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■3月9-10日 各地 原発事故から2年、全国で反原発集会闘われる ●3・9 東京・明治公園 一万五千人が廃炉求める 国際連帯で反原発を 3・11東日本大震災と原発事故から二ヵ年を迎え、一連の三月九日には東京・明治公園で「3・9つながろうフクシマ!さようなら原発大集会」が開催された。主催は、「さようなら原発一〇〇〇万人アクション実行委員会」。会場にはアジア共同行動など首都圏だけではなく全国各地からもかけつけ、一万五千名の結集となった。 第一部のリレートークでは、福島をはじめ原発がある地域住民や各団体がリレートークをおこなった。福島から東京に避難している方が、「見捨てられて、忘れられて、そして死に行く村の姿というのは、今被災者が置かれた立場そのものではないのか。暗澹たる思いを禁じえません」「被災者救援の運動が今間違いなく求められていると確信している」と集団訴訟の取り組みを紹介した。 第二部では、集会呼びかけ人の発言と集会参加のために来日した韓国の環境団体「環境運動連合」共同代表のテ・ヨンスンさんが、国際的に連帯して脱原発をめざそうと呼びかけた。落合恵子さんは、「私たちは強く求めます。当然ながら廃炉を。そして一部の利益のために多くの人々が苦しむ社会そのものを変えていくことを」「フクシマは私たち自身なのです。沖縄が私たち自身であるように」などとアピールした。 集会後、二コースに別れてデモ行進をした。出発時、規制を強める警察に対して怒りを爆発させた参加者が不当にも逮捕されたが、デモ参加者は警察へ抗議の声を浴びせながらデモ行進を力強くおこなっていった。 ●3・10 東京・日比谷野音 自民党に責任を取らせよう 霞ヶ関抗議や国会請願デモ 三月十日午後一時、東京の日比谷野外音楽堂において「0310原発ゼロ☆大行動」の集会が開催された。この日、集会を皮切りにして、国会請願デモや、首相官邸、東京電力、財務省、Jパワー、文科省、経産省に対する抗議行動がたたかわれた。そして午後五時からは、国会正門前でふたたび集会が開催された。主催は、首都圏反原発連合だ。 日比谷野外音楽堂には、全国から多くの労働者・学生・市民が結集した。会場に入りきれない人たちは、日比谷野音の外に設置されたスピーカーから流れる集会の発言に聞き入っていた。 集会のはじめに、参加者全員で黙祷をおこない、主催者あいさつに立ったミサオ・レッドウルフさんが「原発事故に抗議し、反原発をたたかい続ける」と発言した。 福島からかけつけたNPO法人いわき市民放射線測定室の鈴木かおりさんは「除染や復興が宣伝されているが、食べ物からは放射線が検出され、汚染は収まっていない」と福島の現状を報告した。 さようなら原発一千万人アクションの落合恵子さんは、昨日開催された明治公園での「つながろうフクシマ!さようなら原発大行動」の報告をし、そもそも原発政策を推進してきたのは自民党政権であり、「責任者に原発事故の責任を取らせよう」と訴えた。 つづいて、原発をなくす全国連絡会、経産省前テントひろば、再稼動反対全国アクション、脱原発世界会議などから次つぎと反原発の発言がおこなわれた。 集会後は、国会に向けたデモが行われた。サウンドカーを先頭にしたデモ、子供づれのデモ、労組、市民団体などいくつもの隊列が組まれ、国会周辺をぐるりと周回するコースだ。デモの途中では、衆議院議員会館、参議院議員会館において、国会議員に対する請願もおこなわれた。 ●3・10 大阪、大津 3・9 京都 関西各地で労組・市民が総結集 大飯停止! 高浜再稼動阻止! 三月十日、「さよなら原発 3・10 関西二万人行動」が大阪の中之島公園で開催された。この取り組みは、十時三十分からの水上ステージでの若者・音楽広場、十二時三十分からの女神像エリアでの三分間アピールと集会、十三時からの剣崎公園エリアでの三分間アピールと集会という三会場に分かれた形で開催された。昼頃から冷たい雨が降り、真冬を思わせるような寒さのなか、三会場あわせて約一万一千人が参加し、関西における最大規模の反原発集会となった。またこの集会は、反原発団体と労組・市民運動が政党や流れのちがいを超えて総結集するという、大阪においては画期的な集会であった。 女神像前エリアでは、集会に先立って三分間アピールが行われ、若狭ネット、ストップ・ザ・もんじゅ、美浜の会、原発再稼動反対監視テント、とめよう原発!!