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     12月22日 沖縄

   オスプレイ墜落に怒り拡大!

    
名護市での抗議集会に四千二百名が結集
     

  
 やはり、ついに……! 危惧されていた米海兵隊普天間基地所属のMV22オスプレイが、十二月十三日夜、夜間空中給油訓練中のプロペラ破損により名護市安部集落近くの海岸に墜落した。また同日、墜落したオスプレイの空中監視を終えて普天間基地に帰還した別のオスプレイが胴体着陸する事故も発生した。
 オスプレイは、昨年五月米ハワイでの墜落事故で乗員一人が死亡、二十一人が負傷した重大事故をはじめ、開発段階から多くの事故を起こしてきた欠陥機として指弾されてきた。沖縄ではオスプレイ配備阻止の「県民大会」をはじめ全四十七自治体・議会の決議を受けた「建白書」東京行動等を展開してきた。その中で、日米両政府は、二〇一二年十月と翌年九月の二度にわたり普天間基地への計二十四機の配備を強行し、二〇一七年以降米空軍横田基地に空軍仕様のCV22オスプレイ十機の配備計画、また二〇一九年度以降、佐賀空港に陸上自衛隊オスプレイ十七機の配備計画を明らかにしている。
 オスプレイ訓練で、普天間基地のある宜野湾市域では住宅密集地や学校・病院上空などを低空飛行し、高江や伊江島、宜野座や金武ではコンクリートブロック吊り下げ訓練などが激化しており、協定違反の夜十時すぎの夜間飛行訓練も恒常化していた。まさに恐れていたことが現実となったのだ。
 しかし、米軍は今回の墜落事故を「不時着水」と強弁、胴体着陸も含めてオスプレイの機体構造・システムには何ら問題はない、として六日後には訓練再開を強行した。日本政府も追認するばかりである。在沖米四軍調整官のニコルソンに至っては、抗議に来た安慶田副知事に対して机を叩いて怒り、「集落を避けコントロールして着水したパイロットに感謝状を与えよ」と恫喝する有様だ。断じて許せぬ。「県議会抗議決議」ではニコルソンの更迭も記されたのも当然だ。
 このような中、十二月二十二日、辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議の主催で、「欠陥機オスプレイ撤去を求める緊急抗議集会」が、名護市21世紀の森屋内運動場で開催された。年末の平日で小雨降る天候にもかかわらず、会場は開始時間前には参加者で埋め尽くされ、発表で四千二百名が結集した。そして、この日の日米両政府による「北部訓練場返還式典」をボイコットし、この抗議集会に参加した翁長雄志知事が入場するや万雷の拍手が鳴り止まない中で、集会は開始された。
 集会では、オール沖縄派の照屋寛徳、玉城デニー、赤嶺政賢、仲里利信衆議院議員、糸数慶子、伊波洋一参議院議員、さらには地元名護市区の親川敬県議、そして宜野湾市、沖縄市、名護市、東村の各島ぐるみ会議の代表が次々と決意をのべた。中でも「北部訓練場の土地は元々われわれウチナンチュのものだ。自然を破壊してできたオスプレイパッドで世界自然遺産の価値はなくなった。全面返還まで闘い続ける」(東村)、「墜落現場は戦場を彷彿させる状況だが、私たちの土地にも関わらず米軍の好き勝手にさせられている。総ぐるみで日米両政府と対峙しよう」(名護市)と現場からの怒りと不動の決意が示された。
 オール沖縄会議の共同代表でもある稲嶺進名護市長は、「墜落現場は私が小学校のころ遠足で潮干狩りに行った場所で、安部区民や地域住民の大事な宝の海だ。日本政府・沖縄防衛局は当事者能力ゼロだ。米軍にしか顔を向けていない」と厳しく弾劾し、欺瞞的な北部訓練場返還式典に抗議するとともに、辺野古最高裁不当判決にもふれ、「負けない方法はあきらめないことだ」と檄をとばした。
 発言の締めくくりに登壇した翁長知事は、開口一番「墜落事故で大きな衝撃を受けた。米軍を良き隣人というわけにはいかない。日米地位協定の下で法治国家とは言えず、日本の独立は神話だ」と日米両政府の対応を厳しく弾劾した。そして、「オスプレイが飛び交う高江は問題であり、北部訓練場返還式典強行は県民に寄り添う姿勢が全く見えない。最高裁判決では逆に今後の知事権限の裁量権を幅広く認めたこともあり、辺野古新基地は造らせないという公約の実現に不退転の決意で臨む」と訴え、「心をひとつにして、子や孫のために負けてはいけない」、マケテーナイビランド! と沖縄語で締めくくり、満場からの長い拍手が鳴り響いた。
 集会は最後に「島ぐるみ、県民総ぐるみでオスプレイの撤去、普天間基地の閉鎖・撤去、辺野古新基地建設断念を成し遂げるまで奮闘し闘い抜く」としたアピールを採択し、連帯の手をつないでガンバロー三唱で閉じた。
 オスプレイ墜落事故への怒りは止まらない。墜落現場の安部区や辺野古区を含む名護市東海岸地域の久志十三区長会は、オスプレイ配備撤回要求決議を採択、宜野座村区長会、名護市区長会でも決議がなされるなど怒りの抗議は広がる一方だ。残骸回収や放射性物質有無など墜落現場海域の自然破壊に対する懸念、怒りも拡大している。オスプレイ撤去への闘いはつづく。
 またこの日の午後、名護市の万国津梁館では、官房長官・菅、防衛大臣・稲田、駐日米大使ケネディらが参加しての「北部訓練場返還式典」が強行された。会場入り口では、基地の県内移設に反対する県民会議の呼びかけで抗議行動が雨の中展開され、まやかしの「返還」を弾劾した。


 

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