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■10・20 三里塚 嵐の中、現地で全国集会かちとられる 十月二十日、千葉県三里塚において三里塚芝山連合空港反対同盟による全国総決起集会がとりくまれた。一時間に三十ミリという土砂降りをものともせず、全国から七百三十名の労働者や市民が結集し、反対同盟とともに集会とデモをたたかい抜いた。 本集会に先立って、統一委員会の同志たち、二期阻止全国共闘の仲間は前段集会をかちとった。それぞれの報告とともに当日の集会を最後まで闘いぬく決意を明らかにして、本集会に合流していった。 強い雨風が弱まる気配がない中で、萩原富夫さんの司会で、全国総決起集会の開始が宣言された。 まず北原鉱治事務局長がマイクを握り、多見谷不当判決を強く弾劾した。「この闘いの中で、多くの署名が集まった。仮執行することができないところまで敵を追いつめた」「四十八年の闘いに間違いなかったと断言できる」と三里塚闘争の正当性を再確認した。そして、「なぜ、農民を苦しめてまで空港建設を強行するのか。それは戦争をするためだ。安倍政権による戦争国家化を許さずたたかっていく」と国策と対峙してたたかいぬく決意を表明した。 連帯挨拶につづいて、市東さんが発言に立った。市東さんは、まず「多見谷の判決は不当だ。控訴してたたかいぬく」と闘う決意を表明した。そのうえで、「労働者や農民を犠牲にする安倍政権の政策は必ずぼろが出てくる。これを追撃しよう。福島や沖縄と結びついて、三里塚勢力こそが、たたかいの先端を切りひらいていこう」と檄を発した。 つづいて反対同盟顧問弁護団が発言した。弁護団は、多見谷不当判決の反人民性を暴露し、違法不当、違憲の判決だと徹底弾劾した。そして「多見谷判決を東京高裁で粉砕する」と控訴審をたたかいぬく決意を表明した。 市東さんの農地取り上げに反対する会につづいて、福島からの訴え、沖縄からの訴えが行われた。福島の農民は「放射能は見えないが、すべての畑を手放すしかなくなった。東電がにくい。農民は絶対に農地を手放してはいけない。原発には絶対反対だ。農地取り上げにも絶対反対だ」と訴えた。沖縄からは「市東さんの農地取り上げに反対する沖縄の会」として安次富浩さんらが発言に立った。安次富さんは、十万人の沖縄県民大会やオスプレイ強行配備に対する普天間基地ゲート封鎖のたたかいにふれ、「沖縄の怒りは変わらず続いている。安倍政権を打倒しよう」と訴えた。 そして全国農民会議につづいて共闘団体の発言だ。統一委員会からは反帝戦線の同志が発言に立った。まず、7・29多見谷不当判決を弾劾し、不当判決を粉砕するたたかいに反対同盟とともに決起する決意を表明した。さらに労働者人民の生活を破壊するTPPをはじめとした新自由主義政策、戦争国家化を進めようとする安倍政権と対決し、福島や沖縄と結びついて反原発・反基地闘争を推進していくこと、そして十一月AWC集会から13岩国闘争へ決起する方針を明らかにした。 集会のまとめとして萩原進事務局次長が発言に立ち、「市東さん農地裁判をたたかいぬく。これは全人民の結集軸となる闘いだ。多見谷判決がどれだけ犯罪的か、広く訴えていく」とし、「安倍は労働者人民に対して、全面的な攻撃をかけようとしている。戦争につき進もうとしている。ならば、われわれは全面的に対抗していかなければならない。その基盤はあるのだ。誰もが怒りを持っている」「創意工夫、知恵を出しあい、勝利に向かってたたかっていこう」と訴えた。 そして集会参加者全体でシュプレヒコールをあげて、デモに出発だ。コースは東峰地区を通って、裁判で焦点となっている市東さんの畑までだ。雨が降り続ける中をデモ隊が行進し、その上を航空機が着陸してくる。デモ隊は「農地強奪を阻止するぞ」「生活破壊を許さないぞ」とシュプレヒコールをあげて、最後までデモを貫徹した。 集会後、反対同盟と交流会 集会後に、赤池物流配送センターにおいて、萩原進さんを招いて、学生戦線の同志たちを中心に交流会が行われた。 参加者の自己紹介と集会に参加した感想を入り口にして交流会は始まった。 萩原さんは福島の人々との交流を例にとって「野菜を送り続けて、話をして三里塚現地に来てもらう。そして市東さんのことを知る」「もともと運動してなかった人が、ぽんと三里塚の集会にやってくる。これは大変なことだ」「そして発言を求めたら、止めてくれといっても止められない。それくらい訴えたい想いをもっている。そういう人がどんどん増えてきている」。そこから反原発や反基地の闘い、在特会などの排外主義の登場など、流動化した状況において、左翼運動のあり方や日本における農業の位置づけなど、話題は多岐にわたった。そして萩原さんは、「三里塚は、全国住民運動の司令塔といわれてきた。各地の闘いを再結合して、闘いをすすめていきたい」と語った。 市東さんの裁判で、権力は年内結審を狙っている。萩原さんとの交流会を通じて、われわれがどういう闘いを進めていくのか、いかに広範な陣形をつくって、実際に農地強奪を阻止することができるのかという課題が鮮明になった。 |
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