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     11月24-25日 山口

    2018岩国行動が成功
    


       
 
■11・24

 米軍機の爆音被害をなくす署名情宣

 駅前商店街と基地周辺で実施



 岩国行動に全国から集まった人々は二四日の各集会前に、岩国駅前商店街と岩国基地正門付近の住宅地で、「米軍機による爆音被害をなくすことを求める署名」活動とピースパレードの呼びかけを行った。
 基地周辺の住宅地では、アパートや戸建て住宅の駐車場にあるYナンバーやAナンバーが目立ち、米軍基地の外あるいは愛宕山跡地にある米軍住宅地の外に多くの米軍基地関係者が居住している様子がうかがわれた。
 署名活動を通して聞かれた地元住民の声から、空母艦載機移駐後の岩国基地周辺の複雑な状況が浮き彫りになった。
 建設関係者は「仕事をもらう立場なので(署名に)協力できない」としながらも、呼びかけの話は聞いてくれて強く拒絶する風ではなかった。
 「市の関係者であるものの」と言いながら、「この辺の人はみんな嫌だと思います」と署名する人もいた。
 基地周辺住民からは「できたものは仕方ない、もうどうしようもない、上の方で勝手に決めている」といった諦めの声もあった。「家族が基地で働いており、近所の米軍の家族とは仲良くしているけれど、署名くらいなら書きますよ」と協力してくれる人もいた。


 ■11・24

 住民の案内で岩国基地見学に取り組む


 一一月二四日、『2018年岩国行動』の全日程に先立って岩国基地の現地見学が行われ、全国から四〇人が参加した。現地案内は、岩国基地の監視行動を毎日続けられている戸村良人さんがAWCに協力して下さった。
 この日は、土曜日ということもあって見学中の戦闘機の離発着はなかったが、好天に恵まれて基地内に駐機する戦闘機の多くを確認することができた。
 見学では、基地内の各施設の案内、肉眼で確認できる戦闘機の紹介、さらには氏が毎日飛来するすべての戦闘機を撮った写真のバネルを使って詳しく説明いただいた。また、全国の監視仲間とも情報を共有しながら、岩国基地所属の戦闘機がどこに飛び、また、他の基地所属の戦闘機が何の目的で来ているのか、あるいは戦闘機が少ない時は、どこで訓練を行っているかなど、最近の例なども出しながらわかりやすく報告していただいた。
 空母艦載機の移駐完了後、この一年騒音被害が岩国市内はもちろんのこと広島市西部から広島県の広範囲にもわたるようになってきているとのこと。さらに、戦闘機の墜落事故、落下物事故なども増えてきており、もし民間の航空会社が一件でもそのような事故を起こせば大問題となるが、米軍のそうした事故は報道すら少ないことが怒りを持って報告された。
 参加者からは、共存する自衛隊機の種類や民間機(全日空)の離発着よりも優先する岩国基地の実態に対する質問なども出され、全国的にはほとんど報道されることのない岩国米軍基地の現実について現地見学を通してしっかりと確認することができた。


 ■11・24

 反戦運動と労働運動の結合を

 労働者反戦交流集会



 一一月二四日夕方から、岩国福祉会館で一二回目となる「2018岩国・労働者反戦交流集会」が開催されました。
 おおさかユニオンネットの垣沼陽輔さんの開会あいさつと大阪全労協の但馬けい子さんの基調報告の後、四本の報告が行われました。
 岩国行動に初参加だという全港湾特別執行委員の松本耕三さんは全港湾の運動の歴史を紹介し、辺野古埋立てのための土砂搬出を港から止めるための取り組みと沖縄平和行進やフクシマ連帯キャラバンを通じた若手への政治課題の継承について話しました。
 大弾圧とたたかう全日建関西生コン支部の仲間は関生弾圧についてまとめられた映像を流しながら、権力弾圧の実情とそれを跳ね返すたたかいについて訴えました。
 南部全労協の藤村妙子さんは横田基地に向けて東京の労働組合が定期的に行なっているデモなどの取り組みを紹介し、「憲法と自治体労働者」というテーマでビラをつくり庁舎前で配布をしている活動や二三区人事委員会による月平均一万円の賃下げ攻撃を跳ね返した成果を報告しました。
 ユニオン北九州の本村真さんは全国一般の中小民間労働運動が大切にするべきこととして、上から網をかけるやり方ではなく、労働相談を基礎に職場に労働相談センターをつくっていくことで組織化していくことの大切さを話しました。入管法改定と技能実習生のたたかい、岩国や築城での取り組みにもふれ「反戦闘争は賃金闘争だ。戦争になれば労働三権も奪われる」としめくくりました。
 四名の報告の後、福祉・介護・医療労働者組合の南守さんの司会で質疑応答とフロア発言が行なわれました。反戦運動と労働運動を結び付けるための工夫、若手組合の学習活動、組合つぶしの刑事弾圧への構えなど、韓国からの参加者もふくめて議論が交わされました。
 最後にフィリピンのスミフル争議連帯行動の要請がなされ、閉会しました。閉会後、場所を移して交流会が開催されました。



