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   東海原発第二の再稼働を許すな

  
    安倍政権の原発再稼働策動を弾劾する
     




 安倍政権は、原発の再稼働を強行している。鹿児島・川内原発、愛媛・伊方原発に続いて、本年は福井・高浜原発を動かした。来年早々には福井・大飯原発、佐賀・玄海原発を動かそうとしているのだ。福島第一原発が引き起こした放射能被害は多くの住民を絶望に追い込んだ。子供の甲状腺がんは百九十一人に増えた。帰還政策を強引に進めているが、インフラは破壊され、仕事もない。住民を放射能まみれの中に放り込んでいる。まさに安倍政権は棄民政策を実行しているのだ。「アベノミクス」の破たんを取り繕うために、「福島は世界一安全だ」などと大嘘を言ってオリンピックを誘致したのだ。住民の安心・安全などは安倍にとってはどうでもいいことなのだ。どうして原発の再稼働など許せるだろうか。一刻も早く安倍打倒を実現し、全原発の廃炉を実現しよう!

  ●1章 11・19再稼働反対現地集会を闘う!

 茨城県・東海村で東海第二原発再稼働に反対する講演会と集会・デモが四百名の参加で勝ち取られた。首都圏から一番近い原発と言われる東海第二原発は、一九七八年運転開始でこの十一月で四十年越えを迎える老朽原発だ。日本原子力発電は、この原発を再稼働させるために、運転申請書を原子力規制委員会に出すと言う。しかしこの原発はあの3・11福島事故時に、大津波で電源が失われ、破壊寸前まで行ったのだが、残りの非常用電源でかろうじて冷却機能が維持されたのだ。この地域三十キロメートル圏内には百万人近い住民が住んでいるが、全住民避難などできるはずもなく、多くの住民が廃炉を望んでいる。
 集会では老朽原発は金属疲労がひどく簡単に破損しやすい、絶対動かすべきではない。大地震発生の可能性が残っており危険である等々再稼働反対の声がつづいた。東海村中心部でのデモは初めてとのことであった。町全体が原子力関係の企業や研究所で一杯である。
 しかし、東海原発第二の再稼働反対の声は、大きくなってきている。地元では一九九三年に起きたJCO(住友金属子会社)の臨界事故を忘れてはいない。核燃料加工中、臨界状態になり核分裂反応が続き、被曝者三人中二人が死亡し、住民ら六百六十七人が被ばくしたのだ。こうしたことは現地の反原発運動に大きく教訓化されているのだ。

  ●2章 日本原子力発電の再稼働策動を許すな!

 反動的な再稼働を推進する日本原子力発電株式会社(原電)は、各電力会社が出資して作った会社で、東電が最大の筆頭株主なのだ。一九五七年創設で日本の商業原発のパイオニアだと自画自賛している。あの核・原発推進の旗振り役の右翼政治家・正力松太郎が産みの親なのだ。東海第一は廃炉、福井・敦賀原発一、二号機は運転停止中である。東海第二は運転停止前は東電に電力の八割を供給していたのだ。こんな老朽原発をなぜ動かそうとしているのか? この原発はフクイチと同じ沸騰水型原子炉と同じもので、また東電が動かしたがっている新潟・柏崎刈羽原発とも同じ形式なのだ。東電は倒産寸前の原電に資金援助まですると公表されている。これを動かすことにより、まだ事故原因も特定されてないフクイチ事故を曖昧にし、柏崎刈羽原発再稼働の呼び水にしようという悪辣な目論みなのだ。こんなことは許されない。全国三十カ所近く起こされている「福島避難者賠償裁判」では、国と東電の責任を認める判決がでている。いずれも十分な判決内容とは言えないが、大津波が予見出来て対策を講じていれば被害が最小限で済んだかもしれないことを断言しているのだ。このことを無視して再稼働を推し進める原電は犯罪企業だ。絶対安全を保障できない原発は動かしてはならないと言うのが、フクイチ事故の教訓なのだ。
 破綻寸前の原電が、廃炉費用を大幅に流用していることが判明した。経産省は、原発事業者には廃炉費用の積み立てを義務付けている。原電は原発の過酷事故が起きても何ら対処する資金も技術もないのだ。住民の安心・安全など考えていない。しかも、東電はこの企業に二千億円もの援助をするという。すべて私たちの税金と電気料金ではないか。福島の避難者の補助を打ち切っていながらの東電のこうした行為は絶対に許せない。

