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   安倍右翼反動政権と総対決する

    沖縄反基地闘争を断固闘いぬこう

         



 高江、辺野古での新基地建設阻止闘争は、まさしく安倍右翼反動政権と総対決し、弾圧と分断を跳ね返しながら、激烈にたたかい続けられている。決定的な決戦を迎えている沖縄解放闘争は、沖縄人民の団結と「本土」、世界各国からの結合がますます求められているのだ。
 現地闘争を断固たたかいぬき、この現地闘争に結合して沖縄―「本土」つらぬく、あらゆるたたかいを展開して高江・辺野古新基地建設を粉砕していこう。
 沖縄人民のみなさん!「本土」、全世界のたたかう労働者階級・人民のみなさん、高江・辺野古の新基地建設阻止闘争の地平をガッチリ確認し、年末以降のたたかいの勝利へと邁進しよう。

 ●1章 非妥協で闘いぬく高江

    オスプレイ・パッド建設阻止

 ▼1章―1節 国家権力総動員し反対運動に襲いかかる


 米軍北部訓練場の過半を日本に返還することで合意する式典を十二月二十日首相官邸、同二十二日に沖縄(那覇)で強行しようとしている。そもそも「返還合意」ということではすでに日米合意によってSACO最終報告に明記されている。「返還」の式典であれば、広い面積(いらない部分)を返還したことと同時に、オスプレイ・パッド(ヘリ着陸帯であるが、オスプレイ訓練場として造られることを明確にさせるため、オスプレイ・パッドとする)が完成したということを知らしめることになるだろう。「返還合意」の式典を強行することで、オスプレイ・パッド工事が完了していなくても完了することを喧伝して沖縄内外に日帝国家権力の実行力を知らしめて、阻止闘争をあきらめさせる意図を持たせているのだ。さらに翁長知事を招聘しており、出席させることでオール沖縄の屈服・分断を図っている。
 安倍政権はこの間、どんなやり方をしてでも高江オスプレイ・パッド建設を決着させることに終始してきた。オスプレイ・パッド予定地N1からというわけではなくG、Hすべての予定地での工事を一挙に進め、米兵の「歩行訓練ルート」造りまでもおこなっているのだ。
 安倍政権は七月十日の参院選投開票翌日未明に工事を再開させ、全国派遣の機動隊導入による「県」道封鎖―座り込み排除が始まった。座り込みを力ずくで排除したり、「交通規制」という権力乱用による座り込み参加妨害をして業者の搬入に手を貸してきた。さらに座り込み参加者をトイレすら行かせず身動きできないように拘束したり、多くの人々が怪我を負わされ、救急車に運び込まれたりした。
 動員したのは機動隊だけではなかった。米兵による女性殺害事件による沖縄人民の不安と怒りを回避するために米軍犯罪の再発防止策として創設された「沖縄・地域安全パトロール隊」に所属する、全国の地方防衛局から沖縄に派遣された職員が防犯パトロールに参加せずに、高江周辺でオスプレイ・パッド建設に反対する住民の行動を監視し、警戒する業務にあたっていたのだ。沖縄・地域安全パトロール隊には、米兵の犯罪を防止しようという意識がさらさらないことが証明された。さらに沖縄内のあらゆる業務の国家公務員へも応援要請がされている。国家権力による総動員態勢だ。
 この戒厳令ともいうべき状態を続けていることで、通学や仕事で「県」道を生活に利用している周辺住民も同じく「交通規制」され生活への影響を受けた。警察はこの事実を隠し、座り込みが原因と喧伝することで苦情の矛先を座り込みへ向けさせてきた。
 また、性急な工事は大々的な環境破壊を引き起こしている。二万四千本にも及ぶ大量伐採、赤土の流出、そしてまたもや「県」外産の張芝を使用しようとしていることだ(すでにこれを使用しているN4周辺では外来種の植物が確認されている。沖縄「県」は「県」内産の使用を指示している!)。この大規模な工事による環境破壊は生態系そのものを崩し、希少生物への影響もはかりしれない。そもそも環境影響評価ですら沖縄防衛局が独自でおこなっただけであり、しかもそのときにはオスプレイを想定していない。沖縄「県」や環境団体は環境アセスの再実施を要求している。
 工事そのものも違法で不当なやり方で終始している。そもそも工事業者が「県」道の使用許可をとっていないこと、積載オーバー、排気管の開口方向が違う、ミラーがない等のダンプ規制法、道路運送車両法に違反した大型ダンプを使用していること、そして工事労働者の安全対策を施さず危険な状況で夜間も作業を続けていること等、枚挙に暇がない。
 いかに国家権力が総動員しようとも、住民を始め沖縄内外からかけつけ果敢に続けている座り込みこそが、工事を思うようには進められない状況に追い込んでいるのだ。

