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■10・29 日比谷野音 狭山事件の再審を求める市民集会 東京高裁は鑑定人尋問を行え 一〇月二九日、二年ぶりに「狭山事件の再審を求める市民集会」が、日比谷野外音楽堂で開催された。会場には、好天の下、全国から狭山差別裁判と闘う部落解放同盟、労働組合、宗教団体、市民団体が結集した。 集会では、組坂委員長の開会あいさつに続いて、石川一雄さん・早智子のアピールがあった。石川一雄さんは、コロナ禍にあって糖尿病という持病を抱えているため「もし万が一、コロナに感染し、死んでしまったら、まさに犬死であります。だから、私は何としても生きて、この三次で無罪を勝ち取らなくっちゃならない。自分自身は一年一〇か月間、家に閉じこもっておりました」と、コロナ感染から身を守り、無罪を勝ち取るまで絶対に死なないという強い決意でコロナ禍を過ごしてきたことを明らかにした。 石川さんは、自宅でただ閉じこもっていたわけではなく、健康を維持するために体を鍛え、運動を続けていることで、本当に元気でいることを力強く語った。 東京高裁の裁判官に対しては、鑑定人尋問、証人尋問を要求するとともに、コロナが収束すれば、再び全国を歩いて元気な姿を見ていただくとともに、無罪を勝ち取るために訴えたい、と決意を語った。 早智子さんは、コロナ禍での石川さんの姿を「石川は、生きる、何としても生きる、そういう思いで家の中で、涙ぐましい努力をしていました」と明らかにした。そして「弁護団は、来年には裁判所に鑑定人尋問を請求すると言っています。何としても裁判所に鑑定人尋問、証人尋問を行わせること、これが今最大の重要な闘いです」と、正念場を迎える再審闘争への決意を熱く語った。 石川さん夫妻のアピールに続いて、弁護団からの報告があった。中山弁護士、中北弁護士から、これまでの三者協議に提出してきた新鑑定・新証拠について説明があり、これを武器に裁判所に再審開始を迫っていく方針を明らかにした。 弁護団報告の後は、基調の提案が行われた。その中では、脅迫状についての福江鑑定、被害者のものとされる万年筆のインクを鑑定した下山鑑定を取り上げ、石川さんの無実は明らかで、裁判所は再審を開始し、鑑定人尋問を行うよう迫っていくことを確認した。 また、弁護団の証拠開示請求には応じない一方、弁護団が提出した新鑑定・新証拠に対して、次々と反論・反証を提出する検察官を強く批判した。検察官の対応は、その場しのぎの時間稼ぎの手法である。再審開始妨害を弾劾しなければならない。 集会の後、狭山差別裁判糾弾、再審開始を東京高裁に迫るデモ行進を行った。 |
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