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   激動するアジア情勢のただなかで、

      反帝国際共同闘争の前進をかちとれ
     




 米国大統領ドナルド・トランプが十一月五日からの日本訪問を皮切りに、韓国、中国、ベトナム、フィリピンとアジア諸国を歴訪する。われわれはトランプ来日―日米首脳会談粉砕闘争をトランプのアジア歴訪に対する連続闘争の第一波としてたたかい抜くとともに、激動する地域情勢の中でアジア太平洋地域の労働者・民衆と固く連帯した反帝国際共同闘争を大きく前進させていかねばならない。とりわけ、排外主義煽動を打ち破り、日米帝国主義による朝鮮侵略戦争策動と対決する国際的なたたかいをつくりだしていくことは喫緊の課題である。

 ●第一章 激動するアジア太平洋地域情勢

 アジア太平洋地域をめぐる情勢はこのかん激動を続けている。それは今日、一方では朝鮮半島をめぐる軍事緊張・戦争危機の高まりとして、他方では韓国やフィリピンに端的に示されるように新自由主義政策とそれを貫徹しようとする強権的・抑圧的政権に対する労働者・民衆の社会変革への希求と抵抗の拡大としてあらわれてきた。
 アジア太平洋地域を取り巻く情勢の不安定性、朝鮮半島をめぐって、台湾海峡をめぐって、領土問題をめぐって繰り返し生み出される政治的・軍事的な緊張と対立は、この地域に対する帝国主義の歴史的支配の結果であり、その危機の現れである。米帝を中心としたこれまでの帝国主義の世界支配秩序、世界資本主義体制がその根底から動揺を開始するなかで、アジア太平洋地域をめぐる情勢も激動に次ぐ激動を重ねていかざるを得ない。
 米帝国主義はその歴史的没落のすう勢をますます明確にし、その世界を編成する力を大きく減退させながら、歴史の歯車を逆に回そうとするかのように、自らの支配的な位置を確保しようと絶望的なあがきを続けている。他方で資本主義化をおし進めてきた中国が、地域的・世界的な大国としての存在感をますます増大させてきた。そうした動向を基底において、アジア太平洋地域に関しても、資源と市場の分割と再分割、勢力圏の再編成をめぐって帝国主義諸国や中国など諸大国間の経済的・政治的・軍事的なヘゲモニー抗争が、各地の労働者・民衆に犠牲を押しつけながら、いっそう強力におし進められていこうとしているのだ。
 これに関連して、米国のオバマ前政権はいわゆる「アジア回帰」あるいは「再均衡」戦略を打ち出し、中国への対抗・包囲を念頭に、軍事的にはこの地域における米軍プレゼンスの増強および同盟国との軍事的連携の強化を進め、経済的には環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の締結を通して「アジア太平洋自由貿易圏」の創設に向けた主導権をとろうとしてきた。一方、自国第一主義と保護主義を掲げるトランプ政権は、自らTPPを離脱し、とりわけ中国や日本に圧力をかけつつ、自国に有利な二国間経済交渉を推進するとしている。しかし、それがどのように進展していくかはいまだ定かではない。
 米帝・トランプ政権は、その発足以降半年以上が経過しても多くの省庁で高官人事を確定できず、体系的なアジア政策を打ち出すことができていない。これに対して中国はこの間、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を設立し、東アジア包括的経済連携(RCEP)協定締結交渉の中に自らの位置を確保し、アジアからヨーロッパ・アフリカまでを結ぶシルクロード経済圏(一帯一路)構想を推進することを通して、アジア太平洋地域および世界における経済・貿易秩序を主導的に再編成していこうとする動きを強めてきた。また、そのような経済的動向に照応して、軍事的にも南中国海での軍事拠点の建設や国産空母の増産などを進めている。
