである。相変わらずのトリクルダウンであり完全な自己矛盾である。後述するように企業収益の改善が処遇の改善にむすびつかず景気回復が実現されていないことは日本経団連自身が認めていることである。
 それのみならず「時間外労働の削減などによる長時間労働の是正などは『働き方改革』の一面に過ぎず、労働時間管理だけを目的化するものではないよう留意」と、その本音をあけすけに述べている。「『働き方改革』を通じて、女性や高齢者など多様な人材が、就労ニーズやライフサイクルなどに合わせて様々な職場環境を整備することで潜在的労働力を顕在化させ」と述べているように、高齢者や女性を細切れ雇用で雇い入れ、低賃金でこき使い労働生産性を向上させようとしている。既に雇用している労働者に対しては労働強化、そして女性、高齢者など潜在的労働力として位置づける労働者は多様な働き方と称しての労働市場に駆り出し、低賃金、細切れ雇用でこき使うというのが基本的立場である。
 18春闘に向けた基本的な方針としては、「安倍政権のもとで緩やかな景気回復が実現され、デフレ脱却まであと一息のところにまで来ている」「賃金引き上げのモメンタム(勢い)は着実に続いている、しかしGDPの六割をしめる個人消費はいまだ力強さを欠いている、一七年度も企業収益は過去最高を更新し続けている中で安倍総理の『3%の賃金引上げ』は社会的な要請、期待感を代弁したものと捉えるべき」と述べ賃金引上げは必要との立場を表明している。
 日本経団連のこの表明は、大企業を中心とする内部留保の増加になどに対する、貧困化する労働者、民衆の怒りに対処せざるをえなくなったものであることを確認しておく必要がある。
 それ以外に自ら述べているように、GDPの六割をしめる個人消費が伸び悩んだままだからである。その原因は、「18経労委報告」も認めるように賃金があがらないばかりか可処分所得が減少していること、社会福祉、社会保障制度の持続可能性への不安などからである。労働者数の七割を占める中小企業労働者には日本経団連が自負する四年間の賃金引き上げの恩恵は及んでおらず、個人消費が拡大しないのは当然である。日本経団連が「賃金引き上げのモメンタム(勢い)を」と主張するのは労働者の生活改善のためではなく、自ら述べるように「デフレからの完全脱却と経済の好循環の拡大・加速へとつなげ」、自らの利益を更に確保するためである。そのための先行投資としての「賃金引上げのモメンタムの継続」でしかない。
 また非正規雇用労働者を中心にして低賃金労働者が増加しているなかで、彼らに社会保障費と税金は最低限支払える賃金を補償しなければ、危機的な社会保障制度が破たんし、最終的にはブルジョアジーもまたその費用の一部を負担しなければならなくなるからである。
 非正規労働者の増大の中で、貧困の要因にもなっている正社員との格差是正の要である「同一労働同一賃金の実現」については、正社員と非正規社員との待遇差の存在は前提としたうえで、不合理な待遇差のみを問題にしており、同じ仕事をしていれば雇用形態にかかわりなく同じ賃金という原則から大きくかけ離れたものである。
 以上、述べてきたように「18経労委報告」は、賃金引上げを呼びかけてはいるが、「自社の収益や実情にかなった積極的な賃金引き上げの検討、実施」であり、あくまで自社の実状優先、生産性向上による利益拡大が大前提である。仮に賃上げするにしても将来の利益確保のための「撒き餌」のようなものでしかない。われわれは18春闘においては日本経団連の思惑をはるかに乗り越えて、大幅な賃金引上げ、労働条件の向上を勝ち取っていかなければならない。

 ●3章 われわれの18春闘の闘い

 ▼3章―1節 大幅な賃金引き上げ、労働時間短縮をめざそう


 18春闘において安倍政権は3%の賃金引上げを要請し、日本経団連も賃金引上げを主張している。しかし可処分所得の減少ということから言えばその程度の賃金引き上げでは、労働者の生活は改善されることはない。
 全労協は「八時間で生活できる賃金を!」などを掲げ、全国一般全国協は「定昇分2%+ベア分2%+大企業との格差是正3%」の7%以上の賃金引上げを要求している。これらの闘いと結合し大幅な賃金引き上げを実現していかなければならない。
 長時間労働は低賃金の結果でもある。一六年の毎月勤労統計調査では一般労働者の総実労働時間は二〇〇三時間である。月八〇時間以上の時間外労働は過労死ラインであるが、男性では一割以上の労働者が強制されている。週労働時間六〇時間を超える労働が多い医師や運転手は「働き方改革実行計画」では時間外労働の上限規制の適用を五年先送りにされている。多くの労働者が長時間労働で肉体的、精神的に病んでいるだけではなく過労死している。世界有数の長時間労働を短縮していくことは賃金引き上げと結合した課題だ。

