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■10月18日 東京 11月岩国へ大結集を AWC首都圏が集会 十月十八日午後一時半より、渋谷勤労福祉会館において「戦争法制を許すな! 辺野古新基地建設工事再開弾劾! アジアから米軍総撤収を! 十一月岩国に決起しよう! 10・18AWC首都圏集会」が開催された。主催はアジア共同行動(AWC)首都圏。 はじめに、アジア共同行動日本連絡会議共同代表の鴨井さんが主催者あいさつに立ち、「私たちは九月十九日に強行成立した戦争法制を、次の選挙というところだけに持って行ってはなりません。今後さまざまに強行される安倍政権の強権的政策を、例え国会で止められなくても、粘り強くたたかいを繰り広げていくことが『本土』においても必要だと考えています。十一月岩国行動に決起しよう。沖縄の人々のたたかいに連帯していきましょう。労働法制改悪のひとつひとつに反撃していきましょう」と、安倍政権とのたたかいを選挙運動へと集約するのでなく、大衆的直接行動の継続としてたたかう重要性を訴えた。 つづいて、九月中~下旬に辺野古現地で新基地建設阻止闘争をたたかった、辺野古リレーのメンバーより、現地報告を受けた。 十九日深夜に強行された、右翼によるテント襲撃の際に、機動隊はキャンプ・シュワブゲート内において二十四時間体制で常駐・監視しているにも関わらず、襲撃・破壊に対して何一つ対応しなかったこと。そして名護署員も数時間にわたって襲撃を容認しつづけこと。またそれとは対照的に、たたかう人民への権力弾圧が戦争法案強行成立以降、格段に強化されてきており、不当逮捕が続出していることが怒りをもって報告された。そして、「『本土』において辺野古の問題を知っているが、複雑でよく分からないと考えている層にこそ、『一緒に考えていこう』と語りかけていく必要性がある。普天間基地即時返還、沖縄―『本土』の米軍基地撤去までたたかい抜きましょう」と、「本土」における辺野古新基地建設反対闘争を粘り強くたたかっていく必要性を訴えた。 次に、NPO法人ピースデポ代表の湯浅一郎さんより、「基地のもたらす環境破壊 辺野古の埋め立てと岩国基地建設」と題した講演を受けた。 湯浅さんは、二〇〇九年まで広島に居住し、米陸軍広(ひろ)弾薬庫や、岩国基地大強化など、基地による環境被害などの問題に研究労働者として長年たずさわってきた。 現在は福島第一原発から大量に流れ出ている高濃度汚染水が海洋にもたらす影響などについて研究・執筆活動を中心に行っている。 湯浅さんは、第一に岩国基地大強化と辺野古新基地建設は、在日米軍再編の中で最大の焦点であり、アメリカがこれに執着する理由として、両基地が大型港湾を備えた巨大軍事空港建設という共通点があることを明らかにした。 米軍岩国基地は、滑走路沖合移設埋め立ての結果、二〇一七年には極東最大規模の軍事空港となる。すでに大型港湾が併設されたことによって普天間基地に強行配備されたオスプレイの陸揚げ、搬入、中継拠点となっている。佐世保に配備されている米海兵隊の揚陸艦の接岸が可能となった。また、二〇一八年には原子力空母艦載機部隊の移駐も計画されている。 辺野古新基地建設は、「普天間基地移設」や「沖縄の負担軽減」を名目としているが、本質は岩国基地大強化を参考・教訓にした米軍基地機能の再編・強化なのである。さらに言えばこの巨大軍事施設が、日本政府の「思いやり予算」によって建設されようとしていることを、パワーポイントでの映像資料を多用し暴露していった。 湯浅さんは、第二に生物多様性の宝庫である辺野古や大浦湾の埋め立がもたらす、深刻な環境破壊について語った。 辺野古・大浦湾ではジュゴンの生息が確認されている。また、調査のたびに新種の生物が確認される非常に豊かな海であり、環境省は生物多様性基本法の締約国会議で決められた「重要海域」に指定して然るべきである。重要海域に指定されれば、その海域の生態系は法にもとづいて保護される。 だが、一四年発表予定の「重要海域」候補地はいまだに発表されていない。そこには防衛省や外務省が辺野古や大浦湾を「海洋保護区」候補に指定することに反対している可能性が高いのだ。であるならば、辺野古・大浦湾を「海洋保護区」に指定すべきだという声をもっと強めて、辺野古埋め立て強行策動に対する圧力としていくべきであると訴えた。 さらに、埋め立て用の土砂供給がもたらす問題点についても触れた。埋め立て用の土砂は三種に分けられている。そのうち海砂と山土は沖縄「県」内から採取されるが、岩ズリ(がんずり)は、四分の三が沖縄「県」外から採取・供給される計画となっている。 これによって採取地における土の海洋流出などの環境破壊が発生する。また土砂に混入する外来種の侵入によって、辺野古・大浦湾に本来あった生態系が変化してしまうという問題を引き起こしかねない。本年の五月三十一には「辺野古土砂搬出反対全国連絡会」が結成された。土砂搬出に反対する署名運動を行なっており、十月十五日時点で五万二千筆を集め、内閣府に提出した。 湯浅さんは最後に辺野古新基地建設阻止と、岩国基地大強化反対を皆さんと共にたたかっていきたいと結び講演を終えた。 講師への質疑応答の後、連帯発言を受けた。「戦争法廃止! 安倍たおせ! 反戦実行委員会」(反戦実)の松平さんは、九月戦争法案成立阻止闘争の総括と、今後も継続して反戦実としてたたかう決意を述べた。 つづいて、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの吉田さんは、翁長知事の辺野古埋め立て取り消し決定を支持し「本土」において工事再開阻止のたたかいを強めていく決意を表明した。また、国交省などに対する連続した闘争への参加を呼びかけた。 連帯発言の最後に、青年労働者の仲間から発言を受けた。仲間は、公務・民間を貫いた青年労働者の団結を創り出す活動を進めている現状と、岩国住民とともに若手労組員が反戦反基地闘争をたたかう意義について語った。さらに、次期国会での残業代ゼロ法案や解雇の金銭解決などの労働法制改悪を阻止し、戦争攻撃と一体のものとしてたたかう決意を述べた。 次に、集会へ寄せられた連帯メッセージが紹介された。AWC韓国委員会、岩国住民、横田行動実行委員会、立川自衛隊監視テント村からのメッセージが司会から代読され、全体の拍手で確認された。 つづいて、15岩国労働者反戦交流集会実行委員会の藤村さんから、本年十年目を迎える、十一月二十八日から二十九日にかけての、15岩国行動への行動提起が行なわれた。 最後に司会から集会決議案が提起され全体の拍手で確認され、成功裏に集会を終えた。 |
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