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     6月15日 千葉

    耕作権裁判弁論再開
  
 
     成田空港会社の文書偽造を徹底追及


 

 六月十五日千葉地裁民事第二部岸裁判長のもとで、市東さんの農地をめぐる裁判(耕作権裁判)が開かれた。この裁判は、耕作地の「地主」を名乗るNAAが、市東さんに対し、賃貸契約の解除・農地の明け渡しを求めたものである。
 NAAは、市東さんの農地を取り上げ、「への字」に曲がった誘導路を直線化しようというものである。市東さんは、「小作人に無断で売買したことは農地法違反で、買収は無効だ」と主張している。
 弁護団はNAAに、旧地主・藤崎との間でなされた買収交渉の交渉記録を公開するよう求めた。NAAは「存在しない」と逃げ続けているが、最高裁において文書提出命令が確定し、二年半の空白をへてこの日、裁判が再開した。法廷では、弁論の更新手続きで、市東さんと弁護団が意見陳述を行った。
 市東さんは、小林判決を弾劾し、農地を守りぬくことを宣言した。「六月十二日に出された高裁・小林の不当判決に抗議する。農地と生活を奪い取ることを許さない。審理を尽くさず結審した結果の判決だ。岸裁判長はこんなことはしてはならない。提訴のとき新聞で私は、『不法耕作の男』と書かれた。有機野菜を作り、消費者に届け、誠実に農業を続けている。悔しくて寝られない夜が続いた」「空港会社が提出した証拠書類が、偽造だったと判明した。今の耕作地は、全て私の賃借地だ。父・東市(とういち)から土地を受け継ぎ、有機農業をやってきた。大正末頃に、祖父が開墾した。畑の場所をめぐって地主と争いになったことは一度もない。船橋の方に就職して出たが、帰省したらいつも父は額に汗して働いていた。耕作場所を争ったことはない。父がなくなって、実家に戻り、農業を始めた。地主に、『堆肥置き場を作りたいがいいか』と聞いたら、『コンクリートをいつでもはがせるようにしてくれれば、いい』と言っていた。ここは契約地だと思っていた。土地を問題にしなかったのは、空港会社も同じだった」。
「二〇〇四年、突然空港会社が明け渡しを求めてきた。戦後の農地改革で、解放されるべだった土地である。父の戦地からの帰還が遅れたため、小作地のままとなった」「空港会社の唯一の証拠が偽造だった。添付図面の存在を知らなかったのでビックリだった。偽造と知ってさらに驚いた。期限が迫って焦っていたとはいえ、なぜこんなことができるのか?空港会社の闇を見た思いがした」。
 「日付がない同意書、これらの図面がいかに作られたのか。空港会社は不誠実にも、隠し続け、逃げようとしている。筆跡鑑定で贋書と判明。偽造の闇に蓋をして、逃げることは許されない。私は産直(生産者と消費者)の会の一員として、農業に誇りを持っている。有機農業は、土作りが全て。毎日たゆまず土作りを続けている。多くの人々の生活を支えていることに、誇りを持っている。TPP締結を進め、空港を優先し、畑を奪おうとしている。絶対に許さず、闘います」と、NAAの文書偽造による農地「買収」を徹底弾劾し、農業を続けていく決意を堂々と宣言した。傍聴席からは圧倒的な拍手がわきおこった。
 岸裁判長は、市東さん側に「石橋さんと耕作地を交換したときのことを詳しく説明してほしい」、NAA側に「市東さんが偽造だと主張している二つの証拠書類の作成経緯を説明してほしい」と求めた。この日は公平の体を保っていたが、今後も「国策」への偏向を許さず、監視を強めよう。次回は九月十四日に開かれる。多くの傍聴で勝訴をかちとろう。
 公判終了後、弁護士会館において、報告会が開かれた。「この裁判が最高裁の裁判にどれほど影響を与えるか」という質問に、弁護団は、「反動判決をさっさと出してしまうか、延ばし延ばしになるかは、こちらの闘い次第だ。」と述べた。
 萩原富夫さんがまとめとして、「安保闘争もあり、農作業もあり、忙しい日々ですが、がんばっていこう。九月・十二月に向けて、農地取り上げ阻止の闘いを焦点化させていこう。この裁判で勝ち、小林判決をひっくり返そう」と呼びかけた。
 反対同盟とともに、戦争法制阻止、農地取り上げ阻止を断固、闘いぬこう。


 ■裁判前に、千葉地裁包囲デモ

 六月十五日午前九時より、千葉市よし川公園において、三里塚芝山連合空港反対同盟がよびかける千葉地裁包囲デモが、およそ六十名の結集でたたかわれた。
 この闘争は、二年半にわたって中断していた耕作権裁判が再開するのに合わせて設定されたものだ。
 反対同盟の伊藤信晴さんの司会で、闘争にかけつけた動労千葉、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会などからの発言を受けた。その後、反対同盟・萩原富夫さんからの発言を受けた。
 萩原富夫さんは、まず東京高裁による六月十二日の農地裁判控訴棄却を徹底弾劾した。とりわけ一週間前に突然判決日を期日指定するという高裁のやり方に対し「こんなやり方があるか!」と激しい怒りをぶつけた。
 そして、本日の耕作権裁判闘争で、NAA(成田空港会社)による文書偽造を徹底暴露し追い詰め、最高裁でたたかおうと訴えた。
 また、第三滑走路推進運動に対して、「空港利権に群がるやつらを許さず、もう滑走路は必要ないということをデモで市民にアピールしていこう」と呼びかけた。
 その後全体でシュプレヒコールをあげ、反対同盟・市東孝雄さんを先頭に、千葉地裁に迫る戦闘的デモを貫徹した。
 デモ終了後、全体で耕作権裁判の傍聴闘争に決起していった。



 

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