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     8月7~11日 鹿児島

    川内原発再稼働弾劾!
  
 
     全国結集でゲート前大行動


 
 
 八月七日から十一日にかけて、川内原発の再稼動阻止にむけたゲート前大行動が取り組まれた。連日の猛暑と警察権力を大動員しての検問、警戒体制を突破して九日には原発に隣接する久美崎海岸に全国から二千人が結集した。あろうことか鹿児島県は、この久美崎海岸での集会と音楽祭に対してその使用を認めないとする敵対をおこなってきた。しかし、ストップ再稼働!3・11鹿児島集会実行委を先頭に、福島の人々をはじめ全国の原発立地の住民や反原発団体など全国から結集した人々とともにこれを実力で粉砕し、海岸での決起前集会と原発ゲート前までのデモがかちとられた。この連日の闘いには、アジア共同行動日本連として九州・山口のメンバーとともに首都圏、関西からも仲間が駆けつけ、再稼動阻止現地闘争を全国の人々とともに闘いぬいた。

  ●8月9日 韓国からも参加

 七、八日のゲート前闘争に続き、原発そばの久美崎海岸において起動日前集会が開催された。集会では、基調提起とリレートークにより再稼動阻止にむけた堅い決意が全国から発せられた。そして、この日の闘いには、アジア共同行動のメンバーと共に来日中の韓国の青年緑ネットワークのメンバーも参加した。
 集会の基調提案で向原事務局長は「私たちのこの間の反原発運動の中でわかったことが二つある。ひとつは、川内原発そのものがボロボロであること。二つ目には九州電力は、悪徳企業であり極悪企業であるということだ。そして、再稼動とはこのボロボロの原発を悪徳企業が動かすということだ。絶対に許すことはできない」と再稼動に対する腹の底からの怒りを表明した。そして、締めくくりに「われわれは、ここに力強く宣言しよう。われわれは、権力の脅しにたやすく屈服する臆病者ではない。明日、明後日九電が再稼動を行なってくるのであれば魂の闘いをくり広げよう」と起動前集会にふさわしい戦闘宣言を発したのである。基調提案をうけてリレートークとして、1000万人署名アクションから鎌田慧さん、地元住民を代表して鳥原良子さんが発言した。他にも宮崎や福岡、山口など九州各県からの参加者などが再稼動阻止にむけた力強いアピールを行い、集会の最後に川内原発再稼働反対!の唱和し、8・9鹿児島アピールを採択し、厳戒態勢の続く中、ゲート前までの二キロのデモを行なったのである。

  ●8月10日 四百を超える結集

 当初、起動日とされたこの日には、平日にもかかわらず全国から四百人を超える人々が集まった。早朝からの集会では、連続的に全国からの参加者がそれぞの地元での闘い、電力各社に対する怒りの表明、福島連帯について述べ、さらに九電が十一日午前十時三十分に再稼働をおこなうとの報道が紹介されると怒りと再稼動阻止にむけた堅い決意を次々とアピールした。午後の集会では、AWC九州・山口のメンバーが発言に立った。
 発言では、第一にこの間の3・11鹿児島集会実行委員会などが提出した公開質問状に対する四回の九電本社交渉において、川内原発の安全性、カルデラ噴火や重大事故(過酷事故)対策、住民の避難計画などいずれも住民の不安や疑問にまともに答えるどころか、人数・時間を制限し、警察権力導入を策動し、本店玄関シャッターを閉ざし説明責任や避難計画策定への事業者としての社会的責任も放棄した九電に対する徹底した怒りが表明された。
 第二に、川内原発周辺の鹿児島・熊本・宮崎県内十市町村の議会で住民説明会開催を求める決議も拒否し、なりふり構わず再稼動を強行する九州電力に周辺住民から怒りの声がまきおこっており、最新の世論調査でも過半数の人々が川内原発の再稼動に反対していること。また、火山学者は火山の巨大噴火の可能性にふれ原発再稼動の危険性について警鐘を鳴らしていること。さらに実効性のない避難計画など再稼動の条件などまったく存在しないことを改めて訴えた。そして、何よりも原発事故以降四年余りの中で福島の人々を先頭に、「原発はいらない」と立ち上がった全国の力は政府、電力各社を徹底的に追い詰め、再稼動に一片の正当性のないことを明らかにしており、闘いぬけば必ず勝つことができることを力強く訴えたのである。
 炎天下の中、朝から駆けつけた参加者全員には再稼動は絶対に許さないという堅い決意がみなぎっており、この日の再稼動前日の闘いも終日、勝利的に闘いぬかれたのである。