  ●3章 原発推進委員会に成り下がっている原子力規制委員会を弾劾する

 こんにちの再稼働ラッシュを生み出しているのは原子力規制委だ。「原子力マフィア」などと揶揄されたように、経産省下で利権をむさぼり、安全など二の次になっていた原子力保安院を分離独立させて作ったのが原子力規制委員会だが、福島の事故の真相究明も明らかになっていないにもかかわらず、前の田中俊一委員長は「新規制基準」を作ったが、当然再稼働のハードルが低く、活断層や地震、津波などの検証が不十分なまま審査書の認可を行っている。 二〇一四年大飯原発再稼働運転差し止め訴訟では福井地裁で「新規制基準」は原発の安全性を保障しうる水準ではないとの判断が下されている。フクイチ事故を受けて、原発の安全性を検証すると言いながら、政府・産業省の言いなりになり下がっている。こんな規制委は解体あるのみだ。

  ●4章 安倍政権の再稼働ラッシュを許すな
           大飯、玄海の再稼働を阻止しよう


 再稼働問題を考える場合どうしても見ておかなければならない問題がある。安倍政権は「核兵器禁止条約」に賛同しなかった。「唯一の被爆国」を標榜しながら「核」を完全に否定しない日本政府は世界から不信と疑惑の目で見られている。安倍はかつて「核の保有は憲法違反にならない」と発言している。最近では、自民党自身が「核シェアリング」(※)があってもいいんではないかと言う始末だ。安倍は核武装論者なのだ。戦争できる国を目指す安倍は核武装を目指している。国連常任理事国入りに執着する安倍は、その条件の一つが核武装だと考えているのだ。原発再稼働は、核爆弾製造の元であるプルトニウムを生み出す。
 すでに日本には四十七トンのプルトニウムがあり、六千発以上の原爆を所有しているのと同じなのである。ここに原発再稼働の本質があることを見ておかなければならない。
 3・11以降、原発がなくとも電気が足りているのは明白な事実だ。オリンピック誘致のため「福島は世界一安全だ」とうそぶき、再稼働に突き進む安倍政権は「民意」を完全に無視する最悪政権だ。改憲勢力を統合し、本格的に戦争国化に踏み出そうとしている、破たんした「アベノミクス」を覆い隠すために、ことさら「共和国」の脅威を煽り、「国難」を演出している。ミサイルで本当に危機があるなら、電車を止めるのではなく原発こそ停止しなくてはならないのだ。嘘と欺瞞にまみれた安倍政権を絶対に粉砕していこう。
 安倍政権は、年明け早々にも福井・大飯原発を、また佐賀・玄海原発を再稼働しようとしている。二〇一四年福井地裁は、大飯原発の再稼働差し止め判決を出した。大きな事由は、3・11福島事故の検証がなされていない、ゆえに「新規制基準」は原発の安全性を満たしていないと断言しているのだ。規制委の田中俊一前委員長さえ「安全性を保障するものではない」と公言している。玄海では三十キロメートル圏内八市町のうち四市町が再稼働に反対している。熊本大地震によってもたらされた被害はまだ回復していない、こんな中で原発を動かし続けることに多くの住民が反対しているのだ。国の先兵として再稼働を推進する関電、九電を徹底追求しよう。再稼働阻止の広範な共同行動をつくり、すべての原発を廃炉に追い込もう。

  ●5章 国際連帯で闘おう!

 国際潮流は明らかに反原発、脱原発に向いている。3・11以降ドイツ、スイスでは脱原発、台湾、ベトナムも脱原発に舵をきった。韓国・ムンジェイン政権は「脱原発」を公約し大統領に当選したが二〇三一年までに十八基、同三八年までに十四基に減らすとしたが「原発ゼロ期」は明記しなかった。「脱核」を反古にしたムンジィン政権に韓国民衆は、大いに憤激している。それどころか、韓国の核武装化肯定論も出てくる始末だ。まさに朝鮮半島の戦争危機をたてに、権力維持を目論む姿勢は、安倍政権も、ムンジェイン政権も同じではないか。いまほど、民衆レベルでの共同行動が問われているときはない。原発には国境がない。ひとたび過酷事故が起きたなら、東アジア全体に被害が及ぶのだ。反戦・反核・反原発の国際連帯闘争を一層強化してたたかおう。
(※)核シェアリング……核兵器を同盟国と共有すること。アメリカは、有事の際にNATO加盟のドイツ、ベルギー、イタリア、オランダへと核兵器を供給し、使用権限を与える方式となっている。


 

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