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■12・2 佐賀 玄海原発再稼働反対 九州各地から千七百人結集 全ての原発廃炉訴え集会・デモ 十二月二日、佐賀県唐津市松浦河畔公園で「玄海原発の再稼働を許さない九州総決起集会」(さよなら原発一千万人アクション佐賀県実行委員会主催)が開催された。九州各地から千七百人の労働組合員、反原発市民運動団体などが集まり、来春に迫る玄海原発再稼働に反対し、全ての原発廃炉を訴える集会とデモ行進をおこなった。 集会では主催者挨拶のあと、連帯挨拶がさよなら原発一千万人アクション実行委員会の鎌田慧さんから行われた。鎌田さんは「安倍政権において再稼働が川内・伊方・玄海で強行されていく原発政策は犯罪だ」と批判した。また「福島の事故や汚染水対策など誰も責任を取らない。六ヶ所村再処理工場が何十年も完成せず、もんじゅも破綻し廃炉にできないぺテンを繰り返している」と語り、来年三月福島と東京代々木公園への集会参加を呼びかけた。続いて福島からの訴えを福島原発刑事訴訟支援団団長の佐藤和良さんが行った。佐藤さんは、福島の検診した三十八万人の子どもたちからがんと疑いのある百九十四人の内、百十四人が手術しその七割がリンパ節や肺に転移している小児甲状腺がんであるという現状を明らかにした。また「避難者への住宅無償支援を三月うち切り、原発事故を引き起こした東京電力の責任を六月に始まった刑事裁判で追及している。玄海の再稼働を止めるために福島から声をあげる」と語った。 続いて佐賀県の動きを県会議員がのべた後、現地からの訴えを三人の代表がそれぞれ行った。「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」代表の石丸さんは、「裁判所の不当判決への憤りははかりしれない。安心して暮らせるよう諦めるわけにはいかない。原発を止めましょう」と語った。続いて九州玄海訴訟原告団団長、地元の住民が発言した。集会アピールを採択したあと、参加者は繁華街に向けた二キロメートルのデモ行進をおこなった。 玄海町長と佐賀県知事が再稼働を容認する「同意」表明をおこなったあと、九州電力は八月「一八年一月に玄海三号機を、三月に四号機を再稼働する計画」を発表した。しかしここにきて再稼働時期をそれぞれ二カ月遅らせると発表した。神戸製鋼のデーター改ざんにともなう調査と確認に時間がかかると説明している。加圧水型原発の三号機・四号機の原子炉格納容器に、また原子炉圧力容器とそれに付属する一次冷却水配管の溶接材料に神戸製鋼の製品が使用されている。 神戸製鋼製など大手企業のデーター不正や偽装などが相次いでいる。市民の命と生活を脅かし、労働者を長時間労働・過労死に追い込む企業優先、利益優先の企業こそが弾劾されなければならない。命と生活を破壊する、その最たるものが原発である。データー不正にとどまらない問題であるにもかかわらず、九電は再稼働を強行しようとしている。断じて許せない。地元住民が訴えた中に玄海町は三十八年間の検診結果を議会にも報告していないということがあったが、実際玄海町・唐津市周辺の白血病死亡者数がこの十年間で原発稼働の前と後では六十六人から百八十五人に三倍増えている。 玄海三号機はウラン・プルトニウム混合酸化物燃料(MOX燃料)を使う非常に危険な「プルサーマル発電」で、使用済みMOX燃料の処理方法は未解決だ。玄海原発の使用済み核燃料を保管する貯蔵プールは五年程度で満杯になる。原発周辺三十キロ圏内の離島一万九千人の住民の避難計画はいまだずさんなままだ。ひとたび事故が起きれば甚大な被害が西日本全域に拡大する。さらに核兵器の材料となるプルトニウムを増大させ、被曝労働を強制し続ける。 周辺住民や多くの人々が安全性に不安を抱き、原発再稼働に反対している。佐賀県と長崎県の三十キロ圏内の自治体のうち半数の四市長(伊万里市、壱岐市、松浦市、平戸市)と三議会(松浦市、平戸市、壱岐市)も反対している。「再稼働反対」の声をさらにつよめよう! |
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