 トランプ政権が保護主義に向かうなかで、中国は自らを「自由貿易の擁護者」として押し出してきた。さらに、この十月に開催された中国共産党第十九回大会において習近平は、中国が「世界の大国になった」と語り、「世界の舞台の中心に立ち、人類により大きな貢献をするときが来た」とさえ述べている。実際、米帝および米帝の同盟国でさえも経済的には中国との貿易・投資関係に大きく依存しており、それを無視することはできない。その矛盾はTHAAD(終末高高度ミサイル迎撃システム)配備をめぐる中国による韓国への苛烈な経済的報復などとしても現れており、また各国の支配階級内部での米(日)帝国主義および中国との関係をどのように構築するのかをめぐる政治的な動揺や内部論争として今後も不断に現れていかざるを得ないだろう。
 一方、米帝―トランプ政権はその軍事政策の側面においては、朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)を標的にした戦争重圧を政権発足以来一貫して強めてきた。そのことが今、朝鮮半島における戦争危機を極度に高めている。
 トランプは「あらゆる選択肢がテーブルの上にある」と述べ、九月の国連総会においては「(米国と同盟国を守る必要に迫られた場合には北朝鮮を)完全に破壊する以外に選択肢はない」とまでその発言をエスカレートさせてきた。トランプ政権は共和国による核実験や長距離弾道ミサイルの発射実験を理由にして、大規模な米韓合同軍事演習を繰り返し、原子力空母やB―1B戦略爆撃機などを朝鮮半島に向けて展開させ、日に日に戦争挑発を高めている。それに加えてトランプ政権は、中国に対しても共和国への圧力を強めることを強力に要求し、かつそれを経済・貿易交渉の取り引き材料とするというアクロバティックな政治を展開している。われわれがはっきりさせなければならないことは、このような米帝―トランプ政権の動向こそが朝鮮半島における戦争危機をつくりだし高めている最大の要因であるということだ。
 われわれはまた、このような情勢の中にあって、日米韓三国軍事同盟の形成に向けた動きが強められ、辺野古新基地建設策動、岩国基地強化、韓国でのTHAAD配備強行をはじめとして、アジア太平洋各地で米軍基地・米軍プレゼンスの増強が引き続きおし進められていることを注視しなければならない。トランプ政権はまた、オバマ前政権の下で冷え込んだフィリピン・ドゥテルテ政権との関係の修復を図り、戒厳令下のミンダナオでのフィリピン国軍によるイスラム武装勢力への争闘に対する米軍の直接的な軍事介入を進めてきた。加えて、中国を牽制するための南中国海での「航行の自由」作戦は、トランプ政権下でも引き続き継続されている。
 このような状況の中、このかん日米軍事同盟の画段階的な強化と日米軍事一体化をおし進めてきた日帝・安倍政権は、「対話ではなく圧力」として、トランプ政権と一体となって共和国に対する恫喝と戦争挑発を強め、集団的自衛権の発動による朝鮮戦争への参戦に備えた態勢づくりを急いでいる。国内においては排外主義煽動をますます強め、「国難突破」などと称して、共和国の「脅威」をことさら煽りたて、それを森友・加計学園問題での自らの疑惑を押し隠すための衆議院解散の理由にするという腐敗した姿をあらわにしてきた。十月二十二日の総選挙において改憲発議に必要な三分の二の議席を占めた安倍―自公政権は、改憲補完勢力としての希望の党や日本維新の会などの存在とあわせて、いよいよ憲法改悪に向けた動きを強めてくるだろう。
 アジア太平洋地域をめぐって激動する情勢、朝鮮半島での戦争危機の高まりのなかで、われわれは労働者・民衆の分断を狙う差別・排外主義と対決し、プロレタリア国際主義にもとづく労働者・民衆の国際連帯を築きあげ、日米帝国主義の攻撃に対して断固たるたたかいを推進していかねばならない。

