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■2・10 東京 経産省前テント裁判 二百名が結集し、傍聴席埋めつくす 二月十日大雪の後遺症もなんのその、地裁前には傍聴券を求めて二百名近くの支援者が駆けつけた。九十名あまりが傍聴席を埋め尽くした。冒頭に「被告人」とされている二人の意見陳述が行われた。正清太一氏は「国が福島の汚染水漏れを認めながら、なんの有効な対策をうっていない。テントから批判の声を上げ続けることが大事だ」とテントの存在意義を明らかにした。 渕上太郎氏は国の新エネルギー計画を批判しつつ、「このテントが不法占拠か否かの争いではない。原発廃止を望む圧倒的多数の民衆の声を国が受け止められるか否かが問題だ」と主張した。このオキュパイ(占拠)が民衆に許された当然の権利であることを明確にした。福島でいまだ続く汚染水漏れ、子どもたちへの甲状腺ガンの急増を弾劾し、被爆労働者の対策など、いま国が全力で取り組むべき問題を訴えた。経産省側は十数名の「原告団」で臨んでいながら、何の弁論もしないのは、まったくふざけた態度と言わなければならない。「テントを使用したいのなら、申請書を出せと」言い放ちながら、裁判を取り下げもせず、反論もしない。まさに正義の前に沈黙せざるをえないのだ。 安倍政権は、都知事選においても原発再稼動問題を避け、オリンピック誘致を前面に掲げ、福島になんの問題もないかのようにカモフラージュし、かつての自民党の敵、舛増を支援した。案の定、投票率は50%を切り、公明党の組織票に頼り切ったのだ。テント裁判は、この政府の欺瞞と怠慢を徹底的に監視し弾劾する場所なのだ。 その後の報告集会では、弁護団から重要な観点が提起された。一つはテントは三張りありそれぞれに所有者がおり管理している事実、ゆえに「占有者」が二人だけというのは事実と違うということだ。もう一つはこの経産省前テントは憲法二十六条の表現の自由にあたり、原発事故という極限の人権侵害を訴える手段としてオキュパイ(占拠)は認められるというもの。かつてのニューヨーク・ウォール街公園の占拠に見られるように、いまや国際的にも認められている表現手段であることが提起され、すでに主張が書面により提出されていることが報告された。 四回目の3・11が近い。テントは二月十日で八百八十九日になる。しかし事態は一向に変わってない。打つ手なしの安倍政権は、「積極的平和主義」と子どもだましのようなスローガンを振りかざして、「戦争国家」づくりへと暴走している。新自由主義は力でしか生き延びられない。安倍政権は労働者を犠牲にして生き延びようとしている。そんな中、原発再稼動と原発輸出は安倍政権の命綱の一つなのだ。原発や武器輸出でしか生き延びることができない安倍政権を許してはならない。 再稼動が急迫している。全国十七基の原発が再稼動申請している。しかしその担当窓口の原子力規制委・規制庁は、安全基準の審査といいながら、そのハードルを低くし再稼動申請を受け付けている。なによりも福島第一原発の事故の真相究明とその後の事故対策は何も進んではいないではないか。福島住民は棄民化政策にさらされ、高濃度放射能下での生活を強制されている。こんな原子力規制委はいらない。東電とともに徹底的に弾劾していこう。 |
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