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■12・10 千葉 市東さん行訴・農地法裁判 逃げる空港会社を徹底追及 十二月十日、千葉地裁六〇一号法廷において市東さん行政訴訟・農地法裁判が開かれた。 開廷前、千葉地裁前においてビラまき、街宣車のマイクによるリレートークを行なった。 今回、反対同盟の萩原進さんが体調不良のため欠席することになり、予定されていた証人による証言はなしで行われた。 この裁判では市東さんの農地を明け渡すよう成田空港会社側が提出してきた土地の確認書、同意書、境界書がデタラメだったということが明らかになっている。また成田空港会社は旧地主藤崎氏と市東さんには無断で売買契約をしたその契約書自体が偽造だったということも暴露されている。市東さんは売買契約を知らずに地代を払い続けてきたのだ。 まず裁判冒頭、市東さんから「(成田空港会社が土地指定をしている)南台41―9は間違っているにも関わらず、不法耕作をしていると言っている。ふざけるな。何が不法耕作だ。これらを撤回し謝罪を求める」と成田空港会社側に怒りをぶつけた。 すかさず、弁護団は「南台の土地は市東さんは耕作しておらず、その土地を明け渡せというのはどういうことなのか。また明け渡しを指定している土地には市東さんのものではなく、反対同盟が所有しているやぐら、立看板が四つある。これらを所有変更して土地を明け渡せなどということはできないはずだ」と追及した。さらに、「農業、農地には公共性がある。人間が生きる上で不可欠なものであり、産業構造の基礎基盤、国民的な基盤をなしているものだ。これを変えるということは、農地法だけでなく、産業構造そのものを破壊することだ」「本来農民を守るべき農地法を悪用して、農地を転地転用することや市東さんの土地借用変更を行うことがどういう影響があるのか考えるべきだ。この裁判で農地、作業場を含め六〇パーセントもの土地を奪おうとすることは、市東さんの営農、生活する権利を破壊するものだ」との主張を多見谷裁判長、成田空港会社側にぶつけた。これらの主張はまさに市東さんが「金(補償費用一億八千万円)もらって出て行くなんて、しゃくだからね」「ここで大根一本作っていきたいんだ」と言っている農民としての誇り・尊厳、そしておじいさんの代から約九十年にわたるこの地での営農・生活する権利を主張するものであり、人間にとって不可欠である農業を軽視、破壊してきた成田空港会社またそれを主導してきた政府自治体を批判糾弾するものだ。 閉廷後の報告集会で市東さんは「成田空港会社は書類だけで済まそうとしている。本当にふざけている。来年はもっと攻防が激しくなるので、多くの人が現地にぜひ来て闘ってほしい」と訴えた。 遠藤弁護士の話では、千葉県が成田空港会社に対して騒音防止法を転倒悪用してお墨付きを与える内容の文書が出てきているということだった。成田空港会社は国際競争力の強化の名のもとに、LCC(格安航空会社)の積極誘致、二十二時以降の夜間便離発着回数の増便、そして強行的に第三誘導路を建設しようとしている。だましだましでつくってきたつぎはぎだらけの成田空港が今まさに地盤沈下していることを隠して、これらに成田空港会社の悪あがきとも言うべき経営方針が端的に表れている。こんなことで国民の利益が守られるわけがない、乗員・乗客・労働者・地域住民の安全、そして何より暫定滑走路の隣で生活する市東さんの生命・生活・権利が守られるわけがない。 今年度は、市東さんの裁判において土地の明け渡しが決定されるかどうかの大きな山場である。 来る二月四日市東さん行訴・農地法裁判=萩原進さん証人尋問の二回目が予定され、二月十八日には同裁判において市東さん本人尋問が行われる予定だ。多くの参加を呼びかける。 われわれは被抑圧人民連帯、農民連帯を掲げ、多見谷裁判長が指揮する拙速裁判国策裁判を粉砕し、全党的な決起で裁判闘争・現地闘争一体で成田軍事空港廃港まで闘っていこうではないか。 |
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