 ●第二章 前進する労働者・民衆の抵抗闘争

 帝国主義諸国と多国籍企業が推進してきた新自由主義グローバリゼーションの矛盾の深まりは、英国でのEU離脱の選択に続き、帝国主義の心臓部たる米国において、自国第一主義と保守主義を掲げ、移民排斥など差別排外主義を唱道するトランプ政権を誕生させるまでに至った。同時に、新自由主義政策とそれがもたらす貧困と格差、社会の荒廃はこの間、韓国やフィリピンなどアジア太平洋地域のいくつかの国において、労働者・民衆の社会変革への希求を増大させ、新たな政治の展開をもたらし、労働者・民衆による抵抗闘争を拡大させてきた。
 韓国においては、「ロウソク革命」によって朴槿恵前大統領が打倒され、今年五月に文在寅が新たな大統領に選出された。昨年十月末に始まり、憲法裁判所が朴槿恵の罷免を決定する今年三月まで四カ月にわたって毎週土曜日に行われてきたロウソク集会には最大時で約二百三十万人、延べ千六百万人以上が参加した。集会はいわゆる平和的な形態で行われたが、労働者・民衆の街頭政治行動が腐敗した強権的大統領をついに退陣と逮捕に追い込んだ点に巨大な意義がある。
 この「ロウソク革命」は、直接には朴槿恵による国政の私物化に対する韓国労働者・民衆の怒りの爆発であったが、その背景には貧富の格差の拡大や非正規職労働者の増大など、歴代政権による新自由主義政策に対する蓄積された怒り、それに代わる社会への希求があったことは明らかだ。それはまた、日米帝国主義のアジア支配に対しても打撃を強制した。
 新たに大統領に選出された文在寅は、自らが「ロウソク革命」によって大統領に押し上げられたことを自覚するが故に、労働者・民衆のたたかいにはらまれた要求のいくつかを反映する改革的な諸政策を打ち出した。セウォル号事件に関する政府としての謝罪、国定歴史教科書の廃止、公共部門非正規職の正規職化の約束、前政権の下で拡大・導入された成果年俸制の廃止、などである。南北関係については、北の核・ミサイルには断固として対処するが、対話による関係改善を図ることで朝鮮半島の緊張を緩和するとした。また、古里原発一号機を停止し、脱原発の方向性を打ち出した。
 しかし、THAAD配備問題をめぐっては、いったん全面的な環境影響評価の終了後に追加配備の是非を判断すると表明したものの、北の大陸間弾道ミサイル発射実験を理由としてわずか一日で方針を転換し、九月七日には八千人の警察を動員してTHAADの追加配備を強行した。このことは「ロウソク革命」がはらんだ韓国労働者・民衆の要求の全面的な実現の前には、韓米軍事同盟の問題が立ちふさがっていること、それを打破しうる労働者・民衆の政治勢力化をさらに前進させねばならないことをあらためて突きつけた。文在寅政権はまた、中断させていた新古里原発五、六号機の工事再開を表明し、その脱原発政策をトーンダウンさせている。
 われわれは日米帝国主義による圧力と恫喝を許さず、未完の「ロウソク革命」を完遂しようとする韓国労働者・民衆のたたかいへの連帯をいっそう推進していかねばならない。そして、労働者・民衆の中に根を張りながら、財閥解体や非正規職撤廃、在韓米軍の撤退、南北の自主的平和統一など、韓国社会の構造的矛盾を打破し、その根本的変革をめざそうとする勢力の前進に注目していかねばならない。
 フィリピンでは、昨年五月の大統領選での勝利によってロドリゴ・ドゥテルテが新たなフィリピン大統領に就任した。自らを「左派」として押し出したドゥテルテが、前政権の後継候補らに圧倒的な大差で破ったことのなかに、フィリピン民衆の社会変革への希求の大きさを見て取ることができる。
