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■3月2日 千葉 市東さん請求異議裁判 違法な農地強奪攻撃を弾劾 三月二日、反対同盟・市東孝雄さんの農地をめぐる「請求異議裁判」の弁論が、千葉地裁民事第五部(高瀬順久裁判長)で開催された。この裁判は市東さんの農地の成田空港会社(NAA)への明け渡しを認めた昨年十月二十五日の不当な最高裁判決を受け、強制執行を行わないことを求めて市東さんと三里塚芝山連合空港反対同盟がNAAを相手に新たに開始した裁判である。すでに二月十四日には「請求異議裁判の第一審判決が出されるまでは強制執行を停止する」という千葉地裁の決定がなされており、この請求異議裁判は市東さんの農地の強奪を阻止するたたかいのなかで極めて重要な意義をもっている。 反対同盟はこの日、裁判に先立って午前九時から千葉市中央公園で決起集会を開催した。 司会を担った反対同盟事務局の太郎良陽一さんが、強制執行阻止のたたかいの中でのこの裁判の重要性を指摘し、この日のたたかいの位置づけを端的に明らかにした。続いて、反対同盟事務局を代表して萩原富雄さんが発言した。萩原さんは「この裁判闘争に何としても勝利して、市東さんの農地を守る。いま第三滑走路建設というとんでもない計画が出てきているが、しかし周辺住民の決起が始まっている。三里塚闘争を新たに発展させる時だ。そのような住民の決起と結合して市東さんの農地を守る陣形を広げていく」とその決意を明らかにし、現地への結集、そして3・26全国集会への結集を呼びかけた。支援団体の発言の中で、二期阻止全国共闘の仲間はいったんの強制執行停止を勝ち取っていることの大きな意義を指摘し、勝ち取った時間の中で強制執行攻撃を押し返していく運動を創り出し拡大していく、とその決意を表明した。集会に結集した百十人の仲間はその後、千葉地裁に向けたデモンストレーションに打って出た。 午前十時半から始まった裁判では、訴状を陳述した反対同盟顧問弁護団がその発言の冒頭、「成田空港会社、あなた方は嘘つきだ!」とNAA側を鋭く一喝した。顧問弁護団は続いて三点にわたって強制執行が許されない理由を展開した。 すなわち第一に、かつて「あらゆる意味での強制的手段を取らない」と社会的に宣言して公約したにもかかわらず、NAAが強制執行の請求を行うのは違法であること。第二に、東京高裁は弁護団から申し立てられた裁判官忌避について、その判断が確定していないにもかかわらず控訴審判決を言い渡しており、そのような判決は無効であること。第三に、NAAは農地の賃貸借解約の条件である離作補償料の支払い・供託をしておらず、そのため千葉県知事の許可は効力を失っており、この点からも強制執行は認められるべきではないこと、である。 続いて市東孝雄さんが陳述書を読み上げた。市東さんは冒頭、「空港会社が取り上げようとしている農地は私の農地の約半分になります」、「NAAの前身である空港公団は父に知らせず小作地を買収し、その後十五年間も地代をだましとってきました。そんな違法な手段を使ってきた空港会社が私から小作地を取り上げることは許されません」と述べた。その後、実際に耕され作物が収穫されている最近の畑の様子を具体的に紹介した。さらに、強制執行は自分から生きる糧を奪うものであると同時に、産直運動をつぶし、長い間かけて積み上げてきた消費者の信頼を失わせ、消費者からも大事な野菜を奪う暴挙であることを指摘した。そして最後に、「私の願いは、これからも天神峰で農地を守り、地道に働き続けることです。空港会社の不当な強制執行に対しては、あくまでたたかう覚悟です」という決意を明らかにして陳述を締めくくった。 NAAの側は「強制的手段を絶対に使わないとまでは約束していない」、「(市東さんが)金を受け取らないのは明らかなので離作補償料の未払いは当然」という趣旨の開き直りの答弁書を提出している。このようなNAAのでたらめな主張は徹底的に粉砕されなくてはならない。 裁判後の報告集会では、弁護団各人の発言を通して請求異議裁判が行われていることの意義、そして反対同盟・決戦本部会議の下に強制執行阻止に向けたたたかいを拡大していく決意を確認した。市東さんの農地強奪を許さないたたかいの陣形をさらに大きく広げよう。3・26三里塚全国集会の成功を勝ち取ろう。 |
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