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■11・28~29 山口 岩国行動2015が成功 ●11・28 岩国フィールドワーク 岩国基地機能強化と一棟一億円の米軍住宅建設 十一月二十八日、岩国『希望の祭』、国際連帯集会を前に岩国基地と愛宕山をめぐるフィールドワークがおこなわれた。多くの初参加者をふくむ八十名以上が参加した。フィールドワークの案内には、地元岩国住民の方に行なっていただいた。 岩国基地は、米軍再編にともなう厚木からの空母艦載機59機の移駐が再来年に迫る中、岩国基地内はもちろんのこと愛宕山における米軍住宅ならびに関連施設の工事が急ピッチで進められている。 岩国基地周辺では、遠目にもはっきりと見える戦闘機の格納庫群などの施設を確認しながら、どのように基地の機能強化が図られようとしているかについて細かく説明をしていただいた。今年だけでも岩国市の年間予算(七百億円)を上回る千七十九億円が投入され、工事ラッシュが続いていること。基地内の軍事施設の主なものは概ね完成しており、後は住宅などその他の施設工事が行なわれていることが説明された。 愛宕山周辺の説明では、初参加者も多いことから米軍住宅が建設されるに至ったこの間の経緯と今どのような工事が進められているかについてわかり安く解説いただいた。米軍高級将校たちの住宅として一棟一億円。計二百七十戸が建設されようとしており、そのすべてが「思いやり予算」で建設されようとしていること。米軍住宅建設のために近くにあったゴミ焼却施設が別の場所に移転させられることなど、いかに地域住民の生活や安全よりも米軍が優先されているかということが怒りをもって暴露された。参加者の多くが全国紙やテレビ報道などではまったく知ることのできない岩国基地拡大強化の現実にふれ、岩国基地強化拡大反対の闘いの正当性をしっかりと確認することができた。この日は、土曜日にあたり戦闘機の訓練などは行なわれていなかったため騒音被害などの実態を確認することはできなかったが、是非、平日の戦闘機訓練の凄まじさも確認してほしい、という岩国住民の声を全体で確認し、二時間にわたるこの日のフィールドワークを終えた。 ●11・28 岩国☆希望の祭2015 アーティストのパフォーマンスと地元住民、辺野古、国会前の訴え 十一月二十八日、シンフォニア岩国(多目的ホール)にて、「岩国☆希望の祭2015」が開催された。地元岩国から多くの市民が参加し、全国からも労働組合、反基地活動家が集まった。 岩国では、二〇〇六年に住民投票において、基地強化に反対する民意が示されたが、国の圧力と、基地強化の既成事実が積み重なり、米軍基地反対の声は押しつぶされそうになっている。「岩国☆希望の祭」は、基地に反対の声をあげる岩国市民を力づけようと、去年初めて開催された。 ミュージシャンたちの圧倒的なパフォーマンスは、岩国で米軍住宅反対の粘り強い活動を続ける市民たちに感動を呼び起こし、「ぜひ来年もやりたい、次は地元岩国からもっとたくさんの参加をめざそう」との声があがった。 二年目となる今年は、昨年祭りの準備を担当した実行委員会と、地元岩国とが密に連携を取りながら、準備を進めてきた。去年得られたノウハウを基盤にして、今年はさらに発展した形で当日が迎えられるよう工夫が重ねられた。そのかいあって、当日は地元岩国からの参加者が半数を占めた。 特別出演した「愛宕山を守る会」は、強い思いのこもったメッセージを伝えた。岩国市は本年一月に市長選を控えており、「守る会」は基地反対派の市長候補に望みを託している。 そうした強い願いと力をこめたアピールと、毎月一のつく日に行われている「見守りの集い」で歌われている「守ろう愛宕山」の合唱が参加者に届けられた。その他、アーティストの演奏の合間には、東京から、今夏の集団的自衛権法制化に対して、国会前でたたかわれた学生たちのハンストなどのたたかいに関して報告され、また沖縄辺野古で海上保安庁の暴力的な弾圧を受けながらたたかいを続けているカヌー隊からのアピールもなされた。 二年目ということもあり、地元のアーティストやパフォーマーの協力も少しずつだが広がってきている。地元からは二年連続で祭りに参加したアーティストのほか、和太鼓の演技や、伸びやかな声の女性アーティストの演奏が、祭りを大いに盛り上げた。それに加えて今年は、新たに祝島から反原発と命のメッセージが届けられた。実行委員会の共同代表を務めるアーティストのパフォーマンスは今年も会場を大いに盛り上げ、祭りは盛況のうちに幕を閉じた。 今年は、当日のみではあるが、祭りを手伝う地元の若い人たちの姿も見られた。早くも地元からは、来年も「希望の祭」をさらに発展させようという声があがっている。去年吹き始めた新しい風が、少しずつだがまわりを巻き込み、だんだんと大きなつむじ風をつくりはじめているようだ。 ●11・29 国際連帯集会に150名結集 韓国、フィリピン、スコットランドと 全国各地の反基地運動、労働運動が発言 十一月二十九日午前九時から岩国福祉会館で、アジア共同行動日本連絡会議と一五岩国・労働者反戦交流集会実行委員会の共催で、百五十名が結集し国際連帯集会が開催された。集会には、海外から、韓国の「平和と統一を開く人々(ピョントンサ)」から二名、フィリピンを代表してミグランテジャパンから一名、スコットランド「反軍縮キャンペーン」から二名が参加した。まず、基調が提起された。 