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     3月12日 福島

  原発社会に終止符を!県民大集会に六千

          

 

 三月十二日、郡山市開成山陸上競技場で開催された「2016原発のない福島を! 県民大集会」に参加してきた。二〇一二年三月以来の県民大集会参加であった。その時に聞いた避難生活の苦悩、生活を奪われ家族がばらばらにされた怒りの言葉は、今も記憶に残っている。反原発運動が、福島と結びつき震災と原発事故被害からの復興と一体に進められなければならないと感じた集会であった。
 しかし本集会で訴えられた福島県民の訴えは、大震災と福島第一原発事故発生から五年を迎える今も、放射能汚染に苦しむ姿であり、ふるさとの生活と文化を奪った政府や東電に対する弾劾の声であった。
 県民大集会は、十三時十分から始まった。冒頭、犠牲者に黙祷がささげられた。
実行委員長のあいさつでは、福島全体の問題点が指摘された。依然十万人を超える人々が避難生活を送っている現状、いくら除染しても取り除くことが出来ない放射能汚染、県民の半分が健康不安を訴える状況、放射性廃棄物の中間貯蔵施設・最終処分場を巡る苦悩、今も続く風評被害、などが指摘された。また福島第一原発では、汚染水の処理に苦しみ廃炉の展望が見えないのに、川内原発・高浜原発の再稼動を強行していると政府を強く批判した。具体的な運動として、原発のない福島を目指し、福島第二原発の廃炉を政府と東電に要求する署名運動を提起された。
 県民・県外からの訴えでは、ハイロアクションの武藤類子さん、浪江町津島地区の被害者原告団、大熊町住民、高校生平和大使、「ストップ川内原発! 鹿児島県実行委員会」が発言に立った。
 武藤さんは、事故当時の東電首脳三名の責任と真実を追及する裁判闘争で、三名の起訴を勝ち取ったことを報告した。「取り返しのつかない被害を与えた原発事故は犯罪だ」「あやまれ、つぐなえ、補償しろの原則でたたかっていく」「被害者の切り捨てを許さない」「原発社会に終止符を打たなくてはならない」など訴えた。
 津島被害者原告団からは、津島地区全体が原発事故によって避難を余儀なくされ、地域の絆、分かち合ってきた平穏な生活を突然奪われ、「その苦しみは言葉に言いつくせない」と語った。生活だけではなく、先人から受け継いだ農業や文化も失い、多くの住民が生きがいを失った。そしてこのような「ありえない光景を生み出した東電の責任を追及していく」と訴えた。そして「人間は放射能を制御できない、技術を持たない」「原発は電気を作る一つの方法に過ぎない」と原発を進める政府・東電を批判した。
 大熊町の住民は、連れ合いさんと子供が避難し自身は大熊町で生活している方であった。家族がばらばらにされ、当たり前の生活を失った避難生活の現状や大熊町の状況を訴えた。
 高校生平和大使は、国連軍縮会議に参加し、そこで経験し学んだことについて語った。
 「ストップ川内原発! 鹿児島県実行委員会」からは、「鹿児島で川内原発の再稼動を阻止するためにたたかってきた」「二〇一五年八月、九電は再稼動を強行したが、私たちはがっかりしてはいない、絶対に認めない」「川内原発の周りには火山がたくさんある。活断層も評価が甘すぎる」「避難計画も形ばかり」と九電・政府を批判し、川内原発を廃炉にするまでたたかうことを訴えた。
 これらの発言を受けて、参加者全員で原発NOのプラカードを掲げてシュプレヒコールをあげた。集会の最後に「集会宣言」を全体で採択して集会は終了した。
 集会には、県内外から六千名の参加者があった。



 

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