 ■11・24 

 全国反基地交流会

 岩国・沖縄・京丹後・横田から報告と問題提起



 二四日午後四時三〇分より、岩国福祉会館において全国反基地交流会が開かれた。
 司会者からのあいさつの後、「愛宕山を守る会」の岡村寛さんが報告を行った。岡村さんは、「今年三月に米軍厚木基地所属の空母艦載機六一機が岩国基地への移駐を完了した。四月末には移駐後初のFCLP(注)が行われ、住民はすさまじい騒音にさらされた。現在、岩国基地は米軍のハブ空港と化している状況だ。そのような中で、空母艦載機の事故がたてつづけに起こっている。市に抗議申し入れを行ったが、その対応は事なかれ主義で、自ら問題を解決しようという姿勢はまったくない。全国から岩国に駆けつけてくれる皆さんたちと手を携え、これからも運動を進めていきたい」と語った。
 また、住民投票の成果を活かす岩国市民の会の大川清さんは、「岩国市民は、一二年前の住民投票において、九割近い人が反対票を投じ米軍移駐反対の民意を示した。だが、その後、政府の凄まじい金と圧力によって民意はねじ曲げられてしまった。基地と安心・安全な市民生活とは決して相容れない。これからも全国の反基地運動と手を取り合っていきたい」と語った。
 次に、米軍Xバンドレーダー基地反対・京都連絡会事務局長の山本純さんが、拡張・強化される米軍経ケ岬通信所の現状報告と、基地撤去に向けた取り組みを紹介した。五月一五日に発生した、ドクターヘリ運行の際のレーダー停波の合意が米軍によって破られた事態を重視し、政府―防衛省を追及する取り組みが報告された。
 東京からは、立川自衛隊監視テント村の大洞俊之さんが、自衛隊立川基地反対運動をはじめとしたテント村の活動内容の紹介や、横田基地へのCV―22オスプレイ配備反対の取り組みなどについて報告した。
 沖縄からは、一五年にわたりカヌー隊として辺野古新基地建設阻止のたたかいに身体を張って取り組んでいる仲間が、これまでの闘いの経過や現状を中心に報告した。
 韓国ゲストからは、星州(ソンジュ)でのTHAAD撤去闘争の取り組みが報告された。
 また、山口県萩市むつみ地区・阿武町にある陸上自衛隊むつみ演習場に配備されようとしているイージス・アショアに反対する住民や、横田基地へのオスプレイ配備反対運動に取り組む「米軍基地に反対する実行委員会」の代表、広島県廿日市市で岩国基地所属米軍機による演習や爆音問題に取り組む住民からの報告も行われた。
 その後自由討論に移り、米軍の東アジア戦略の変化や、それと一体に進む自衛隊再編などについて、来年二月の沖縄県民投票について、基地引き取り運動の評価、日米地位協定の壁をいかに突き破るかなどについて活発な意見の交換や質疑が行われた。
 最後に愛宕山を守る会の岡村さんが、「今日の深い論議を私たちの今後の運動に活かしていきたい」と締めくくりの発言を行い、約三時間にわたる交流会は終了した。

