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■8・10 千葉 農地強奪阻止、空港の24時間化反対掲げ 千葉市内をデモ 八月十日午前、反対同盟・市東孝雄さんの農地をめぐる請求異議裁判第三回口頭弁論が千葉地裁民事第五部(高瀬順久裁判長)で開かれた。 これに先立って、午前九時より千葉市中央公園において集会が取り組まれ、その後千葉市内デモが行なわれた。この行動にはおよそ百名が参加した。 集会は、反対同盟・太郎良さんの司会で開始された。集会の冒頭、前日の九日午後に逝去された反対同盟事務局長の北原鉱治さんを追悼する黙とうが捧げられた。 反対同盟事務局の萩原富夫さんは、「私たちはこの請求異議裁判に何としても勝たなければならない。実際に耕作している農地が強奪されて良いはずがない。昨日夕方に北原さんのお宅にうかがって線香をあげてきた。家族の方は、北原さんが最後までたたかいを貫き通したことを誇りにしていた。今後も私たちは事務局先頭に力を合わせてたたかっていく」と語った。 次に動労千葉、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会などが、それぞれ北原鉱治さんへの追悼や本闘争に向けた決意などを語った。 二期阻止全国共闘の代表は、「反対同盟事務局長として半生を通して空港反対闘争に尽力し、先頭でたたかいぬいてきた北原さんの遺志を引き継いで、勝利の報告を故・北原事務局長にできるようにがんばっていく。そのために市東さんの農地取り上げを許さないたたかいに全力で決起する。第三次安倍改造内閣は、政権の維持をかけて臨時国会に打って出ようとしている。だが戦争国家づくりなどの政権の本質は何も変わっていない。辺野古新基地建設阻止、岩国米軍再編粉砕のたたかい、10・8三里塚全国集会を通して安倍政権を打倒していく」と語った。 司会の太郎良さんは「三里塚関連のいずれの裁判においても、早期結審をもくろむ裁判長の強権的訴訟指揮が強まっている。そして傍聴席からの弾劾のたたかいが巻き起こっている。本日も裁判所を圧倒する傍聴闘争に立ち上がっていこう」とまとめの発言を行った。 最後に参加者全体で、「市東さんの農地決戦に勝利するぞ!」「千葉地裁による強制執行を許さないぞ!」「市東さんとともにたたかうぞ!」「北原さんの遺志を引き継いでたたかうぞ!」などのシュプレヒコールを唱和し、参加者は千葉地裁へ向けたデモ行進を行った。 反対同盟宣伝カーからは反対同盟・宮本麻子さんがマイクを握り、時折りシュプレヒコールをはさみながら、千葉市民に対して市東さんの農地取り上げの不当性を訴えていった。 千葉地裁至近の公園でデモは終了した。その後参加者は即座に傍聴闘争のため、千葉地裁へと移動していった。また、この日請求異議裁判署名第二次提出行動も行われ、二千四百二十九筆が千葉地裁に提出された。 ■請求異議裁判 弁護団、空港会社のペテンを追及 八月十日、千葉地裁六〇一号法廷にて第二回請求異議裁判が行われた。 反対同盟弁護団からは、準備書面および口頭弁論において強制執行そのものの権利濫用について述べられた。第一次、第二次強制代執行から見ても、不当な執行による当人の利益に著しい損失をもたらすことになった経緯が述べられ、そして円卓会議、成田シンポジウムにおいて、空港公団は「強制的な手段は取らない」「あくまで話し合いを行っていく」と社会的な公約を行ったことが明らかにされた。これらを見ていくならば、今回の空港会社、裁判所による市東さんの農地に対する強制執行は信義則の不誠実ば違反であり、市東さんのみならず、それを共に作り上げている産直消費者への影響は計り知れないことを指摘した。 また弁護団は、一九七一年九月二十日大木よねさん宅強制代執行に対する小泉英政さんの緊急裁決処分等取消訴訟において、一五年五月に空港会社と英政さんが和解したことに言及した。中村元空港公団総裁は「(地元のみなさんに)配慮がなく、急ぎすぎた」「強制代執行が他の手段と一緒になってしまい、見せしめという形になってしまった。二度とこのようなことがないよう、もっと話し合いをしていれば血の通った形になったのでは」と述べていたことを明らかにした。 翻って市東さんの場合はどうか。空港会社には全く話し合いの姿勢がなく、その態度は強制執行当時の姿勢となんら変わることがない態度だと批判した。しかもこの中村元公団総裁の発言は市東さんの農地裁判の高裁判決確定後の話であり、許しがたい態度である。 別の権利濫用の問題点としては、空港会社側の農地明け渡しの主張が全く根拠のない「貨物用の機材・特殊車両の置き場にする」という理由だ。これは空港会社が千葉県から農地解約許可処分を受けるためにでっち上げたものであると批判した。 裁判後の報告集会では、まず司会の伊藤信晴さんより、先日逝去された反対同盟事務局長北原鉱治さんの五十年以上にわたる空港建設阻止のたたかいとその遺志を引き継いでいくことが述べられた。 反対同盟弁護団からは、請求異議裁判において小泉英政さんの人証調べを追及していくことが明らかにされ、強制執行を許さないたたかいを前進させていく決意が述べられた。 萩原富夫さんは「今日は裁判初参加者が十名来てくれ大変嬉しく思う。空港会社による小泉さんと市東さんへの二重基準の姿勢は許せない。このたたかいは沖縄、福島とつながっている。十月の全国集会は北原さんの追悼も含めた内容になる。三里塚闘争は確実に勝利している。これからも前進させよう」と発言した。 次回請求異議裁判は十一月六日。国、空港会社は地元経済界、議員とともに第三滑走路建設、深夜早朝便拡大で地域住民をさらなる騒音地獄に叩き込もうとしている。これに対して地元住民が立ち上がり、怒りの声を上げている。周辺住民と連帯し、裁判闘争、十月八日全国集会に駆けつけ、市東さんの農地強奪、強制執行を許さないたたかいを作り出していこう。 |
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