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     8・6 広島

   被爆68年、原爆ドーム前で青空式典盛大に開催される

  
  日韓共同で取り組む
   
    

 
 六十八年目の青空式典は学生団体「あすじゃ」による開会の言葉から始まった。原爆で亡くなった被爆者や被爆二世、戦争や災害で亡くなった方に黙祷をして被爆二世の会から基調を提起した。まず今年の青空式典は日韓の共同の取り組みとして行われていることを明らかにし、次のように述べた。「安倍首相は原発を世界に輸出しようとしいる。憲法を改悪し、集団的自衛権の行使を解釈改憲でできるようにして、戦争のできる国づくりを推し進めている。決して許せない」「広島・長崎の原爆被爆の過小評価を許さず、在外被爆者を含む全ての被爆者・二世・三世への国家補償に基づく援護を求めていく。こうした闘いは、福島の原発事故被災者の援護にもつながる問題だ。内部被曝や残留放射能の影響を過小評価すること無く、放射能の遺伝的影響も含めて、被爆者差別・障害者差別と闘いながら、国家補償に基づく被爆二世・三世の援護を勝ち取っていく」「この間、維新の会の橋下共同代表が日本軍『慰安婦』制度を肯定するような発言や、麻生副総理がナチスドイツのやり方を肯定するような発言をした。私たちは、このような侵略史観を許さず、アジア民衆と連帯して共に反戦、反核、反原発、被爆者・二世(三世)の国家補償に基づく援護の実現のために共に闘います!」。
 次に「あじあん」さんが歌を歌った。あじあんさんは歌の合間に「福山では八月八日に空襲があったため、八日に平和への取り組みが行われる。こちらにも参加して欲しい」と話された。
 韓国から届いたメッセージが紹介された。「今、国家権力を握っている者たちと資本家たちが語る核政策に対して、批判ばかりしている場合ではありません。立ち上がって闘わねばならない時です。本当の人類の平和のため、生命を救うためには核を廃棄せねばなりません。いかなる論理をもってしても、核を維持させてはなりません。帝国主義者たちが語る核の傘の平和とは侵略戦争のことです。新自由主義的な資本主義者たちが語る安くて安全な原子力発電所とは、彼らの利潤のために人類を破滅させることです」。
 続いて行われた各団体・個人からの発言では、AWC日本連、連帯労組・やまぐち、やまぐち障害者解放センター、岩国ユースアクションin関西(IYA)、被爆二世の会、憲法を活かす市民の会・やまぐちが、改憲反対、原発反対、核兵器廃絶、戦争反対を訴えた。AWC日本連は「安倍政権は日米安保体制を強化しようとしている。この間、沖縄の普天間に、いつ墜落してもおかしくない欠陥機オスプレイを強行配備した。昨日は、沖縄のヤンバルの地で米軍ヘリコプターの墜落事故も発生した。沖縄への配備と共に、この広島にも近い岩国基地でも、オスプレイが陸揚げされ、訓練拠点となっている。オスプレイの沖縄配備、沖縄の基地強化に反対し、何よりもアジア最大の軍事基地強化という形で進行する岩国基地強化にも、皆さんと共に反対していきたい。皆さんの取り組みにしっかりと連帯して、核のない、戦争のない、民主主義と生存権が保障された社会を作り出していきたい」と発言した。IYAは七月二十八日のサッカーの日韓戦で掲げられた「歴史を忘れた民族に未来はない」という言葉を引用し、この間の安倍政権批判を行った。そして「安倍首相は集団的自衛権を行使できるよう企図し、再び戦争の道へと進もうとしている。わたしたちの未来がまさに失われようとしている。IYAでは、戦争反対、基地反対の立場から、岩国の基地拡張に反対する署名活動を通して、岩国の基地問題を周知する活動を開始した。関西で若者の反戦運動を広げていく活動として、これからも活動を継続していきたい」と発言をした。被爆二世からの発言もあった。親の被爆体験、被爆者健康手帳取得の経過を述べた後「母親がよくいうのは、『私は手帳があるから、医療費がタダだから、何とか持ちこたえて生きていけている』と。でも東京電力福島第一原発の事故で被曝した人たち、これから被曝の影響が大きく出てくる世代の人たちは『どうなるんだろう』と。絶対に広島・長崎の原爆被爆者と同じような援護法、同じような援護施策がきっと取られなければならないということを彼女は確信していると思います。私も本当にそうだと思います。被爆二世の会に私が参加することで、そのような運動に自分自身も参加していくということを決意表明して発言に代えたいと思います」と発言された。最後に憲法を活かす市民の会・やまぐちが「アメリカはまず第一に日本に原爆を投下したことは間違いであったと、率直に心の底から認めて欲しい。それが無い限り、アメリカが原爆を正当化している限り、再び原爆が使われる、水爆が使われるということを我々は確認しなければなりません。そして日本政府もアメリカの核の傘の下にあるということで、本当に核兵器廃絶を訴えることができていません。日本はヒロシマ・ナガサキ・フクシマと、なんと核によって苦しみを受けたことでしょう。我々こそが、核の無い世界を作っていきましょう」と締めくくった。
 八時三十分より始めた写真展「戦争と被ばくを許さない写真展~命を脅かすもの~」には、いつも人だかりができていた。広島・長崎の原爆の写真、東京電力福島第一原発の敷地に放射能汚染水のタンクが並ぶ様子、オスプレイ反対運動、韓国共同式典のポスターなどを展示した。原爆被爆二世の援護を求める署名は百二十筆が集まった。署名をしながら「子どもが三人とも病気で心配」「被爆二世にガン健診もないのか?」などと話をする人もいた。
 二年前より式典の妨害に来ていた在日特権を許さない市民の会(在特会)が今回はこなかった。東京から、「しばき隊」も来ており、在特会は平和公園に入ることができなかったようだ。在特会は公園の外で「原爆ドームを解体しろ」「日本の核武装推進」「原発を再稼働させろ」などと叫んでいた。こうした発言に怒り、こちらの式典に来る市民もいた。
 安倍首相は八月六日広島、九日長崎で「私たち日本人は、唯一の、戦争被爆国民であります」と述べた。もちろん被爆したのは日本人だけではない。被爆者数約七十万人のうちの七万人が朝鮮半島出身者と言われている。他にも中国や台湾から来た人も被爆した。連合軍の捕虜も被爆した。安倍首相は八月十五日の式辞でもアジアへの謝罪がなかったことからみても、意図的に日本人のみが被爆したと言っているように感じる。
 こうした状況の中で日韓共同式典を開催できたことは意義深い。
 八月二十日、米国がまた新型核実験を行ったと報道された。 世界で唯一核兵器を使用した米国は未だに、日本の広島・長崎に原爆を投下したことを正当化している。米国に原爆の使用は間違いだったと認めさせ謝らせることが核なき世界への大きな一歩に繋がる。米国の核戦略に同調する安倍政権にはアジア侵略戦争は間違いだったと認めさせ、謝罪させる。それがアジアの平和に繋がる。皆さん、今後も共に闘いましょう!

                  (被爆二世の会会員より)



 

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