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     3月4日 東京

   市東さん農地裁判

     
裁判長・小林の結審強行を徹底弾劾


 

 三月四日、市東さんの農地強奪を許さない農地裁判闘争がたたかい抜かれた。反対同盟と支援は午前から東京高裁前に結集し、終日の闘争をたたかい抜いた。
 反対同盟と支援は、午前十時半から東京高裁前において、ビラまき街頭情宣を行った。控訴審の裁判長である小林昭彦による早期結審策動を許さず、千葉地裁の多見谷による不当判決の誤りを満天下に暴露し、証人調べをはじめ徹底した審理を要求した。そして、正午からは東京高裁を包囲する戦闘的なデモを貫徹した。百四十名を超える公安警察の弾圧を許さず、「市東さんの農地強奪を許さないぞ」のシュプレヒコールを霞が関に轟かせた。さらに、裁判開始前には署名提出行動を行った。市東さんの農地を守る署名運動では、今回あらたに五千六百三十三筆の署名を追加し、総計で二万三千五十四筆の署名を裁判長・小林に突きつけた。
 午後二時半から、控訴審の第四回口頭弁論がはじまった。反対同盟と支援が傍聴席を埋めつくす中で、反対同盟弁護団が準備書面の陳述を行った。弁護団は、成田空港会社(以下、NAA)が偽造文書を使い、耕作者を守る農地法を捻じ曲げ、市東さんの同意なく底地を買収したという違法行為、その違法行為を支える千葉県や成田市の行政処分の違法性を明確にした。さらに弁護団は、この裁判が民事訴訟の形を取った強制収用である、という農地強奪攻撃の本質を明らかにした。空港会社の元社長・黒野が東峰部落住民に謝罪したのは、人間としての尊厳を踏みにじり、国家暴力を前面に出し土地の強制収用を行った点だった。今後こうした行為を一切行わないと表明したのは、NAA自身なのだ。NAAには、市東さんに対して農地の明け渡しを要求する資格はない。
 この弁護団の追及に対し、NAAと千葉県、成田市は「(提出した準備書面を)陳述する」とだけ言って、弁論から逃げようとした。次の瞬間、裁判長・小林は「弁論を終結します」と叫んだ。この小林の弁論打ち切りに対して、反対同盟と支援は弾劾の声を叩きつけ、弁護団は「裁判官忌避」を突きつけた。法廷内が騒然とする中、小林を先頭にした裁判官三人は法廷から逃げだし、入り口からは七十人近くの廷吏と裁判所職員がなだれ込んできた。反対同盟と支援は廷吏らによる弾圧を許さず、小林の弁論打ち切りを弾劾した。これに対して、裁判所職員らは「三回目の退去命令だ」と恫喝をかけ、支援者一人に対して「法廷内で録音した」などと言いがかりをつけて執拗に弾圧を企んだ。反対同盟と弁護団、支援は一体となって、この弾圧策動を打ち破った。
 その後の報告会では、まずはじめに市東さんから「はらわたが煮えくり返る思いだが、これからもたたかいは続く。口頭弁論一回だけでの結審という策動を打ち破って、控訴審闘争として四回の裁判闘争をたたかい抜いた。怒りをもって、これからもたたかい抜く」と熱い決意表明がなされた。つづいて弁護団からは「強権的な審理打ち切りを、満腔の怒りをもって弾劾する。裁判所そのものが国家の暴力装置である、この本質があらわになった。反対同盟は、論理を尽くしてNAAを徹底的に追及してきた。それに対し、裁判長・小林は市東さんの本人尋問すら認めなかった。反動判決に対しては、上告してたたかう」と、たたかい抜く決意が明らかにされた。市東さんの農地を守る沖縄の会は、辺野古現地の報告とともに3・29全国総決起集会への結集を表明した。そして、萩原富夫さんが「地裁から八年間たたかい抜いてきた。反動判決を許さず、裁判闘争も現地闘争も闘っていく」として、三月二十九日の全国総決起集会への結集をよびかけた。
 小林の強権的な結審強行を徹底的に弾劾し、市東さんの農地強奪を絶対に阻止しなければならない。反対同盟は、「市東さんの農地死守 安倍打倒」をかかげ3・29全国総決起集会への結集を呼びかけている。三月全国総決起集会に結集し、反対同盟とともに三里塚現地闘争に決起しよう。


 
■反対同盟が弾劾声明(以下声明本文)

 三月四日、東京高等裁判所第一九民事部の小林昭彦裁判長は、反対同盟員である市東孝雄さんの農地裁判・控訴審第四回弁論において、「これからいよいよ証人調べ」という時を前にして、突如結審を宣告し、傍聴席を埋め尽くした労農学の弾劾の中を逃げ去った。われわれはこの暴挙を徹底的に弾劾する。
 反対同盟顧問弁護団は、一審千葉地裁の多見谷判決を完膚なきまでに反論し尽くした控訴理由書を提出し、市東孝雄さんの二度にわたる意見陳述を始めとして、成田空港会社と千葉県を追いつめた。こうした市東さん側の追及に「原判決のとおり」と逃げ回っていた空港会社と千葉県に昨年十二月三日、「反論」を出させた。これに対して弁護団は二月準備書面で徹底的に反論し、三月四日当日、市東さんへの本人尋問をはじめとする証人による立証計画を出し、立証活動を開始したばかりだった。多見谷判決の違憲、違法性を法廷の場で明らかにする決定的段階に入ろうとしていた。ところが、小林裁判長はこれらのすべてを拒否し、強引に審理打ち切りを強行した。多見谷判決が打ち砕かれるのを暴力的に妨害するためだ。
 市東さんの農地問題とは何か。成田空港建設をめぐって、強制収用のための事業認定(土地収用法)が二十六年前に失効したため、裁判所を収用委員会の代わりの機関に利用して、市東さんの農地を暴力的に奪おうとした空港会社の策動に根源がある。
 しかも農業と農民を保護すべき農地法を土地収用法の代わりに使ってこの違法行為を強行しようとしたのだ。この暴挙を擁護し、農地法を破壊し、国策裁判として市東さんに農地の明け渡しを求めたのが二〇一三年七月の多見谷判決だった。
 だが、「耕作権者の同意なき買収や小作契約の解約」は農地法の真っ向からの破壊だ。このようなデタラメが、法廷での市東さん側からの追及に耐えられるはずもない。小林裁判長の拙速結審はこのような追及を封殺するものだ。不当・不法な多見谷判決を擁護し、「国家のしもべ」としての悪らつな裁判所の正体を露呈してでも、1%の支配者の利益のための国策(成田空港建設)を、なりふりかまわず守ろうとする司法の末期的姿だ。
 市東さんは直後の報告会で語った。「はらわたが煮えくり返る思いだ。しかし、闘いは終わったわけではない。この悔しさをバネにさらに勝利に向け闘っていく」と。事務局員の萩原富夫さんは「われわれは勝っている。積み上げられた二万三千五十四筆署名を見よ。反動判決を出させないために、三万人署名を必ず達成し、霞が関を揺るがす闘いで小林裁判長を追いつめよう。3・29全国総決起集会の成功で反撃しよう」と訴えた。これらは反対同盟全員の決意だ。
 われわれは東京高裁による反動判決を何が何でも阻止する。その闘いに断固として立ち上がる。3・29集会の成功がすべてを決する。すべてのみなさんの結集を訴える。

            二〇一五年三月九日
                  三里塚芝山連合空港反対同盟


 

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