共産主義者同盟（統一委員会）

■7月8日　千葉

　 団結街道裁判第15回口頭弁論

　　　　　居直る空港会社を徹底追及
　　　　

　七月八日、団結街道裁判第十五回口頭弁論が、千葉地裁民事第三部・廣谷章雄裁判長のもとで開かれた。三十名が傍聴に駆けつけ反対同盟とともに闘った。この裁判は、市道である団結街道を成田市が廃道にして違法に封鎖したことに対して、決定の無効と、封鎖している妨害物の撤去を求めて、市とＮＡＡを提訴したものである。これまでの裁判で、団結街道の破壊は市東さん追い出しのために成田市とＮＡＡが一体となって強行した違法・不当な処分であったことを徹底的に追及し、明らかにしてきた。市東さんが耕作している畑が道路に隣接して存在しているのに、耕作者の市東さんに一言の相談もなく廃道にした前代未聞の暴挙であったことを明らかにした。反対同盟は「団結街道破壊は第三誘導路建設と密接不可分の関係にあり、市東さんの営農に重大な支障を及ぼし、生活権・生存権を著しく侵害している。したがって、道路法十条一項（一般交通の用に供する必要がなくなった）の違反だ」と主張した。
　これに対し成田市の主張は、「本件市道の代替道路が整備された時点で、原告市東を除く一般交通に対しては市道廃止のための道路法十条一項の要件は充足された。原告市東に対する廃止要件も、南台耕作地への機能補償道路及び市東氏の住居及び天神峰農地に接する部分を、市道天神峰線として再認定することにより、充足した」などと、勝手な認定づけだけで道路法の要件が充足されたかのように開き直っている。反対同盟はこの間ＮＡＡに対し、空港敷地内の市道を廃止した事例を全て公開するよう、文書提出命令を求めた。事例を比較し、本件処分の違法性を明らかにするためである。当日の法廷で廣谷裁判長は、提出命令はしない意向を打ち出した。「他の事例と比較しなくても本件だけで判断できる。道路法十条の問題は間口を広げず考えたい」という。弁護団は、命令が必要であることを猛然と訴えた。「代替道路を作り、畑へ行ければいいのか？　代替道路は三倍の距離で、交通量の多い危険な道である。営農上の利便性の点で、本件だけを見て代替道路の補完性の判断はできない。他の例を詳しく見る必要がある」。裁判長は、「市東さんの方で分かっている範囲で主張を出してもらい、その上でさらにＮＡＡに求めるかを判断したい」と逃げた。裁判長は「審理が四年に及ぶので、証人調べに移りたい」と述べ、裁判の終結に進もうとした。弁護団は「求釈明が尽くされていない」と反対し、傍聴団も「ＮＡＡが資料を出せば裁判は進むのだ」と抗議した。
　十月十七日に開かれる次回の裁判は、一つの焦点である。
　裁判終了後、弁護士会館に移動し、報告会を行った。
　弁護団から、「『への字』誘導路の直線化と第三誘導路は片方成れば片方はいらないという矛盾した関係にある。市東さんの畑を取り上げなくてもいいじゃないかという話になる。ＮＡＡにとって一つの弱点だ。第三誘導路は、耐え難い騒音によって市東さんを叩き出そうという攻撃だ」「今回の市の準備書面は、これまでと主張を変えた。これまでは、市道を廃止した理由を、①空港予定地内であること、②第三誘導路建設のため、③代替道路を整備した、という三点にしていたが、②の第三誘導路については、理由からは外し、『間接的な背景事情』に変更した。従来の主張では、『団結街道を利用していた人の利便性』対『第三誘導路を航空機が使用することの利便性』が争点化する。それを争点にしたくないために、外したようだ。次回、その点を追及する」と説明があった。反対同盟からは伊藤さんが、「ＮＡＡは第三滑走路計画によって、東峰部落の解体を狙っている。二〇二〇年東京五輪までに反対同盟の破壊を狙っている。七月十三日、第三滑走路粉砕の現地闘争を闘い抜く。新たな反対同盟を作っていく。十月八日高裁は、市東さんの農地を守りきれるかどうかの最大の山場だ。署名を通じ全国に闘いを広げよう」と呼びかけた。裁判の後には十名が炎天下、千葉市街頭において署名活動を行い、九十筆を獲得した。十月三万筆を目指し、引き続き署名を展開しよう。