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     8月6日 広島

   被爆71年

   
青空式典と「戦争と被ばくを許さない写真展」開かれる
     

 

 被爆七十一年目の八月六日、広島の平和公園には全世界からたくさんの人々が集まっている。晴天の中、朝八時に私たちは原爆ドームの側で待機した。多くの民衆が原爆死没者に思いを馳せ、集会を行ったり、ダイインの準備をしている。中には、戦争反対の取り組みを妨害する「日の丸」を掲げた右翼の一団もいる。八時十五分、それまでの喧騒がまるで無かったかのように、静まり返り、蝉の声だけが辺りに響き渡った。
 私たちは、改めて原爆死没者に、侵略戦争も核の被害も二度と繰り返さないことを誓った。
 八時三十分、「戦争と被ばくを許さない写真展~命を脅かすもの~」と青空式典の準備を開始した。写真パネルを並べて英語、韓国語の訳もつけた。そして、冷茶の用意と核兵器廃絶国際署名も準備した。さらに、日本や韓国の被爆者・被爆二世、式典を支えてきた同志の遺影も飾った。
 青空式典が始まる前に、韓国の被爆者が連帯の気持ちを伝えに来られた。また、韓国の被爆二世と日本の被爆二世の方が核兵器廃絶の署名運動をしている日本・韓国・フィリピンの高校生たちと一緒に連帯の挨拶に来られた。高校生の国際連帯と核兵器廃絶の熱い気持ちに感謝し、連帯してたたかうことを確認した。
 十時三十分、青空式典の開催だ。被爆三世の司会により、まず開会の挨拶がなされた。続いて、一分間の黙祷をした。次に、被爆二世の会からの基調提起だ。まず、五月二十七日広島にやってきた米国大統領オバマを批判した。それは、オバマが広島に来る前に米軍岩国基地に立ち寄り、日米軍事同盟の強化を強く訴えていること、その上で広島の平和公園に核のボタンを持って来ており新たな侵略戦争の準備や核抑止力に強く依存していることを批判した。その上で、原爆は天から降ってきたものでは無いこと、原爆は当時の米国大統領トルーマンの命令で米兵の手によって投下された無差別大量虐殺であること、その事実と正面から向き合わず、被爆者への謝罪もなかったことを断罪した。また、核兵器の被害を七十一年前の時点にのみ言及し、今も続く原爆症や被爆二世・三世への遺伝的影響の可能性の問題などを無視した事を糾弾した。
 なぜなら核兵器の被害を過小評価するこの姿勢が、核兵器が二度と使ってはならない非人道的な悪魔の兵器である本質を覆い隠すからだ。絶対に許してはならない。
 また、フクシマの原発事故は今も収束していないこと、原発では事故が無くても定期検査工事などで多くの労働者が被曝していること、原発も核兵器と同様に世界中から廃絶していかなければならないことを訴えた。特に、伊方原発の再稼動を許さず、上関原発建設計画を白紙撤回させようと提起した。
 最後に、この地面の下で眠っている多くの被爆者に思いを馳せ、戦争も核兵器も原発も被ばくもない世界を作っていきましょうと締めくくった。
 次は、あじあんさんの歌だ。リオオリンピックの会場で八月六日に黙祷をしようとしたが、政治的行為だということで、IOCから止められたこと、裏を返せば一番お金を出しているアメリカ政府に配慮したのだろうが、私たちはこの事実をしっかりと覚えておこうと訴えられた。その上で、原爆投下から二日後にあった福山大空襲で三百五十四名もの人々が亡くなったことに思いを馳せて今年もピースコンサートを開催することを報告され、三曲の歌を心を込めて歌われた。
 連帯メッセージではAWC韓国委員会からの「人類の災禍、原子爆弾の投下から七十一年を追悼する」が紹介された。
 その後、各団体個人の発言に移った。
 AWC日本連絡会議はアジア人民、沖縄人民と連帯して、侵略戦争の絶対阻止の為にたたかってきたことと、今後の方針について述べた。そしてアジアから米軍基地を撤去させるたたかい、反原発・核武装阻止のたたかい、アジア人民と連帯し、新自由主義や貧困化、基地と戦争に反対し、そうした国際行動を進めると宣言した。
 韓国の青年緑ネットワーク、青少年緑の党、労働党から八名が参加し、それぞれの代表が発言した。青年緑ネットワークはフクシマの事故後にできた団体で、事故後原発の問題を自分達の問題として考えるようになり、韓国の被爆者問題にも取り組んできたこと、二〇一三年から青空共同行動としてソウルで集会を開いていることを話された。また韓国の被爆者や原発の被害者と一緒に折った折り鶴を手渡してくれた。
 青年緑の党は「広島の問題は今苦しんでいる被爆二世の問題にとどまるものではない。フクシマの原発事故の問題は日本だけの問題ではない。愛宕山に建設されようとしている米軍基地はその地域や日本の皆さんだけの問題ではない。この青空を守っていくことは全世界の人々の仕事だと思う。これまでの残酷な歴史を終わらせて行くには私たちの連帯が必要だ」と発言された。
 労働党は韓国には今原発は二十五基あるが韓国政府は将来五十基にしようとしていること、米韓両政府は韓国の星州(ソンジュ)にサードミサイルを配備しようとしていることを明らかにし、「戦争と核、戦争と原発は同じ火の中から生まれた二つの悪魔だと思う。世界のどこにも戦争も核の被害もない世界を作っていきたい」と宣言し、最後に日本語で「ノーモアヒロシマ! ノーモアナガサキ! 原発再稼働反対!」と声をあげた。
 飛び入りで発言した大阪の被爆二世は、大学生の頃に反核運動に携わり、韓国の被爆者・被爆二世と交流してきたことや教師になってから障害者の就学援助などをやってきたことなどを話し、今は原点である被爆二世の活動もしっかりやっていきたいと宣言した。
 他にもAWC福岡、総がかり行動やまぐち、連帯労組・やまぐち、やまぐち障害者解放センター、憲法を活かす市民の会・やまぐちの発言があった。
 閉会のあいさつはやまぐち障害者解放センターが行い、最後にシュプレヒコールを上げた。
 今年も、私たちは被爆二世の会の旗を掲げた。青空式典には多くの被爆者や被爆二世が立ち寄り、被爆二世運動の拠り所にもなっている。日米両帝国主義の侵略戦争を二度と繰り返させないためにアジア民衆とりわけ韓国のたたかう民衆との共同行動をさらに強化する。米国大統領オバマが核先制不使用宣言を出そうとしているが、こうした動きさえも日帝安倍は核抑止力の低下につながると異議を唱えている。核廃絶に敵対する日帝安倍を絶対に許してはならない。今後も、反戦・反核・反原発・被爆者解放運動を断固たたかう。共にたたかおう!

         (被爆二世の会 会員より)



 

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