関西ネットワークなどの各団体が次々と発言した。池島芙紀子さんの開会あいさつに続いて、福島から参加した武藤類子さん(ハイロアクション福島四十年実行委員会)が発言を行った。武藤さんは、福島原発事故から二年にあたって、原発事故は今もなお収束していないことをあらためて指摘した。そして、東京電力が放射能汚染水を海に流そうとしていること、原発で働く作業員に被曝が強要されていること、除染の効果は期待できず、除染作業員も被曝させられていること、甲状腺検査をした子ども十人から異常が発見されており、子どもたちの健康被害が心配なことなどを述べた。そして、福島では人々が分断され、ものを言うことが難しくなっているなかで、「生きる尊厳を奪う者に対して、命をないがしろにする者に対して、まっすぐに怒りを向けていこう」と力強く訴えた。KAYOさんの歌や集会決議の採択のあと、二万人行動の参加者は、御堂筋コース、関電コース、西梅田コースの三つにわかれてデモを行った。 関西においては、前日の三月九日に京都の円山公園野外音楽堂において「バイバイ原発 3・9きょうと」が三千五百人の結集で開催され、三月十日に大津市で「原発のない社会へびわこ集会」が開催されるなど、三月九日・十日を中心にして各地においてさまざまな集会や行動が行われた。安倍政権が公然と原発維持・再稼動推進を打ち出すなど、情勢は一年前とくらべても厳しいものとなっている。しかし、人々の反原発の願いは何ら変わってはいない。関西においては、全国で唯一大飯原発が稼動を続け、関電は次の再稼動の対象として高浜原発をあげている。大飯原発を何としても止めよう。大飯原発は、今年の九月には定期検査のために停止する。再びの再稼動を絶対に許してはならない。そして、高浜原発の再稼動を阻止しよう。 ●3・10 熊本市・辛島公園 川内の廃炉を求める 福島原発告訴団の訴えも 東日本大震災と福島原発事故から二年を迎える三月十日、熊本市中央区の辛島公園で「さよなら原発くまもと2013集会」が開かれた。午後三時からプレイベントの「3・11つながるライブ」がはじまり、関東から熊本に避難してきているミュージシャンなどが歌と演奏を繰り広げた。参加者も次第に会場を埋め尽くし、午後四時半からタレントのうんばば中尾さんの司会で集会が始まった。 はじめに集会の呼びかけ人代表で、田中正造研究者の小松裕熊本大教授が挨拶を行った。小松さんは田中正造の「真の文明は 山を荒らさず 川を荒らさず 村を破らず 人を殺さざるべし」という言葉を紹介しながら、「子どもと妊婦を大切にしない国に未来はない。戦前の軍部でさえ米軍の空襲がひどくなれば子供たちを疎開させたのに、政府は福島の子供たちを人体実験に差しだそうとしている。福島の子供たちを疎開させるべきだ。熊本は率先して福島の子供たちを受け入れよう」と訴えた。続いて呼びかけ人の田尻和子弁護士、熊本学園大学の堀正嗣教授からの挨拶があった。 司会者から本日の集会参加者は七百名という発表があり、なお発言は続いた。鹿児島県にある川内原発の差し止めを求める川内原発訴訟熊本原告団からは、今後さらに一万人の原告を集めて訴訟を続けるという決意が語られた。さらに福島や首都圏から熊本に避難してきている方からの発言が続き、福島の方は「3・11を風化させてはいけない。私は告訴団に加わりたたかっている。最後まであきらめない」と力強く訴えられた。 次に原発バスターズの創立者でもある日本キリスト教団の牧師一家が発言にたち、小学五年生と中学一年生、三年生の子どもたちがそれぞれ「原発廃炉の仕事は僕たちの世代に押しつけられる」「マスコミは多くの人が原発に反対しているのにそのことを正しく報道しない」など厳しい意見を述べた。 さらに水俣からの参加者などの発言が続き、最後に集会宣言を採択して市中パレードに移った。アーケード街を約三十分にわたり行進した。途中岩国にも登場した三メートルほどもある「ジャックスケリントン人形」が子供たちの注目を集めた。 昨年に比べて集会の規模は少し小さくなったが、原発推進を掲げる安倍反動内閣の出現に危機感を強める参加者の発言が目立った。今後さらにオスプレイの低空飛行訓練も熊本県内で始まろうとしており、反原発の闘いとつなげて発展させたい。 ●3・10 福岡市・冷泉公園 福島からの避難者もアピール 再稼動を許さないデモ行進 福島原発事故からまる二年を迎えた三月十日、さよなら原発!福岡集会(実行委主催)が二千人の労働者市民を集めて福岡市内冷泉公園で開催された。