 ドゥテルテは就任当初、農地改革の前進、契約労働(非正規職労働)の廃止、少数民族への支援など約束し、困苦にあえぐ労働者・民衆の期待を集めた。また、フィリピン民族民主戦線(NDFP)との和平交渉を再開し、政治囚の釈放を行った。加えて、ドゥテルテ政権が米国の介入を批判しつつ打ち出した「独立外交政策」は、フィリピン国内にとどまらずアジア太平洋地域をめぐる情勢を大きく変化させる可能性をもつものであった。
 こうしたなかで、フィリピンの民族民主主義運動―革命勢力は、その武装と解放区建設を堅持しつつ、支配階級内部の対立を拡大し、革命にとって有利な情勢を導くという観点から、ドゥテルテ政権との「戦術的同盟」を形成した。こうしてフィリピンの民族民主主義運動―革命勢力のたたかいはきわめて重層的な展開を伴うことになったが、しかしその革命的諸要求を後退させることはなかった。
 しかし、新政権の発足から一年以上を経ても、フィリピンの労働者・民衆が直面する状況は大きく改善されることはなく、ドゥテルテは前政権から引き継いだ新自由主義政策を温存させつつ、その強権的な姿勢をますます強めている。とりわけその麻薬戦争による死者はすでに八千人を超えた。ドゥテルテ政権はまた、自らがいったんは掲げた「独立外交政策」を堅持できず、米国との不平等軍事協定に手を付けことができないどころか、イスラム武装勢力の掃討を口実にしてミンダナオ全土に戒厳令を敷くなかで、米軍の直接軍事介入さえ認めてきた。かつて「米国との離別」を語ったドゥテルテは、今ではトランプ政権下の米国を「安全保障上の重要な同盟国」と賞賛するにいたっている。
 このような状況の下で、フィリピンの民族民主主義運動―革命勢力はドゥテルテ政権との対決に向かっており、フィリピン情勢の新たな展開のなかでわれわれはそのたたかいを注視し、連帯活動を前進させていかねばならない。
 この章の最後に、米国における労働者・民衆のたたかいについて簡単に触れておきたい。
 よく言われているように、大統領選におけるトランプの勝利は、米国の労働者・民衆の大多数がトランプの差別的で排外主義的な主張を支持しているわけではない。トランプに投票した人々は米国の有権者の四分の一にも満たないのである。それゆえに、トランプ政権の発足以降、その反動的諸政策に対するさまざまな行動が大規模に取り組まれてきた。それは今年一月の大統領就任式当日のワシントンでの直接抗議行動に始まり、その翌日に行われ全米で約二百万人が参加した「女性たちの行進」、さらに「科学のための行進」(四月)、「気候のための民衆行進」(四月)、移民の権利の防衛を高く掲げたメーデー(五月)、セクシャル・マイノリティの権利のための「平等行進」(六月)などとして連続的に取り組まれてきた。そしてまた、数十万人以上が参加したこれらの行動と比べれば決して大規模なものとは言えないものの、トランプ政権によるシリア空爆や共和国に対する戦争挑発に対して、社会主義解放党(PSL)を含む原則的な左派勢力は活発に街頭行動を組織している。
 米国の左派勢力にとっての課題は、トランプ政権の反動的な国内・対外政策に対する具体的な闘争を組織しつつ、それを民主党の後押しへと収れんさせてしまうのではなく、労働者・民衆の中にしっかりとした基盤を築きつつ、保守二大政党制の強固な構造を打ち破る独立した左派勢力の陣形をいかにして創りあげていくのかという点にある。大統領選の過程で「サンダース現象」としてあらわれた労働者・民衆の社会変革への希求を、自国帝国主義の打倒と社会主義・共産主義運動の前進へといかに結びつけていくのかということである。トランプ政権とその反動的諸政策がそれに対する米国の労働者・民衆の抵抗をさらに拡大させていくのは必至であり、われわれは、米国内の原則的な左派勢力、共産主義党がその中でいかに活動していこうとするのかを注意深く見守りつつ、その苦闘に連帯していかねばならない。

