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     9・24 東京

   第一回請求異議裁判控訴審

    農地強奪阻止の決意固く


 
 九月二四日、三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんの農地の強制執行阻止に向けた請求異議裁判控訴審の第一回弁論が、東京高裁民事第四部(菅野雅之裁判長)で開かれた。
 成田空港会社への農地の明け渡しを命じた二〇一六年一〇月二五日の最高裁不当決定にもかかわらず、市東さんと反対同盟は、それから現在まで三年近くにわたって農地を守り抜いてきた。そこに端的に示される三里塚闘争の不屈性は、昨年一二月二〇年の千葉地裁・高瀬裁判長による反動判決によっても微動だにすることなく、いま控訴審段階へと突入するなかで、その闘いの地平を日々発展させている。

 ●東京高裁に向けてデモ行進

 裁判の開始に先立つ午前一一時半、反対同盟とその呼びかけに応えた支援勢力は、日比谷公園霞門に集合し、意思統一を行い東京高裁に向けたデモ行進を行った。
 この日の闘いは、反対同盟と現地支援勢力にとっては、とりわけ千葉県各地域を直撃した台風一五号による農地や家屋への大きな被害、そして多くの場合一週間またはそれ以上続いた停電被害の中からの決起であった。
 集会のなかで、主催者を代表して発言した反対同盟事務局の伊藤信晴さんは、台風被害に対する全国からの支援に謝辞を述べつつ、この災害のなかで示された住民の共助の精神に比して、行政は被災の現状をきちんと把握できない、あるいは、しようとしない在り様であったことを批判した。そうした住民無視の姿は空港問題においても通底し、安倍の政治そのものであるとして弾劾した。そのうえで、昨年一二月の一審不当判決を弾劾し、高裁も予断を許さないが、市東さんの闘いを徹底して守り抜こうと訴えた。
 それを受けた支援・共闘団体からの発言の後、反対同盟事務局の太郎良陽一さんが、再び「霞ヶ関に攻め上る」ことになった闘いを何としても勝利させようと訴えて集会をまとめた。その後、「農地の強奪を阻止するぞ!」、「東京高裁は強制執行を阻止するな!」とシュプレヒコールを響かせながら、東京高裁に向けたデモンストレーションを行った。
 デモ終了後には、午前の産直野菜出荷作業を終えて駆け付けた市東孝雄さんと萩原富夫さんも合流し、裁判所に対して農地の強制執行を許可しないことを求める全国から集まった一三三六筆の要望書の提出行動が取り組まれた。

 ●一審高瀬判決の誤りを全面批判

 午後二時半、いよいよ東京高裁での控訴審が始まった。
 冒頭、市東さん本人が意見陳述を行った。市東さんは、自分は誇りをもって農業を続けていく決意であり、農地の強制執行は農民に対する死刑判決に等しいものであって、法律上も憲法上も許されるべきものではない、と力強く訴えた。
 さらに、反対同盟弁護団が千葉地裁(高瀬順久裁判長)による一審不当判決と空港会社の主張にもならない主張を全面的に批判した。
 そもそも成田空港会社の前身である空港公団は、一九九四年の隅谷調査団の最終所見にある「あらゆる意味において強制的手段を用いない」を受け入れ、それを社会的に公約した。しかし一審高瀬判決は、それは「明渡請求権の放棄を約したものではない」などと言い放ち、農地の強制執行へと道を開こうとした。だが、社会通念上もそんなでたらめな解釈が通用するわけがない。
 農地の強制執行は、憲法に保障された市東さんの営農権、生存権的財産権を侵害するものであり、農民にとって命に等しい農地を奪う苛酷執行である。空港に反対する住民に対する見せしめともいうべき権利の濫用に他ならない。さらに、それは空港周辺住民の命と生活を破壊する今日の空港機能強化策と一体の、公共性なき空港建設の一環でもある。
 反対同盟弁護団は一審不当判決を完膚なきまで批判しつくした。弁護団が作成した控訴理由書は実に二二三ページにも及ぶ重厚なものである。
 裁判は次回期日を一月一六日と決めて終了した。裁判後には報告集会が持たれ、弁護団からはこの日の裁判の意義が提起され、反対同盟からは一〇月一三日の全国集会への結集が呼びかけられた。
 裁判闘争と現地における闘いを一体のものとして展開し、農地を守り抜く闘いの陣形をさらにいっそう強化していこう。



 

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