 ▼1章―2節 自衛隊投入、差別暴言、弾圧のエスカレート

 この状況に対して、政府は九月十三日、自衛隊が投入された。沖縄の近海に寄港させた海上自衛隊・掃海母艦「おおすみ」から飛び立ったCH47輸送ヘリは、北部訓練場内の作業場から「県」道を横断してN1へ重機など作業機材を空輸したのだ。所属部隊は陸上自衛隊木更津基地に配備されている中央即応集団・第一ヘリコプター団。中央即応集団は、まさしく対「テロ・ゲリラ」戦闘などを担う部隊だ。昨年八月に沖縄の近海に墜落した米軍ヘリに同じ中央即応集団・特殊作戦群所属の自衛隊員が同乗していたことから、米軍との共同での対「テロ・ゲリラ」の特殊作戦訓練がおこなわれていることが露呈していた。
 防衛大臣稲田が下したこの命令は、自衛隊法に基づいていない。違法である。会見では稲田自ら法的根拠を答えられない醜態をさらしている。それでも安倍政権が強行したのは、重機のような落下する危険な輸送に民間ヘリでは対応しきれなかったという言い訳ではすまされない。米軍再編と自衛隊の一体化による共同使用のためのデモンストレーションである。実際、自衛隊の対ゲリラ戦訓練場として北部訓練場を共同使用する計画が最近になって暴露されている。
 許しがたいことは、機動隊の差別暴言である。大阪から派遣された複数の機動隊員が座り込み抗議する沖縄人に対して「土人」「シナ人」などと言い放ったのだ。沖縄差別そのものだ。侵略思想から吐露されたものでる。徹底して追及し断罪しなければならない。
 「県」議会では「県外機動隊員による沖縄県民侮辱発言に関する抗議決議」を賛成多数(自民党は反対!)で採択し、その中で、差別発言を次のように追及している。
 「『土人』という言葉は、『未開・非文明』といった意味の侮蔑的な差別用語であり、『シナ』とは戦前の中国に対する侵略に結びついて使われてきた蔑称である。この発言は、沖縄県民の誇りと尊厳を踏みにじり、県民の心に癒しがたい深い傷を与えた。沖縄戦では本土防衛の捨て石にされ、戦後二十七年間は本土から切り離され米軍占領下に置かれ、そして今なお全国の米軍専用施設面積の約74%が集中しているもとで沖縄県民は基地あるがゆえの事件事故に苦しめられ続けてきた。今回の発言は、沖縄県民の苦難の歴史を否定し、平和な沖縄を願って歩んできた県民の思いを一瞬のうちに打ち砕いたものと言わざるを得ない」。
 差別発言をした機動隊員それぞれは翌日に帰され、戒告という最も軽い処分が下されている。大阪府知事の松井は「反対運動が過激だ」「出張ご苦労様」とこの機動隊員たちを擁護したのだ。これまで何度も沖縄で犯罪を犯した米兵が処分され米国に帰国したら自由放免にされていると同じようにだ。松井が代表である大阪維新の会の本性を示すことになったが、住民を守るべき自治体の首長の態度ではない。松井は辞任しろ。
 安倍政権そのものも沖縄担当相の鶴保が(『土人』発言を)「差別だと断じることは到底できない」として機動隊の言動を容認している。さらにこの鶴保発言の「訂正や謝罪は不要とする」答弁書を十一月十八日に閣議決定し、政府として追認したのだ。断じて許さない。徹底糾弾するのみだ。
 さらに沖縄防衛局は、反対する個人を特定して「悪質で違法」「貴重な植物を伐採したり、踏み荒らしたりして環境に悪影響を与えている」とした資料を作成し、広く提供して偏見を助長している。
 まさしく差別発言の元凶は安倍右翼反動政権なのだ。沖縄県議会の決議にあるように、沖縄の歴史を否定し沖縄人民の人権を踏みにじったということは、「本土」における沖縄連帯運動の歴史も否定され沖縄差別を再生産することになるということである。沖縄差別を許さない「本土」のたたかいが今こそ問われている。
 日帝国家権力は、とうとう反対運動のリーダーの一人をはじめ、六名逮捕し、三名を起訴してきてた(十一月二十日現在)。とくに反対運動のリーダーの一人には微罪である器物破損容疑で不当勾留し続け、勾留の維持が困難となるや公務執行妨害と傷害容疑で再逮捕し起訴して、接見や保釈を認めず不当拘束し続けているのだ。これまでの現場での不当拘束・逮捕は繰り返してはいたが、令状による事後逮捕は初めてである。安倍政権は反対運動のリーダーの一人を弾圧することで、阻止行動を鎮静化させようとしている。
 また、一人は刑特法で起訴している。刑特法は、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法」で、すなわち日米地位協定に基づく条約国内法であり米軍に関する刑事手続きについて定めた日本の法律である。一般に進入禁止場所への無断の侵入は軽犯罪法で拘留または科料の罰となることに比べ、米軍基地だと刑特法で一年以下の懲役又は二千円以下の罰金もしくは科料と重罰になっており、そもそも違憲だと問題にされてきた法律である。その刑特法の適用に踏み込むことで、高江に対してはもちろん、辺野古新基地建設阻止闘争をはじめとした反基地闘争を委縮させ、米軍基地の存続防衛を狙う予防反革命だ。
 高江オスプレイ・パッド建設をなりふり構わずおこなっているのは、オール沖縄のたたかいと、これを支持する全国と世界の支援によって辺野古新基地建設が遅々として進まない状況ゆえに、進展していない米軍基地の機能強化=SACO最終報告を何としても完遂させようという攻撃なのだ。
 太平洋地域の基地運用計画についてまとめた米海兵隊の「戦略展望2025」には、北部訓練場について、戦略展望では「最大で約51%の使用不可能な北部演習場を日本政府に返還する間に、限られた土地を最大限に活用する訓練場が新たに開発される」と明記している。また「陸海空の一体化訓練のため新に宇嘉川河口への訓練道を増設する」としているのだ。高江オスプレイ・パッド建設を断固阻止しよう!