(注)FCLP=陸上空母離着陸訓練。陸上の滑走路を空母の甲板に見立てて行う離着陸訓練。短い間隔で繰り返し艦載機が飛行するため、すさまじい騒音被害が発生する。



 
■11・25
 
 一三〇名の結集で岩国国際連帯集会


 一一月二五日、岩国行動二日目は朝九時から岩国国際連帯集会が開催され、約一三〇人が参加した。アジア共同行動日本連共同代表の鴨居守さんの開会あいさつに続いて基調報告が行われた。
 続く各地報告は、まず岩国からだ。市議二三年の活動を終えた田村順玄さんは、「七三歳から新しい闘いを始める!」と述べ、〝岩国の今〟を報告した。今年もPAC3が配備されたが全く公表されず。六月グアムでクラスAの事故を起こした岩国のスーパーホーネットが横浜に野積みされている写真を紹介し、一一月沖縄沖合でのスーパーホーネットの墜落事故は配備後二度目の事故になると報告された(岩国行動から一〇日後の一二月六日には、スーパーホーネットが空中給油機と衝突墜落する三度目の事故が高知沖で起こった)。岩国市民は一貫して飛行停止を要求している。一〇二〇〇人に上る米兵・家族も問題だ。アタゴヒルズは四〇戸の入居であり、一方では基地外に米軍向けの新築家屋が建てられている。岩国市の予算は九〇〇億円で、基地との共存をうたう福田岩国市長は沖縄知事選での佐喜真陣営への応援に公費出張で駆け付けたことを暴露した。玉城陣営が圧勝、一〇月には岩国でも姫野あつこ市議がトップ当選を果たした。愛宕山平和研究所の開設も報告され、新しい〝岩国の今〟を熱い拍手で確認した。
 続いて岩国基地の戦闘機騒音が拡大している広島からの報告だ。岩国基地から飛び立った戦闘機は世界遺産の宮島上空を通って広島に至る。山口県庁では戦闘機騒音は聞こえないが、広島平和記念公園や宮島、自宅の上空にはオスプレイが飛び爆音を巻き散らす。米軍は地位協定により好き勝手に行動する。一緒に基地を監視してほしいと強く訴えられた。
 自衛隊演習場へのイージス・アショア配備に反対する山口県萩・阿武からは、映像を使って配備の問題点や、むつみ演習場の歴史、湧き水により農林漁業、畜産業が盛んな地域の紹介や、台風の中開かれた九月三〇日の県民大集会、一一月二三日の萩市内での平和パレードなどが報告された。
 前半の最後に韓国ソソン里からの報告が行われた。ソソン里総合状況室の活動家は、THAADはもっぱら米国の国益のために配備運用される兵器体系で、朝鮮半島に平和の風が吹いている時にも米国の覇権を維持し戦争の恐怖を呼び起こす。厳しい闘いだが必ずTHAADを追い出す。ソソン里で叫ぶ平和と日本で叫ぶ平和は同じもの、連帯して共に闘おうと熱く訴えた。
 集会後半では、沖縄・辺野古、京都・京丹後、東京・横田で米軍基地と闘う仲間から現状と課題が提起され、また労働組合の立場から岩国・労働者反戦集会を開催した同実行委の報告、連帯労組関西生コン支部からの力強い反弾圧アピール、そして戦争と原発の根は一つとして原発全廃を闘う「若狭の原発を考える会」からの連帯発言を受け、共に闘う意志を一層固めた。
 まとめ発言に立った共同代表の瀧川順朗さんは、①天皇代替わり、G20、大阪万博に向け、予想される安倍政権下での大弾圧を団結してはね返そう! ②フィリピンの日系スミフルバナナ農園労働者への殺害など日本資本の海外進出と闘おう! 韓国大法院の徴用工判決を安倍政権とマスコミがこぞって攻撃するが、戦後補償問題はわれわれの世代で解決せねばならない。低賃金で海外の労働者を都合よく使おうとするのは徴用工問題と同じ発想! ③韓国ソソン里や京丹後、沖縄、横田など全国の反基地運動のつながり、労働運動のつながりを強め、安倍政権を倒そう! と訴え、集会を締めくくった。



 ■11・25

 岩国基地にむけデモ行進


 国際連帯集会で闘いの意義を確認した参加者は、岩国市庁舎前に移動して市内デモを闘った。
 デモに先立ちミニ集会が持たれた。AWC九州・山口のメンバーが司会進行を行った。集会では岩国住民の岡村さんから発言がなされた。「基地強化に負けないで安倍を打倒しよう」と訴えた。また、当日参加した青年労働者から「岩国でのデモは初めてですが最後までがんばります」と発言をうけた。
 この集会で英語版のシュプレヒコールの練習が行われた。「ジャンク! ジャンク! USベース!」「キックアウト USベース!」などのシュプレヒコールを全員が唱和。デモに向けた意志一致がなされていった。
 そして岩国基地に向かうデモに出た。「岩国基地はいらない!」「辺野古新基地建設反対!」「米軍基地再編を許さない」というシュプレヒコールが市内に響き渡る。
 岩国基地ゲート前では英語版シュプレヒコールをもって米兵に直接訴えた。デモ隊はゲート前で断固とした抗議行動を貫徹した。
 市内デモを貫徹し、解散地点で簡単な集約集会が行われた。発言に立ったAWC日本連共同代表の瀧川さんが、岩国行動の勝利を全体で確認し二日間にわたる闘いを集約していった。


 

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