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     6月19日 沖縄

   元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾!
     
      県民大会に6万5千人が結集


 

 深い悲しみと煮えたぎる怒りの中で、「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾!被害者を追悼し海兵隊の撤退を求める県民大会」が六月十九日開かれた。被害者女性の四十九忌法要の日であった。会場の那覇市奥武山陸上競技場、サブグランドには、炎天下にもかかわらず全島からチャーターバスなどを仕立てて人々が続々と結集し、参加者は六万五千名にものぼった。
 大会は、沖縄民謡歌手の古謝美佐子さんの健やかな成長を願う親の心を歌った「童神(わらびがみ)―天の子守歌」で始まった。そして黙とう……。二十歳の名護市出身女性の無念さを思うと悲痛な思いが会場いっぱいに漂う。そんな中、プログラムには伏せられていた被害者女性の父親からのメッセージが読み上げられた。「なぜ娘なのか、なぜ殺されなければならなかったのか」と自問自答し苦悩し、「次の被害者を出さないためにも、『全基地撤去』、『辺野古新基地建設に反対』。県民が一つになれば可能だと思っています。県民、名護市民として強く願っています」と悲痛な叫びの中にも心の底からの真の訴えがなされた。この日は「父の日」でもあった。悲しみがさらに重なる。基地があるが故に相次ぐ残虐な米軍犯罪、遺族の深い悲しみが何度も何度も「全基地撤去」「辺野古新基地阻止」の固い決意として会場全体を包み込んだ。
 大会では、主催の「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」の共同代表が登壇した。稲嶺進名護市長は、「もうすぐ『慰霊の日』を迎えるが、戦後七十一年もたったにもかかわらず何ら現状は変わらず、人権は無視され続けている。しかしわれわれは心を一つにして行動を起こさなければならない」と訴えた。「県民大会」前の十七日夕方、名護市では稲嶺進市長を実行委員長とする「追悼名護市民集会」も開催され一千名余が追悼と抗議に立ち上がった。名護市民はそこで配られた被害女性が好きだったというピンク色のリボンと黒の喪章リボンをつけて大会に参加したのだ。
 経済界の共同代表・呉屋守将金秀グループ会長は、国民の命を預かる最高責任者としての安倍の責務を糾弾した。基地・軍隊を許さない行動する女たちの会共同代表でもある高里鈴代さんは、米軍による女性への性暴力の実例をあげながら、新基地や海兵隊駐留をこれ以上認めない行動を訴えた。またシールズ琉球の玉城愛さんは、「再発防止」や「綱紀粛正」は軍隊の本質をそらすものだとし、「本土」を含む安倍、オバマへの怒りの声をあげた。
 若者たちのリレーメッセージの後、注目の翁長雄志「県」知事が万雷の拍手と指笛の中、登壇した。自民党や公明党、おおさか維新どもは、今回の「県民大会」がオール沖縄会議の主催で「超党派ではない」と難癖をつけ、沖縄人民の「海兵隊撤退」「全基地撤去」への高まりに階級的本能で敵対してきた。そのような中、翁長知事は「二十一年前の県民大会で二度と繰り返させないことを誓ったが、政治の仕組みを変えることができなかった。知事として痛恨の極みである」と哀悼と自責の気持ちを表明した。そして、G7伊勢志摩サミットでの日米首脳会談においては、事件への抗議と日米地位協定改定、オバマへの面会要求は無視され、「辺野古移設が唯一の解決策」を再確認したことにふれ、安倍のいう「日本を取り戻す」という中に沖縄は入っているのか、と徹底的に安倍を糾弾した。そして、日米地位協定の見直し、海兵隊の撤退・削減を含む基地の整理・縮小、辺野古新基地建設阻止の決意を示し、また普天間基地の五年以内の運用停止を強く求めた。最後にウチナーグチ(沖縄島の言葉)で、「グスーヨー、マケテェーナイビランドー(みなさん、負けてはいけませんよ)。ワッターウチナーンチュヌ、クヮンマガ、マムティイチャビラ(私たち県民の子や孫たちを守っていきましょう)。チバラナヤーサイ(頑張っていきましょう)!」と締めくくり、不退転の決意を明らかにした。
 大会では「日米両政府は、遺族及び県民に対して改めて謝罪し完全な補償を行うこと」「在沖米海兵隊の撤退及び米軍基地の大幅な整理・縮小、県内移設によらない普天間飛行場の閉鎖・撤去をおこなうこと」「日米地位協定の抜本的改正をおこなうこと」を要求した大会決議が採択された。そして参加者全員で「怒りは限界を超えた」「海兵隊は撤退を」のメッセージボードを交互に掲げ、海勢頭豊氏の歌う「月桃」を全員で合唱した。沖縄人民の追悼と鎮魂、怒りと決意は新たな「海兵隊撤退」の要求として全世界に発信されたのだ。
 なおこの日は、宮古島大会を含め、四十一都道府県六十九ヵ所(大会事務局)で連帯と共同の集会が開かれた。


 

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