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     5月25日 沖縄

  女性遺棄事件緊急抗議集会に四千名で怒りの拳
     

 

 元米海兵隊員の米軍属による女性遺体遺棄事件(注・現時点での逮捕容疑、実際は殺人暴行遺体遺棄である)の発生を受け、五月二十五日「元米兵による残虐な蛮行糾弾! 犠牲者を追悼し米軍の撤退を求める緊急県民集会」が、北谷町・嘉手納基地第一ゲート前で開催された。呼びかけたのは、辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議で、日中の時間帯にもかかわらず、約四千人が結集し、怒りの声をあげた。
 うるま市在住で名護市出身の会社員の被害者女性(二十歳)は、四月二十八日ジョギング中に行方不明となり公開捜査がなされていたが、「県」警は元海兵隊員で米軍属の男(嘉手納基地勤務)を割り出し、本人の供述通り、五月十九日恩納村の雑木林から遺体を発見し、男を遺体遺棄容疑で緊急逮捕した。容疑者の加害者は、女性を乱暴し刃物で刺した、後ろから棒で殴った、乱暴する相手を二~三時間探した、遺体はスーツケースに入れて運んだ……と残忍な手口を供述したとされているが、その後は黙秘を行っていて、全容解明は未だなされていない。許しがたい蛮行、全身からこみ上げる怒り、言い表せない悲しみ、断じて許さない。
 事件発覚後、怒りの抗議行動が全島で燃え上がっている。嘉手納基地前で、普天間基地前で、辺野古ゲート前で、在沖縄米軍司令部前で緊急抗議集会が相次いで開催された。辺野古ゲート前では、米軍車両の基地出入りを阻止するため米軍警・「県」警機動隊との実力攻防戦も展開された。さらには、うるま市議会や名護市議会など各市町村議会が相次いで臨時議会を開催し、抗議決議を採択し抗議行動を展開した。二十六日の「県」議会臨時会では、自民党が退場する中、辺野古新基地断念に加え、初となる在沖海兵隊の撤退を要求する意見書・決議が全会一致で採択された。翁長知事は二十三日、安倍首相へ抗議の直談判を行い、日米地位協定改定と伊勢志摩サミットで来日する米大統領・オバマへの面談を要求した。
 沖縄では、三月十三日にも那覇市内ビジネスホテルにおいて名護市にあるキャンプ・シュワブ所属の海軍水兵による女性への性的暴行事件が発生したばかりだ。米軍の自主規制だと持ち上げていた「リバティ制度」(在沖米軍・軍属の夜間外出と基地外飲酒の制限等)がまったく空手形で、形式的だったことを暴露・糾弾し、日米両政府がオウム返しに言う「再発防止」「綱紀粛正」「教育の徹底」が何ら実効性のないものであることを糾弾し、「運用改善」ではない日米地位協定の抜本的改定を強く要求していた矢先の重大な凶悪事件の発生であった。
 日米両帝国主義者は、一九九五年の米兵による少女への性的暴行事件発生を受けた沖縄の島ぐるみの反基地闘争の大爆発の再燃を恐れ、今回の事件発覚後「軍属というよりも民間契約業者だ」「容疑者は日本の司法下にあり地位協定は関係ない」と事件の本質を歪小化する発言を繰り返したばかりか、また六月「県」議会選、七月参院選への政治的影響を優先的に考えて、被害者の告別式に防衛相・中谷を出席させるなど「沈静」化に躍起となった。二十五日、伊勢志摩サミットを前にした日米首脳会談で、安倍は「断固抗議」を演出するも、翁長知事の面談要求は無視、日米地位協定改定も求めなかった。またオバマも、事件への「遺憾の意」だけで謝罪もなく、地位協定改定を否定。そればかりか両者は、「日米同盟・米軍再編」強化、「辺野古が唯一」を確認し合ったのであり、日米首脳会談は極めて反革命的な沖縄敵視の会談となった。
 こうした状況の中、嘉手納基地第一ゲート前で怒りの「緊急抗議県民集会」が開催された。嘉手納基地第一ゲート前の沿道や、国道五十八号線の両側は怒りの沖縄人民で埋め尽くされた。集会では冒頭、犠牲者への黙とうがなされ、被害者の怒り、苦しみ、悲しみ、悔しさを改めて全員で共有した。
 冒頭主催者あいさつに立ったオール沖縄会議共同代表の稲嶺進名護市長は、「希望に満ちた人生が彼女を待っていたはずだ。戦後七十一年間沖縄は米軍基地に苦しめられ、事件事故が起こるたび抗議行動を展開してきたが、日米両政府は『綱紀粛正』『再発防止』のオウム返しばかりだ。ガッティンナラン! 今まで以上に力を結集し、沖縄の現状を変えていこう」と訴えた。また、シールズ琉球の玉城愛さんも「基地のある沖縄で生きていたくない。基地はいらない。この声を世界中に訴えよう」と呼びかけた。
 集会ではさらにオール沖縄国会議員団、照屋寛徳(社民)・玉城デニー(国民)・赤嶺政賢(共産)・仲里利信(無所属)の四衆院議員、大城一馬(社大)、山内末子(県民ネット)、知念博(那覇市議会新風会)、新川秀清嘉手納爆音訴訟団長が次々と怒りと弾劾の発言に立った。「米軍基地の撤退を強く求める」集会抗議決議を採択し、嘉手納基地に向かいシュプレヒコールをたたきつけ、高里鈴代基地・軍隊を許さない行動する女たちの会共同代表の「今日の抗議集会は終わるが、新たな決意をもって二度とこのような事件をおこさないためにも、ここから歩み始めよう」の訴えで集会を閉じた。
 たたかいの方針は鮮明だ。もはや軍事基地との共存など決してありえない。日米地位協定改定、辺野古新基地建設阻止、在沖米海兵隊の即時撤退、そして全ての在沖米軍基地の撤去! 沖縄人民の声とたたかいは大きなうねりをもって前進している。居直る日帝・安倍と米帝・オバマを打倒せよ! 日米安保粉砕・米軍再編粉砕へ突き進もう!
 今後誰一人の犠牲も出させないという気持ちを胸に、集会参加者は散会した。


 

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