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     3・8 福島

   原発のない福島を!

   
福島、郡山、いわきの3会場で集会
       


 
 東日本大震災と福島第一原発事故から三年目を迎える三月八日。「原発のない福島を! 県民集会」が郡山、福島、いわきの三会場で、約五千三百名を集めた。郡山のメイン会場・「ユラックス熱海」は、粉雪が舞い、横なぐりの強風がふく、寒気に見舞われた。収束しない原発事故や放射能汚染が生活と心身を破壊しつづける事態が三年つづき、さらに永続化している福島。たんたんと怒りが語られ、復旧にむけた出口のみえないなかで、闘いの決意が述べられた。あきらめや忘却と闘いながらである。これに連帯するべく、多くの人々が全国各地から3・8福島集会へ結集した。改憲・戦争国家化にばく進する安倍政権は原発輸出、再稼働策動も強権的に進めている。これをなんとしても阻止する反原発の闘いが、各地で進んでいる。我々も、政治運動指導委員会によって、再稼働阻止の現地での大衆実力闘争を担っていく方針を確認した。
 郡山のメイン集会の概要は、次のものであった。
 主催の旅館ホテルなど同業組合から、「福島県民の足下から、原発の全廃棄へむけ、県民の総意をしめそう」と開会宣言。今回の集会の後援には、双葉地域の八町村(浪江町、葛尾村、双葉町、大熊町、富岡町、川内村、楢葉町、広野町)も加わる。「放射能汚染は改善されない。全国的な風化がすすむなか、県民の脱原発の思いは強固となり、年々、よびかけや後援が増える。全原発の廃炉の要求実現を。国と東電に正当な賠償責任を果たさせよう」と、呼びかけ人が訴えた。「避難の苦しみ。災害関連死が約千六百人。被災三県で突出して多い。二日に三人が死んでいる福島の現状。農業もできない。土壌汚染。旅館などのきびしい再生に取り組み、役場では過重な労働がつづく。現場では被曝しながら復旧。原発事故地域では百ミリシーベルト以上の被曝に労働者二千人以上も」。こんな酷い情況のなかで、安倍政権が各地で再稼働を策動し、福島第二原発の再稼働もねらわれていると、呼びかけ人は抗議し怒った。「福島は原発と縁を切る」「県民のすべてで、原発のない地域社会をつくろう」と締めくくった。
 作家の大江健三郎さんは語った。「原発事故後、原発にダマされたという話が出た。これは戦争直後、戦争にダマされたと多くの人が語ったのと同じ」「安倍政権は、原発再稼働を策動し、安全だと再びダマしている」と、弾劾。「原発について、人間は克服できないことが言われなくなっている」「次の世代の子どもが世界で生きていくために、過去の、根本問題をゆずってはならない」と提起し、福島の経験や現実の汚染問題を、脱原発にむけ、世界に発信しようと訴えた。
 郡山市長、福島市長、いわき市長のメッセージ紹介。
 原子力資料情報室の澤井正子さんが、「福島第一原発事故の現状」を暴露する小講演。福島第一から吹き出た放射性物質の汚染範囲の動きがプロジェクターで示された。首都圏はもちろん、中国・四国地方にも放射性物質は拡散した。巨大な地下水脈のながれが大量の汚染水を発生させ、止められない構造。冷却水を大量に投入し、この汚染水も膨大であり、貯水タンクが増え続けながら漏れ、これも止まらない。崩壊した原子炉は高い線量で、人が近づけない。ロボットも壊れる。炉心溶融した燃料はいまだにどうなっているか不明。四号炉の冷却プールの使用済み燃料棒は低温のものが取り出されはじめたが、高温のものも多く、さらに困難。収束せず、コントロール下に無い。澤井さんは「事故は続いていること、原発は危険であること、人間には制御できないこと」と報告をまとめた。
 諸アピールでは、浪江町から子どもとともに避難した人。続いて、喜多方で有機農法をやっている人。さらに除染労働者が、一万円の特別手当のピンハネを許さず、全国一般のふくしま連帯ユニオンとともに闘い、成果を勝ち取ったこと、その後、解雇攻撃を受け、解雇撤回をたたかっていること、「労働者は人間なのだ。生きる術をうばうな!」と、労組に団結してたたかうと報告。高校生の若者も訴えた。
 この日、全国各地で反原発集会が行われている。山口県での上関原発阻止集会の映像も流れた。北海道、京都、佐賀でも取り組まれたと報告。最後に集会宣言が読み上げられ、福島の原発全廃炉、東電の柏崎刈羽原発の再稼働阻止、国・東電へのあらゆる被害の賠償実施、こどもたちを放射能被曝からまもること等を確認した。
 福島現地の反原発闘争と連帯し、原発の再稼働・輸出をすすめる安倍政権を打倒しよう。



 

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