共産主義者同盟（統一委員会）

■12・15　京都

　 米軍Ｘバンドレーダー基地建設反対に1200人結集

　　　基地建設予定地視察を機動隊が暴力的に妨害
　　　

　
　十二月十五日、米軍Ｘバンドレーダー基地建設に反対する「京丹後市・経ヶ岬に米軍基地はいりません　平和の叫び＆人間のくさり」という取り組みが京丹後市役所前で行われ、地元や関西一円から約千二百人が結集して大きく成功した。この取り組みは「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」が呼びかけ、このかん米軍Ｘバンドレーダー基地建設反対運動に取り組んできた諸団体による実行委員会の主催で行われた。
　これに先立つ十二月十二日、日米合同委員会は日本側から米軍への用地提供に正式に合意し、その図面を公表した。それは仮契約への同意を拒否した地権者の土地を除くものだった。小野寺防衛大臣は「二〇一四年内に米軍レーダーを設置する」と発言した。こうしたなかで、十五日の京丹後市での取り組みは、防衛省による用地取得に向けた激しい攻撃に抗する地権者や「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」をはじめ地元で基地建設に反対する人々に連帯し、日米政府の攻撃に対する断固たる反撃をつくりあげていくものとしてきわめて大きな意義をもった。
　関西ではこのかん米軍Ｘバンドレーダー基地反対・京都連絡会（緊急府民の会・南部連絡会より改称）に結集する個人・団体によって、現地でたたかう人々と連帯し、署名活動、京都府や防衛省近畿中部防衛局に対する申し入れ、市内での集会やデモなどが精力的に取り組まれてきた。さらに、十一月下旬には、米軍Ｘバンドレーダー基地反対・近畿連絡会が結成された。十二月十五日の取り組みへの参加は、近畿連絡会による最初の活動となった。
　京都市役所前での取り組みに先立ち、近畿連絡会に結集する参加者約百六十人は、京都と大阪からバス四台を連ねて、視察のために経ヶ岬の米軍Ｘバンドレーダー基地建設予定地にある清涼山九品寺（通称・穴文殊）に向かった。しかし、あろうことか、百人を超える機動隊が穴文殊に至る参道を封鎖して、基地視察を妨害してきた。参加者はこれを弾劾しつつ、国道から米軍基地建設予定地および自衛隊基地拡張予定地を視察した。
　近畿連絡会の参加者はその後、経ヶ岬の駐車場に移動し、ここで小集会をもった。大阪、滋賀、兵庫、京都など各府県からの参加者が、それぞれこの新たな米軍基地建設を阻止する決意を語った。また、東京から駆けつけた一坪反戦地主会・関東ブロックが連帯のアピールを行った。
　午後二時から行われた京丹後市役所前での取り組みは、リレートークで始まった。呼びかけ人のあいさつとして、米軍基地建設を憂う宇川有志の会の三野みつるさんが「九月十九日に知事の受け入れ表明がなされたが、府民の安全・安心は確保されていない。沖縄と同様にあきらめずに頑張ろう。子どもや孫たちのために。秘密保護法を撤回させよう。基地建設をストップさせよう」と訴えた。仮契約の段階から断固として土地の提供を拒否してきたある地権者の女性は、「先人の生活や文化を受け継いでいきたいと思ってきたが、黒雲が村をおおってしまった。百パーセントの安全・安心などない。巨大基地だけがある丹後半島にはしたくない」という匿名のメッセージを寄せた。基地建設予定地に近い中浜という地区で漁業を営む松田正信さんはそのメッセージで、「Ⅹバンドレーダーが海の生態系にどんな影響を与えるのか、何も示されていない。魚群探知機の電磁波でさえ魚は逃げてしまう。安直な政治的判断をすべきではない。次代の子供たちに、負の遺産を残してはならない」と訴えた。
　現地からはさらに上宇川連合区長の増田光夫さんが発言し、最後に「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」の永井友昭さんが米軍、防衛省、京都府、京丹後市に対する行動提起を行った。その後、参加者は京丹後市役所を取り囲む「人間の鎖」行動を行い、京丹後市内へのデモに出発した。
　防衛省はこの春にも基地建設工事を着工しようとしている。たたかいは重大な局面を迎えた。現地で反対の声をあげる人々に連帯し、なんとしてもこの新たな基地建設を阻止しなければならない。たたかいを全関西、全国へとおし広げていかねばならない。