 ●2章 高裁反革命判決許さず辺野古新基地建設阻止

 安倍政権はこの高江オスプレイ・パッド建設を今年中(来年二月まで)には終わらせ、それに乗じて辺野古新基地建設へと突き進もうとしている。
 その根拠に利用しようとしているのが、辺野古埋立承認取り消しの違法確認訴訟(以下、辺野古訴訟)だ。政府の目論見で福岡高裁那覇支部に異動してきた多見谷が裁判長として訴訟指揮した裁判で、ものの見事に政府の意向そのものの反革命判決が下されたのだ。
 まずもって、争点について沖縄「県」によって申請された証人をすべて却下したにもかかわらず、争点を独断で断定していることだ。それも「辺野古が唯一の解決策」「沖縄の地理的優位性」「海兵隊は県外移駐できない」等々、政府見解でしかない政治的論理をあたかも既定のものとして判決の理由づけにしたのである。それもあまりにも稚拙で立証されていない根拠でである。
 例えば「辺野古唯一」には「本件新施設等の建設をやめるには普天間飛行場による被害を継続するしかない」として、普天間基地の無条件撤去や「県」外移設ではなく辺野古新基地建設だとすることに何の説明もなく、辺野古につくらなければ普天間基地は固定化されると二者選択で脅しをかける、安倍政権の政策そのものだ。また「沖縄の地理的優位性」には「ノドンの射程外」だという理由を持ち出した。テポドンだと射程内になることはすぐにわかるようなことを理由づけにするのは結論ありきだったからだ。沖縄人民を侮辱した内容だ。
 多見谷判決は、翁長知事の埋立承認取り消しそのものの違法確認をしていない。前知事仲井眞の埋立承認を沖縄防衛局の回答で「理解が得られたからこそ承認されたと推測される」と根拠なく問題ないと判断することで、翁長知事が問題のない承認の取り消しを取り消さなかったことを違法とした。翁長知事が埋め立て承認を取り消した根拠を判断すること自体、回避したのである。そもそもこの裁判は前知事仲井眞の辺野古埋立承認が公有水面埋立法第四条に違反するとして取り消した処分を国が出した、その取り消しの是正命令に従わない沖縄「県」・翁長知事を違法だとして訴えたものだ。つまり、少なくとも公有水面埋立承認取り消しをめぐる裁判であれば、それが軍事目的であろうと影響を受ける地元の自治体に承認権限(または取消権限)があることから、その是非の根拠をめぐって争うべきところが、政治的な判断をあげつらうのみで判決を下したのだ。公有水面埋立法自体がないがしろにされた。
 この反革命判決時も公判中にも多見谷は「判決に従うか」を繰り返し、翁長知事―沖縄「県」に判決に従うことを執拗に促した。
 これは三月の和解条項の第九項「原告および利害関係人と被告は、是正の指示の取消訴訟判決確定後は、直ちに、同判決に従い、同主文およびそれを導く理由の趣旨に沿った手続きを実施するとともに、その後もどう趣旨に従って互いに協力して誠実に対応することを相互に確約する」を根拠にして政府の術中にはまらせようとするものだ。つまり、目論見はこの違法確認訴訟のみならず、今後も知事権限で工事の手続きを拒み訴訟に持ち込んでも、この判決と同じだとして、今後、辺野古新基地建設に抵抗せず容認しろと司法自ら強制しているのだ。辺野古新基地建設をこれ以上遅らせないため、安倍政権の尖兵として司法の独立性をかなぐり捨てて行政訴訟を起こさせないように前のめりにやったのである。ただただ、デタラメな脅しだ。行政訴訟ができない法的根拠はない。
