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■3・15 東京 5500人が脱原発集会に参加 福島からの全国キャラバンも合流 三月十五日、東京の日比谷野外音楽堂にて「フクシマを忘れない!さようなら原発 3・15脱原発集会」が取り組まれた。「『さようなら原発』一千万人署名 市民の会」の主催で、五千五百人の労働者・市民が駆けつけ、会場を埋め尽くした。 十三時からオープニングライブとしてコントとカンカラ三線による演奏が行われた。そして本集会が始まり、はじめにハイロアクション福島の武藤類子さんが発言に立った。武藤さんは福島からの報告として、原発事故が収束とは程遠い状態で、被害は形を変えて拡大していると訴えた。労働者の被曝は積み重なり、甲状腺がんを疑われる子供が七十四人に上っている。仮設住宅では、長い避難生活の困難のため自死が多くなっている。「帰還」が前提の地域では学校が再開され、避難先からバスで通学している。政府は、こうした住民の被害を無視し、極小化して「帰れ」と帰還を強制しようとしている。政府は、原発事故の被害者を「もの言わぬ民衆」にしようとしているが、今この福島で行われている人権侵害は許されない。声を上げて、ともに歩んでいきましょう、と訴えた。この武藤さんの訴えに、会場の参加者は全体が一体となって、賛同の拍手でこたえた。 大江健三郎さんは「次世代の子供たちに、自分が何をしてきたのか言えること。これが私たちの行動の基準だ」と話し、澤地久枝さんは「安倍は福島を見捨て、再稼動に突き進んでいる」と安倍政権による原発再稼動の姿勢を糾弾した。 賛同アピールとして元宇宙飛行士の秋山豊寛さんがマイクを握った。秋山さんは福島でしいたけ農家として生活しているときに原発事故にあった。秋山さんは、定期的にホールボディカウンターで検査している友人の農民の話をあげて、体内のセシウム量が年を経るごとに増えており「また汚染されたよ」と話しているという。福島では危険な中で人々が、子供たちが生きている状態であることを訴えた。そして、今やらなければならないことは、このような危険な状態を広げないことだとして、住民の非難計画すら立てられないのに、「世界一の安全規制」などとうそを言う安倍を弾劾した。さらに「福島をこんな状態にして、誰が責任を取ったのか。東電の社長は退職金をもらって、のうのうと生きている。こんなことを認めてはならない。福島の人々は毎日、政府によって暴力が振るわれているのだ。原発事故を引き起こした責任を取らせなければならない。彼らを恐怖させよう。人々の声を集め、行動していこう」と怒りをこめて訴えた。 つづいて、被ばく労働問題と題して「被ばく労働を考えるネットワーク」のなすびさんが発言した。なすびさんは、収束・除染作業労働者に対する労働相談などの取り組みを報告した。争議の一例として、毎日十二時間労働を強いられ、「もう体が動かない」と訴えると即日解雇と即時の宿舎退去を通告されたことをあげ、このようなことがまだまだ行われている実態を暴露した。これに対して、春闘の取り組みとして統一要求をつくり、東京電力と前田建設に対して要求書提出行動を取り組んでいることを報告した。その上で、なすびさんは「労働条件が劣悪なだけではない。被ばくを前提とした労働だという問題がある。収束作業現場では作業員の0・3%は死ぬことが予定されている。現場では三千人の労働者が作業しているから毎年三人は死ぬということだ。まったく非人間的な労働環境が今も続いている」と現実を暴露した。そして、「収束作業をしている労働者の多くは福島の人々だ。廃炉作業-放射性廃棄物管理は、世代を越えて長期間、続けていかなければならない。だから、収束作業を急げといわないでほしい。労働者の安全を第一に慎重に作業しろと要求してほしい」と訴えた。 次に全国キャラバンとして福島からデモ行進を続けてきた「フクシマ連帯キャラバン隊」が集会場に合流し、壇上に登場した。福島から来た参加者は「事故はまったく収束してない。全原発の廃炉を求めていこう」と訴えた。 つづいて原子力発電に反対する福井県民会議の松下照幸さんが再稼動問題について発言した。松下さんは「大飯原発の再稼動のとき、大飯町議会は『苦渋の決断』といった。原発立地地域では再稼動問題が経済問題となり、先を見通せず不安になっている現状がある。しかし住民の本音は脱原発だ。その先端を切りひらいていきたい」と決意を明らかにした。 最後に鎌田慧さんが「安倍政権は再稼動に突き進もうとしている。とくに川内原発が狙われている。三月末には規制委が安全審査の決定を出そうとしている。そのときには抗議行動に立ち上がろう」と国会前での行動を呼びかけた。 集会終了後、集会参加者はデモ行進に出発した。日比谷公園から東電本店にむかい、銀座を通って東京駅付近までのコースだ。デモ隊は、東電本店に対して原発事故の責任を追及し「再稼動を許さないぞ」とシュプレヒコールをたたきつけ、最後までデモ行進を貫徹した。 |
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