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     3月21日 沖縄

   米兵による性暴力を許さない

    名護市での緊急抗議集会に2500名


 

 三月十五日那覇署は、観光客への強姦事件でキャンプ・シュワブ所属の米海軍一等水兵を逮捕した。断じて許しがたい女性差別事件だ。満腔の怒りをもって徹底糾弾する。
 この事件を受け、三月二十一日、加害米兵の所属する名護市のキャンプ・シュワブ基地前で、「米海軍兵による性暴力を許さない緊急県民集会」が開かれた。呼びかけは、オール沖縄会議現地闘争部を構成するヘリ基地反対協や沖縄平和運動センターなどの「基地の県内移設に反対する県民会議」と島ぐるみ会議各地域ブロック協議会である。
 開会の午後二時前には、各市町村島ぐるみ会議のバスが続々と結集し、見るみる間にゲート前は埋め尽くされ、基地沿いの国道両側には長蛇の列をなす人々が座り込んだ。主催者最終報告では、二千五百名余が結集した。
 山城博治沖縄平和運動センター議長の進行で集会は開始された。各代表が次々に怒りを表明する。「命と人権は宝だ。沖縄の人権にとって最大の脅威は米軍基地であり、日本政府だ」(中村司「県民会議」共同代表)、「繰り返される事件の度の『遺憾』は口先だけだ。基地ゲートの封鎖・外出禁止に加え全基地撤去へ突き進もう」(安次富浩ヘリ基地反対協共同代表)、「準強姦罪は未遂とは違う。被害者も悪いなどとした悪らつな主張に断固抗議する。米軍を保護している日米地位協定の見直し・撤廃、泣き寝入りさせないたたかいをつくろう」(女性代表・高里鈴代「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表)と訴えがなされた。
 さらに、怒りを表すため赤いTシャツで一時間三十分をかけてシュワブ基地まで走ってきたという稲嶺進名護市長は、「これまでもシュワブ所属米兵の事件事故は数多く発生しているが、いつも女性、子どもたちなどが標的にされている。これが『良き隣人』の姿か。基地があるゆえの事件、事故は今後もありえるから、基地を閉鎖せよ、新基地を造るなと要求している。これ以上沖縄人の人権を踏みにじることは許さない」と怒りを爆発させた。
 また集会では、照屋寛徳(社民)・赤嶺政賢(共産)・玉城デニー(生活)の各衆院議員ならびに糸数慶子(社大)参院議員、奥平一夫「県」議(県民ネット代表)がそれぞれ抗議の発言をおこなった。
 集会決議では、「これまでも何度も繰り返される米兵による凶悪事件に県民の怒りは頂点に達している」「抜本的対策は米兵の沖縄からの撤退と基地の撤去以外にない」「在沖米軍による女性に対する暴行事件の摘発件数は復帰後、昨年までに百二十九件、百四十七人と後を絶たない。事件・事故の再発防止策として米軍が実施している飲酒規制『リバティー制度』も形骸化し、逆にそれを逃れるために那覇市内などで宿泊する現実は看過できるものではない」として、一、被害女性に対する人権保護と謝罪、二、徹底した再発防止、リバティー制度の強化、沖縄全域での宿泊禁止、三、日米地位協定の改定、四、米軍の沖縄からの撤退、の要求を採択した。
 集会は最後に、怒りの表明とたたかいへの決意をガンバロー三唱で示し、スクラムを組んでの「沖縄を返せ」の大合唱で閉じた。



 

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