 また、係争処理委員会の判断を裁判所自らないがしろにしたことである。係争処理委員会の協議をすべきとした判断に応じて提訴しなかった沖縄県を違法としたのだ。むしろ、協議を無視してすぐに提訴した国と同じ態度ではないか。
 こんな手法がまかりとおるならば、国策には従うしか手段がなくなる。本来、こんなやり方は今のブルジョア法でも成立しない。一九九九年の地方自治法改正では、「国と地方は対等・協力関係」の促進がうたわれている。しかし、日帝国家権力が安保体制の重要な位置にある沖縄にだけ、不当・違憲を押し通しているということだ。つまり、いくら沖縄だけの問題ではない全国の問題だと言っても、沖縄への差別政策として強行していることから、沖縄の基地建設・強化を阻止しなければ、問題にはならないのである。このようなことがまかり通った結果が、昔で言えば沖縄の「県」道一〇四号線越え実弾射撃訓練の全国での分散実施、今で言えばオスプレイ配備と訓練の全国化である。すべて「沖縄の負担軽減」の名のもとに強行されたことだ。
 辺野古訴訟の高裁判決は、ブルジョア民主主義の限界と本質を露呈させた。国家権力はすべてブルジョアジーのためにあり、その支配下での制度がブルジョア民主主義だということだ。いったんブルジョアジーの利益が揺るがされれば、ブルジョア民主主義もかなぐり捨てて延命のために国家権力を総動員させて襲いかかってくる。安倍政権は行政権力だけでなく司法権力も動員して、沖縄に対してきたのだ。
 辺野古訴訟の高裁判決の棄却を求め沖縄「県」が上告している最高裁で、早ければ今年中にも判決が下されるかもしれないと報道されている。安倍政権は最高裁判決をもって辺野古新基地建設の埋め立てへ踏み込もうしており、高江オスプレイ・パッドに目途をつけてキャンプ・シュワブ陸上部分の工事再開に突入しようとしているのだ。
 最高裁へ高裁判決の破棄を求める署名を呼びかけている「『止めよう!辺野古埋立て』国会包囲実行委員会」は、十一月二十日に最高裁前でキャンドル集会を三百五十名の結集で、二十一日には署名提出行動と最高裁前集会を二百名近い参加でおこなった。この行動に「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」は代表参加し、同二十一日には福岡高裁那覇支部前での「最高裁に中立・公正な審理を求める集会」を九百名の結集で同時行動としてかちとっている。
 辺野古訴訟高裁判決を徹底糾弾し、最高裁へのぼりつめていくことで、辺野古新基地建設を阻止するたたかいを沖縄―「本土」、世界へと拡大・強化していこう。高江オスプレイ・パッド建設阻止と辺野古新基地建設阻止を一体に断固たたかいぬこう。

