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■7月12日 山口県岩国市 愛宕山に新たな米軍基地はいらない 市民集会に500人結集 〝工事中止〟の声あげる 七月十二日、山口県岩国市で「愛宕山に新たな米軍基地はいらない 7・12市民大集会」が開催され、約五百人が参加した。 米空母艦載機五十九機の岩国基地への移駐に伴い、愛宕山では五月に米軍住宅や米軍の運動施設の建設工事が開始された。それに対し岩国市民は、工事中止を求め愛宕山で定期的に集会とデモに取り組んでいる。七月十五日以降KC130空中給油機十五機が普天間より移駐され基地が具体的に強化される問題もあり、岩国基地が極東最大の基地に転換することを許さないとの意思を改めて示そうと、緊急集会が呼びかけられた。 岩国の「愛宕山を守る市民連絡協議会(岡村寛・世話人代表)」は、二万二千枚のきれいなカラーチラシを用意し、改めて市民の世論を喚起したいとの思いで、戸別配布もした。記者会見なども行い、最後の最後まで集会への参加を呼びかけた。 集会では、岡村さんより「開発跡地を防衛省が買い取ったことを第一ラウンドとすれば、実際に工事が始まるこれからを第二ラウンドと位置づけ、工事中止を求めていこう。今後も一致団結して闘っていこう」と工事が進んでも諦めないという決意が述べられた。 続いて、県議や市議、市民連絡協議会の参加団体からのアピールがあった。 集会アピールでは「安全で安心な岩国の未来のため、ひいては平和な日本を実現するために沖縄をはじめとした全国の運動と連帯し、日本中のどこにも新たな米軍基地をつくらせないために全力を尽くそう」と表明。辺野古や高江、京丹後のXバンドレーダー基地建設反対運動と歩みを共にし闘う思いが込められていた。 集いで毎回歌う「守ろう愛宕山」を参加者全員で歌い、 最後に「怒」のうちわを掲げるパフォーマンスをし、愛宕山をデモ行進した。 今回の工事は、上モノ(建造物)の設計すら終わっていないまま、二〇一七年完成(=艦載機の移転)という締切を守るためだけに強行された。設計図は三月末に完成予定だったのに、六月末に延期され、再度十月末までと延期された。米軍の要望を取り入れるために、なかなか設計図が確定しない。何を作るのか、その運用はどうなるのか、事件事故があった時に対応するのはどこなのか、詳細は一切明らかにされず、住民への説明もないままの工事は許されない。秘密のベールに包まれたまま住宅や運動施設が建設され、日常的には市民と一切関わることなく、「日米親善」を掲げるとは全くの欺瞞だ。 しかも、環境アセスもしない違法性の問題もある。四月の説明会の中で中四国防衛局は、凸凹を均すだけの工事なので、環境アセスが必要な面積はないと豪語した。しかし工事が進む中で、野球場建設予定地の地下にある特殊地下壕を、国が埋める方針であることが分かった。凸凹以外にもこうした諸々の工事を含めると環境アセスが必要であるにも関わらず、締め切りに間に合わないと国は無視を決め込んでいる。愛宕山周辺では開発によって山の保水力が失われ、水の流れが変わり、大水の際に被害が出た地域などもあるとのことなので、環境アセスは必須であるにも関わらず、だ。 ちなみにこの「特殊地下壕」とは、旧海軍の飛行機工場として本土決戦用の戦闘機「紫電改」を製造していたところで、愛宕山周辺の地下に延長約二キロのトンネルが、網目状になっているらしい。朝鮮人の強制連行や戦時遺産としての記録保存の問題も発生している。 そしてさらには、 米軍基地強化問題は、集団的自衛権行使問題と切り離せないという問題がある。岩国の海自が掃海作戦をして綺麗にした海を米軍が展開する体制はすでに出来上がっている。侵略の拠点となることは、つまりは岩国市が攻撃対象となっていくことと表裏一体だ。単に事件事故が増えるというだけでなく、戦争に巻き込まれていく可能性が高まっているということだ。 岩国基地強化反対の行動はますます重要性が増している。全国から岩国に集まろう。 |
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