  ●8月11日 車と人で正門封鎖

 前夜からの泊り込みと早朝からの車列での封鎖により正門前では車と人間による逆バリケードが築かれ、北門でも阻止線をはっての実力決起によって再稼動阻止当日の闘いは始まった。早朝からの阻止行動に続々と闘う人々が合流してくる。全国のマスコミ、報道が注目する中、九電が制御棒を抜き再起動を行なうとされた午前十時半にむけて連続的に抗議とシュプレヒコールが叩きつけられた。スイッチを押すな。制御棒を抜くな。この弾劾の嵐は、警察官を圧倒し、全国から取材に駆けつけた報道陣をひきつけ、全国の怒りが頂点に達していることを正門ゲートと全国に響きわたらせたのである。制御棒を引き抜き、起動をおこなったとの情報が入るや否やそれまでを倍する怒りの抗議が叩きつけられた。抗議のシュプレヒコールがたたきつけられる中、集会のあちらこちらで報道各社のインタビューに参加者が怒りとともに全国にその暴挙を訴えたのである。
 テレビ局による昼の放送では全国一斉に再稼動が行なわれたこと、これに抗議して闘うゲート前の様子が全国に大きく報道されたのだ。
 このゲート前大行動にあわせて全国各地でも再稼動を許さない抗議闘争が連日取り組まれた。首相官邸前をはじめ九電本社前にも百人以上が結集し再稼動阻止を訴え、他にも全国各地で抗議行動が取り組まれた。
 この日は午後から、ゲート前闘争と連携して薩摩川内市役所前での抗議集会が開催された。集会には地元住民を先頭に六十人を超える人々が結集した。再稼動を強行した九電に対する怒りと再稼動を容認した川内市長である岩切に対する徹底した抗議行動がおこなわれたのである。再稼動が強行された今、次の闘いは「今すぐ再稼動を止めろ。これが次の方針」であることが力強く明らかにされた。市役所前の闘いを終えた部隊は、再びゲート前へと戻り、集会へと合流した。
 五日間におよぶ再稼動阻止闘争は、全国からの総力決起で圧倒的に勝利した。
原発再稼動をめぐっては全国で六割近い人々が今も反対している。原発推進派である産経、読売、日経を除く全国の新聞各紙の多くは、翌日一斉に再稼動に強い危惧と懸念を表明した。原発推進あるいは容認派は、まったくの少数派である。
 安倍政権による民意をまったく無視した原発偏重のエネルギー計画が発表され、避難計画はまったく実効性がないことが地元住民から不安とともに批判されている。再稼動とともに再び増え続ける使用済み核燃料を一体どうするのか。政府も電力会社もまったく答えることができない。いまだ明らかになっていない福島第一原発の事故原因の徹底究明と責任者の処罰もまったく行なわれていない中で、責任の所在もはっきりしない再稼動が強行されたのだ。一片の正当性も道義性もない今回の再稼動の強行はさらに全国に反原発闘争の高揚を生み出していくことは間違いない。そしてなによりも、民意に反した再稼動に対して決してあきらめることなく五日間にわたって阻止行動を貫き通した姿は、日本国内はもとより全世界へと発信され新たな共感を生み出していくであろう。今回の闘いには、韓国からの若者も参加した。反原発、反核の闘いは、確実に全世界の人々を結びつけ、世代を超えてより強固なものに発展していくことはあきらかである。
 安倍政権は、安保法案をめぐってこんなにも民衆の抵抗が大きくなることは予想だにしなかった。反原発闘争もそのうちに収束していくだろうと高をくくっていた。しかし現実には、四年を超えてもなお、再稼動に反対する世論は大きく、政府と電力会社は力で押し切る以外その方途をもたないところまでまで追い込まれてきている。
 川内原発再稼動阻止闘争は、今後全国で闘い抜かれる原発再稼動阻止闘争の未来を確実に切り開いた。闘いに参加した誰もが今後も決して闘いをあきらめないことを表明していた。明日からは、一日でも早く稼動を止めること。これが次の目標であることを鮮明にした。今後、続くであろう再稼動をめぐる攻防は、この川内闘争の闘いを引き継ぎ、ますます強固なものとなって安倍政権と電力各社の前に大きく立ちはだかるのは間違いない。
 この四年におよぶ反原発運動は、それまでの原発立地周辺住民と一部の支援者の闘いという枠を大きく突き破り、それを支え連帯してともに闘う勢力を全国に飛躍的に増大させた。それは、権力、電力会社が立地周辺住民を宣撫し利益誘導し、反対運動を孤立させてきたこれまでのやり方が決して通用しないことを意味する。川内に続くどこの原発の再稼動であろうとも全国から駆けつけ、支え、励ましともに闘う体制が確実に川内原発再稼動阻止闘争の過程で形づくられたのだ。政府は、「適合性審査」に「合格」したものから順次、再稼動させるこを表明している。高浜原発、伊方原発そして川内二号機の再稼動が次に目論まれている。川内原発再稼動阻止闘争の中で築きあげた力で「再稼動阻止! 原発をただちに止めろ」これを合言葉に全国の再稼動阻止闘争に全国で決起しよう。



 

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