 ▼3章―2節 最賃引上げ、労契法二〇条、
         無期転換で非正規労働者の処遇改善を


 最低賃金引き上げは非正規労働者の時給引き上げにとっては決定的に重要である。改正後の最低賃金額を下回る賃金で働く労働者の割合をしめす「影響率」は一六年度には過去最高の全国平均11・0%となった。その多くが非正規労働者であると予測される。最低賃金が上がれば賃金があがる労働者は、影響率の対象労働者だけではない。毎年、時給があがるランク制を採用している流通、製造などの大企業のパート制度では、最下位のランクが最低賃金見合いであることが多く、最低賃金が上がることによって最下位ランクがあがれば、企業は最上層まで引き上げなければならなくなり、その影響は雇用するパート労働者全体に及ぶ。
 最低賃金引上げを春闘において重要な課題として位置づけ闘うことは、組織された労働者による未組織や非正規の労働者に対する賃金引上げの連帯戦であり、社会的責任でもある。「最低賃金一五〇〇円をめざし、直ちに一〇〇〇円」を掲げ春闘時から最賃引上げの署名活動などを大々的に展開しよう。
 労働契約法二〇条や「同一労働同一賃金ガイドライン」などには、正規と非正規との差別は認めた上で「不合理な差別は禁ずる」という限界がある。しかし福利、厚生、一時金などを中心にして、闘いに使える部分もある。各職場で創意工夫を凝らし要求を練り上げて、非正規労働者の労働条件改善を実現しよう。
四月一日以降、有期労働契約が五年を超えて反復更新された場合は労働者の申込により労働条件は変わらないが、五年を超えた有期契約の終了後、「期間の定めのない雇用契約」になるという無期転換権が発生する。権利を有する有期雇用労働者の四月一日前の脱法的な雇止め解雇を許さない事、無期転換後の労働条件の向上を、18春闘の重要な課題として闘いぬこう。

 ▼3章―3節 「働き方改革一括法案」の成立を阻止しよう

 「働き方改革」にむけた法整備である、「働き方改革一括法案」の三月予算案成立に引き続いての成立が目論まれている。この法案は、「働き方改革」の実現にむけ、労基法、じん肺法、雇用対策法、労働安全法、派遣法、労働時間等の設定の改善に関する特措法、パート法、労働契約法など八本の法律の一部改定を一括で行おうとするものである。
 労基法の改悪については、年収一〇七五万円以上の「高度専門職」労働者には残業代をはらわない残業代ゼロ制度の導入がある。それ以外に、「企画業務型裁量労働制の対象業務拡大」がある。裁量労働制は、一定時間働いたとみなし、実労働時間にもとづく割増賃金を支払わない制度である。対象者に労働時間の裁量を与えるのが導入要件だが、仕事の内容、期限、遂行方法の裁量は与えないので、自ずと使用者のやりたい放題で業務過多になり、合法的に未払い残業が多く発生する制度となる。従来は本社の企画・立案、調査・分析業務に限定されていた「企画業務型裁量労働制」を、法人向け営業や本社以外の事業所の企画や管理業務にも広げ、導入手続きも簡素化しようとするものである。
 長時間労働規制も月四五時間、年間三六〇時間を超える残業には罰則がつくが、労使協定(三六協定)を締結すれば単月で一〇〇時間未満、二~六カ月の平均で月八〇時間の残業が可能となり政府も認める「過労死ライン」を超える代物である。
 「雇用対策法の一部改正」では、従来の「雇用対策の基本方針」のみならず一条の目的に「労働生産性の向上を促進」などの文言があることから、労働者の雇用の安定をはかるという法律の目的が、労働生産性向上のための雇用対策に逆転し、長時間労働、低賃金、労働強化促進が法的に強制される可能性が強い。
 それ以外にも労契法二〇条の削除など様々な問題点がある。国会の多数の力で強権的に労働者保護法制を抜本から解体しようとする攻撃を許してはならない。全労協、全国一般全国協、コミュニティーユニオン全国ネットなど多くの労働組合、労働団体が共闘し、「働き方改革」反対の全国キャラバンを組織することが決定されている。これらの闘いに参加し「働き方改革」反対の闘いを広範に作り出そう。

 ▼3章―4節 戦争反対! 東アジアに核なき平和を

 戦争の危機が深まっている。麻生が「北朝鮮のおかげで総選挙に勝利できた」と発言したように、朝鮮半島情勢は労働者の意識に大きな影響を与えている。内閣支持率はそれほど高くなくとも、自民党が支持されているのは、「国がなくなれば国民(自分)はどうなるかわからない。安倍は嫌いだが、戦争になれば安保強化、自衛隊強化を掲げ日本を守ってくれる自民党しかない」という意識に絡め取られた労働者民衆が多数、存在するからである。
 戦争の危機を招いているのは自民党・安倍政権である。戦争は労働者同士の殺し合いであり、絶対に認められない。必要なことは朝鮮民主主義人民共和国の核廃棄だけではなく、中国、在日、在韓米軍の核廃棄と、在日、在韓米軍基地の撤去による東アジアにおける平和的環境の形成である。そのためには中国、韓国、日本などの東アジアの労働者、民衆の国際的に連帯した闘いが必要であることを強く訴えていかなければならない。
 労働組合とそこで活動する先進的活動家が積極的にその役割を果たさなければならない。何故なら戦争は労働者の生存権を奪う最大の生活破壊であり、反戦運動こそ、労働者の生活を守る労働組合が取り組むべき闘いである。国益を超えた国際連帯をもっとも体現できるのは労働者であり、先進的労働者が多数参加する労働組合である。
 同時に、戦争反対の闘いは改憲阻止の土台となる。「戦争反対! 東アジアに核なき平和を!」を主張する勢力が改憲阻止勢力の基盤とならなければ、戦争の危機を口実にした改憲勢力の攻勢に対して勝利することはできない。18春闘の過程で「戦争反対! 核なき東アジアの平和を!」の闘いを強化しよう。
(注)「society5・0」 内閣府が発表している新たな経済社会イメージ。ⅰ人口減をものともしないスマートな社会、ⅱ高齢者や女性等、あらゆる個人が活躍できる社会、ⅲサイバー、フィジカルいずれも安全・安心な社会、ⅳ都市と地方がつながり、あらゆる場所で快適に働き暮らせる社会、ⅴ環境と経済が両立する持続可能な社会


 

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