基調では、二〇一七年にむけた岩国基地強化が、すでに完了した空中給油機部隊の移駐に続き、艦載機五十九機の移駐、F35配備、愛宕山二百七十戸、基地内七百九十戸の米軍住宅建設などとして進んでいるという全貌が示され、辺野古新基地建設と岩国基地強化が、米軍再編の要であること、戦争法のもとで、朝鮮半島を睨んだ日米共同の出撃基地にさせられようとしていることなどが指摘された。 そして、岩国基地大強化策動と辺野古新基地建設策動を、沖縄と「本土」、さらに韓国、フィリピンなどを貫くアジア太平洋地域の国際共同闘争でたたかっていくことが訴えられた。また、スコットランドなど、全世界の反基地闘争との連帯も訴えられた。 基調提起の後に、一五岩国・労働者反戦交流集会実行委員会を代表して全日建運輸連帯関西生コン支部から発言を受けた。戦争は労働者の生活破壊と一体であり、労働運動の力で反戦反基地闘争を推し進めるという決意の表明がなされた。 続いて、海外からの報告提起、連帯発言がなされた。韓国の仲間は、パワーポイントを使い、「サードの韓国配備がもたらす、北東アジア戦略・地域的安保の変化の可能性」と題した報告を行った。サードミサイルの韓国配備は、米日が主導する北東アジアのミサイル防衛体型の完成度を高め、朝鮮民主主義人民共和国と中国を睨んだ、アジア太平洋地域における日米韓軍事同盟の構築を押し進めるものであること、また、朝鮮有事に対応した出撃拠点となる岩国基地の閉鎖は、北東アジアにおける平和のために大きな位置をしめることなどが提起された。 フィリピンの仲間からは、かつてスービック、クラーク米軍基地の撤去を実現したが、米軍が再びフィリピンを再基地化しつつあるという現状が報告された。スコットランドの仲間からは、シリアへの英軍の空爆参加を批判するとともに、スコットランド独立問題には、イギリスにおける唯一の核基地の問題があり、核基地の撤去と結びついた問題であることなどが報告された。 次に、反弾圧アピールが行われた。福岡県警は、岩国行動二〇一五の直前、AWC九州の仲間を不当逮捕するという暴挙を行った。この不当弾圧を糾弾し、仲間の釈放を訴えた。 休憩後、川口真由美とおもちゃ楽団の歌に続き、各地からの報告がなされた。岩国からは、市会議員の田村順玄さんが、岩国の現況を報告し、すべてを岩国に押しつけてくる政府を批判した。 沖縄からは、辺野古カヌー隊の仲間がかけつけ、現地の緊迫する攻防を報告するとともに、決してあきらめないたたかいを行うことの重要性を訴えた。米軍Xバンドレーダー基地に反対する京丹後からは、米軍基地建設を憂う宇川有志の会から、レーダー運用開始以降の米軍の事故や騒音、軍属の住宅建設など、住民との約束は何一つ守られていない現状が報告された。 神奈川からは、原子力空母の母港化に反対し、基地のない神奈川をめざす県央共闘会議から、原子力空母ロナルド・レーガンへの交代配備などの現状が報告された。 最後に、横田からは、全労協全国一般東京労組の仲間が、労働運動を進める立場からオスプレイ配備を狙う横田基地へのたたかいの現状などについての報告がなされた。 集会後、岩国基地へのデモが行われ、基地正門前では、デモ隊が「米軍はでていけ」と抗議の声をあげた。 岩国では基地強化にむけた工事が連日行われている。一月二十四日は市長選挙である。基地拡張に反対する市民候補に全国から連帯しよう。戦闘攻撃機が集結する極東最大の海兵隊基地を強いられようとする岩国のたたかいに、全国から支援と連帯を大きくしていかねばならない。 岩国基地めざしデモ行進 岩国国際連帯集会を成功裡に終えた集会参加者は、岩国福祉会館前で隊列を整え、岩国基地をめざしたデモ行進にうって出た。 「辺野古新基地建設阻止! Xバンドレーダー基地反対!/岩国基地の拡大・強化反対!/あたご山をまもろう」の横断幕を先頭に海外ゲストを含む百五十名が岩国市内をデモ行進する。川口真由美とおもちゃ楽団の演奏と、シュプレヒコールを交えたデモ行進は商店街を行き交う市民の注目を集めた。 そして岩国基地正門前にさしかかると、デモ行進参加者はひときわ力を込めて「岩国基地の強化を許さないぞ」「米軍は出て行け」と何度もシュプレヒコールを叩きつけた。 デモ終了後、岩国基地近くの公園で集約集会が行われた。アジア共同行動日本連共同代表の瀧川さんが、「昨日、本日と岩国基地大強化反対、辺野古基地反対、米軍基地反対、アジアからの米軍総撤収をめざして全国からの結集を勝ちとった。海外からは韓国、フィリピン、スコットランドの仲間の参加を勝ち取ったことを確認しよう」と提起。そして「この間、各国首脳は、トルコでG20、フィリピンでAPECをおこない、マレーシアで東アジアサミットをおこなった。その背後で日米首脳会談、日仏首脳会談、日豪会談を積み重ね、帝国主義諸国が戦争をおこなう体制を整えようとしている。このことは断じて許せない。さらに日米韓などの合同軍事演習が行われている。日本とオーストラリア間では潜水艦の合同建造が画策されている。安倍は十二月にインドにいって、原発を売り込もうとしている」と帝国主義国による戦争と収奪が目論まれていることを暴露した。さらに「わたしたちは、岩国、京丹後、神奈川、厚木といろんなところでたたかっている。戦争法を廃棄するたたかいも開始している。十一月二十八日、二十九日と岩国おいて、みんなでたたかいを推し進めていくことを確認し合った。このたたかいを全国に広め、戦争法制に反対し、たたかい抜こう」と力強く集約の発言をおこない、参加者はこれを拍手で確認した。 最後にシュプレヒコールを全員であげ、二日間にわたる二〇一五岩国行動を終えた。 |
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