 ●第三章 反戦・反帝国主義の国際共同闘争を

 高まり続ける朝鮮半島での戦争危機、アジア太平洋地域の流動する情勢は、この地域の労働者・民衆による反帝国主義に立脚した国際共同闘争の必要性と重要性をますます増大させている。われわれは労働者・民衆の分断を狙う差別・排外主義煽動を打ち破り、アジア太平洋地域の労働者・民衆との間にプロレタリア国際主義にもとづく実践的・実際的な連帯を築きあげ、帝国主義の侵略戦争策動と軍事介入、新自由主義攻撃に対して共に断固たるたたかいを推進していかねばならない。
 それはまた、日本階級闘争の歴史的な総括をかけた実践である。すなわち、かつて日本の労働者・民衆が日帝のアジア侵略戦争・植民地支配に動員され、それに加担していったこと、かつ、戦後の階級闘争史においても日米帝国主義の支配・侵略に抗するアジア各地の労働者・民衆の苦闘に十分には結合しえてこなかったことの歴史的な突破である。いま、日帝―安倍政権が安保法制の下で朝鮮戦争への参戦を狙い、明文改憲にさえ手をつけようとしているとき、このことは極めて重要である。
 アジア太平洋地域における労働者・民衆の国際共同闘争を前進させていくという課題にとって、現在の局面の中でその喫緊の課題は、第一に、日米帝国主義による朝鮮侵略戦争策動に反対する国際反戦闘争を具体的につくりだし発展させていくことである。朝鮮半島をめぐる軍事緊張の高まり、戦争危機をもたらしている主要因が日米帝国主義の側にあることをはっきりさせ、その共和国に対する戦争策動と対決していかねばならない。そして、平和と自主的平和統一を求める朝鮮半島の労働者・民衆と固く連帯して、帝国主義の朝鮮侵略戦争策動に反対するたたかいを国際共同闘争としておし広げていかねばならない。
 そもそも朝鮮半島をめぐって絶えず軍事緊張が高まる根本的な原因は、朝鮮戦争が今なお公式に終結しておらず、朝鮮半島が南北に分断されたままだという現実にある。この現実こそが早急に転換されなくてはならない。それゆえ日米帝国主義による現在の戦争策動に反対すると同時に、朝鮮戦争の停戦協定を平和協定に転換させ、朝鮮戦争を公式に終わらせること、日米政府が朝鮮敵視政策を転換し、共和国との国交を正常化することを要求し、その実現のためにたたかっていかねばならない。それらの基盤の上にこそ、朝鮮半島の非核化と恒久的な平和体制が実現され、朝鮮半島の自主的平和統一への道筋が切り拓かれていくのである。
 第二に、この朝鮮戦争策動との対決と結びついたものとして、アジア太平洋地域における反基地・反米軍闘争とその共同闘争をさらに大きく前進させていかねばならない。このときに沖縄と日本「本土」の反基地闘争は決定的な位置を持っている。いったん軍事衝突が起これば、在沖・在日米軍基地は朝鮮戦争への最前線の出撃拠点となるからである。こうして見たときに、「岩国を朝鮮半島への出撃拠点にするな! 米軍をアジアから総撤収させよう!」をスローガンに掲げてアジア共同行動日本連絡会議と岩国・労働者反戦交流集会実行委が十一月二十五日から二十六日にかけて取り組む「岩国行動二〇一七」の持つ重要性は明らかである。
 われわれはまた、強行配備されたTHAADの撤回を求めてたたかい続ける現地・星州および韓国民衆のたたかい、米軍の軍事介入に反対し、その撤退を求めるフィリピン民衆のたたかいへの連帯をアジア太平洋地域の民衆の共通のたたかいへと押し上げていかねばならない。
 第三に、新自由主義政策とたたかう各国・地域の労働者・民衆の連帯と相互支援を発展させていくことである。
 トランプ政権による離脱を受けてTPPの先行きは不透明なものになったが、RCEP交渉をはじめとして新自由主義を基調とする地域規模の自由貿易圏の形成に向けた動きは進んでおり、また、多国籍企業による現地の労働者に対する搾取と抑圧は何も変わっていない。貧困と格差の拡大、労働者の権利はく奪に抗する各国・地域の労働者・民衆のたたかいの連帯と相互支援をさらに発展させていかねばならない。われわれにとっては、とりわけ日系多国籍企業による搾取と抑圧に対する現地労働者のたたかいへの具体的な支援と連帯に取り組んでいくことが重要である。
 帝国主義・資本主義の危機の深まりのなかで、それを根底から打倒し、プロレタリア社会主義革命の前進へと転化していくために、各国・地域の階級闘争を結合し、帝国主義・資本主義とたたかう国際的な共同闘争をさらに前進させていかねばならない。日米帝国主義による朝鮮侵略戦争策動と対決する国際反戦闘争をおし広げ、米軍のアジアからの総撤収の実現に向けたたたかいを前進させよう。今秋、トランプ来日―日米首脳会談粉砕闘争をたたかい抜き、岩国行動二〇一七の成功をかちとろう。また、トランプのアジア歴訪に対するたたかいの一環としてフィリピンでの東アジア首脳会議対抗行動を反帝国際共同闘争として成功させよう。日米のアジア支配・侵略に反対するアジア・キャンペーン(AWC)の運動への支持・支援をいっそう強め、帝国主義の侵略戦争と軍事介入、新自由主義攻撃と対決するアジア太平洋地域の労働者・民衆の共同闘争の発展をかちとろう。


 

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