集会場では労働組合や反原発団体ののぼり旗や横断幕が林立する中で、思い思いのゼッケン、プラカードを手に持った若者や家族連れも多数参加していた。わたしたちはアジア共同行動日本連のチラシ配布や岩国支援の署名や缶バッジ販売など行い、反原発―岩国基地強化反対の呼びかけをおこなった。 集会では開会挨拶にたった実行委員会の仲間が、「大飯原発の再稼動を許したとはいえ全国で原発の運転をとめている。原発なしで生活していける。福島は終わっていない。福島の人々と結びつながっていこう」と訴えた。 次に福島からの避難者がアピールした。生活がままならない中で被曝の症状に直面し悩みながら、福島の人々が毎日の食料を地元から手に入れることができない状況に食料を送る活動をしていることを報告し、3・11以後も何も変わらない福島への支援を呼びかけた。次に福島出身のコーラスグループによる演奏とトークのあと、福岡県内の自治体と国会議員からのメッセージが紹介された。つづいて集会宣言に移り、特に安倍内閣の原発推進の政策―原発再稼動と新設、原発輸出に対し、地域・職場・学園から反対の声を上げていこうとの宣言案が満場の拍手で採択された。デモに出発する前、玄海原発訴訟弁護団より一万人原告の募集の呼びかけがあり、いよいよ市内デモに出発だ。二コースに分かれて出発したデモ隊に対し、途中在特会が悪罵を投げつける敵対を行ってきた。だが解散地点九電本社前とケゴ公園までのデモ行進に参加する市民も見られるなど、福島の人々への支援連帯の意思や原発再稼動への怒りはやんではいない。ともにたたかおう! ●3・10 北九州市・勝山公園 玄海の再稼動を許すな! 九電に対するデモ 三月十日、北九州・勝山公園において「―原発の再稼働を許さない―さよなら原発!3・10北九州集会」が行われた。アジア共同行動もこの日のたたかいを共にたたかい抜いた。 午前十時から、様々な団体・個人による出店とともにバンド演奏、学生による大道芸などが行われ、原発いらないという思いをそれぞれの形で表現し、集会を盛り上げていった。 午後一時からの本集会では、「広瀬隆さん・山本太郎さん」トークライブ、福島原発避難者からのメッセージなどが行われた。 トークライブでは、俳優の山本太郎さんは、現在のマスコミの報道のあり方を批判した。一万人規模のデモが起きても、マスコミが一切流さない、報道しないというなかで、広瀬隆さんが「正しい報道ヘリの会というのをつくった。でもこれからやっていかなければならないのは、マスコミが取り上げなければ仕方ないというくらいの規模の取り組みをしていく必要がある。原発がなくても電力は足りている。今動いている原発は、無理やり動かしている大飯原発の三・四号機の二機だけ。この二機を動かすために関西電力は八機の火力発電を止めてしまった。原発がなければ困ると言っているのはたった1%の人たちだけ。電力会社や三菱、東芝、日立、メガバンク、建設会社のためだけに、99%の人たちが生贄になっている。脱原発・脱被曝の声を大きくしていかなければならない。諦めるわけにはいかない。頑張っていきましょう」と訴えた。 その後、福島から避難している二人の方がアピールを行なった。「長い長い地震に大地にしがみつき耐えたことを昨日のことのように思い出します。想像もできないことが次々に起こりました。四号機の倒壊を心配してガソリンスタンドに行列ができる、そんな中に人々が暮らしています。最近報道されている甲状腺の異常。疫学的には明らかに子どもの甲状腺がんの多発と言える事態だそうです。今も被災中。そんな中で三年目を迎えようとしています」と涙をこらえながら現状を訴え、そして福島原発の責任を問う福島原発告訴団などでのたたかい、これらへの協力を呼びかけた。 集会後には、九州電力北九州支部と小倉駅との二コースに分かれデモ行進が行われた。青年による打楽器隊や若者による「原発いらない」「世界を変えよう」「九電変えよう」というシュプレヒコールでデモ隊も勢いづき、九電前ではさらに大きなシュプレヒコールとなった。 原発再稼働、新規建設を目論む安倍政権は、今夏にも玄海原発や川内原発、あるいは伊方原発での再稼働を狙っている。絶対に阻止していかなくてはならない。巨万の人民の力で、政府・ブルジョアジーのための再稼働を押しつぶし、すべての原発を廃炉にしていこう! 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