 ●3章 住民の決起と団結で自衛隊配備阻止

 石垣島・宮古島、そして奄美への自衛隊強化は、住民を分断しながら自衛隊を配備する手続きの既成事実を積み重ねて進められてきた。しかし、その強引さが住民の反発をまねいている。
 宮古島では防衛省が十月十八日に開いた住民説明会に配備に賛成する意見はほとんどなく、防衛省が「抑止力」を繰り返すだけで住民の安全について明らかにしなかったことから住民は、「配備計画白紙撤回」の横断幕や「撤回」のプラカードを掲げ、抗議した。そして十一月二十日にも、新たな自衛隊基地建設に反対!「11・20宮古島平和集会」を雨降る中、三百名の結集で開催し、市内をデモ行進してアピールしている。
 石垣島では十一月十八日に石垣市が「自衛隊配備にかかわる公開討論会」を開いた。市長の中山の思惑を突破して賛成意見をするどく追及する反対意見が相次いだ。賛成意見では抑止力から国土防衛を繰り返し、住民の安全への説明がないことが明らかになっている。反対意見に対して「無責任」だと強弁し、住民も負担しなければならないことを強要しようとしている。中山は住民の意見を参考にすると言うが、既成事実の積み重ねをもって自衛隊配備を容認する可能性がある。
 奄美でも関連した新たな訓練がおこなわれている。十一月十一日、武器を持った漁民が離島に不法上陸したという想定で警察と海上保安庁、自衛隊の三機関が初めて共同で対処訓練を奄美群島の江仁屋離島(えにやはなれじま)で非公開でおこなった。武装漁民が船で押し寄せるとの想定で、まず海保が海上で漁船を規制し、その後、離島に上陸した漁民に警察が対処。最後に「治安出動」の発令を受けた自衛隊の部隊が島に上陸するといった流れである。他国と戦争状態とまでは言えないが、警察や海保だけでは対応できない「グレーゾーン事態」への連携として警察を加えた訓練をおこなった。ますます、軍事展開の一体化を進めている。
 そして、無人島の馬毛島(鹿児島県西之表市)を買収して米軍空母艦載機による陸上空母離着陸訓練(FCLP)地にする動きがある。オスプレイの訓練移転先としての活用も検討されるという。新たな基地建設であると同時に、翁長知事をはじめとした沖縄「負担軽減」アピールである。

 ●4章 現地闘争を軸に闘い、基地撤去―安保粉砕へ

 粘り強い大衆的実力闘争によって高江、辺野古新基地建設が阻まれている事態に対して、安倍政権は警察権力の反革命暴力や差別暴言の問題さえ、闘争破壊に利用している。機動隊員の差別発言を「沖縄県民に向けられたものではない」と否定すると同時に「『本土』からの活動家」に向けたものにねじ曲げたり(十一月二十四日、石垣市議会「高江現場における不穏当発言に抗議し警備体制の改善を求める意見書」)、「過激派といわれる極左暴力集団の参加も確認している」(九月二十九日、警察の過剰警備を追及した「県」議会での「県」警本部長答弁)と喧伝したりしているのだ。沖縄差別と過激派キャンペーンを利用して分断し、現地闘争への支持・参加を減らし孤立させることで、高江、辺野古新基地闘争を瓦解させようとしている。
 われわれは、辺野古・高江の新基地建設阻止闘争をたたかう沖縄人民と結合して断固たたかいぬく。
 第一には、現地闘争に決起し、沖縄人民とともにたたかいぬくことである。今こそ、まずもって言葉より、現地で体を張って一日でも基地建設を進ませないことが決定的だ。
 第二には、現地闘争に結合して対政府闘争、宣伝・扇動を展開し組織化することである。沖縄と地域を結び、現地闘争の質と同じくしてたたかいぬくことだ。
 第三には、「本土」における反基地闘争を推進し、沖縄と結合していくことである。沖縄の基地強化と同時に、米軍再編・自衛隊の一体化の中で沖縄「負担軽減」の名のもとに全国展開で基地機能強化が進められている。来年にも新たな滑走路と米軍住宅を完成させようとしている米軍・岩国基地、Xバンドレーダーの配備のために新設した米軍・経ヶ岬通信基地、CVオスプレイを来年にも配備しようとしている米軍・横田基地、そしてオスプレイの整備拠点にしようとしている自衛隊・木更津基地という形で進む畦政権の攻撃を全国で粉砕しよう。
 そして第四には反帝国際主義をAWCはじめとした実践的な国際連帯行動をもって推進し、沖縄基地撤去―安保粉砕へと突き進むことである。
 それらのたたかいを一体的に推進し、自衛隊出兵と改憲で戦争国家化へ突き進む安倍政権打倒をかちとろう。



 

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