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     10・15 千葉

   市東さん農地裁判

   
ビデオリンク方式の証人尋問弾劾
 
         



 十月十五日、千葉地裁民事三部(多見谷寿郎裁判長)で市東孝雄さんの農地裁判の四回目となる証人尋問が行われた。証人である石指雅啓氏は、元国交省成田空港課長として市東さんの農地強奪策動の統括責任者として、全てを知る立場にあった重要証人である。ところが、多見谷裁判長は石指証人の勤務地の最寄りである神戸地裁でのテレビ会議方式による証言ということを突如持ち出して強行してきた。こうした証人隠し・国策裁判を弾劾すべく、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連は連日に渡って、千葉地裁・県庁前や千葉駅頭で情宣を行い、当日は裁判所を包囲・弾劾するデモをたたかって裁判に臨んだ。

 ●街頭情宣、千葉地裁へデモ行進

 正午から千葉中央公園で開かれた集会には、萩原富夫さんの司会のもと百十名が結集した。あいさつに立った北原事務局長は「千葉市民のみなさん。ふたたび反対同盟は市民のみなさんにふたたび訴えます。裁判所は現地のことを見ていない。違法な拙速裁判は今の政治の姿を示しています。これを根本から変えなくてはなりません」と市民に訴えた。弁護団からは葉山岳夫弁護士が「公開裁判の原則を踏みにじるビデオリンク方式は許されない」と千葉地裁を批判した。他に、動労千葉、神戸地裁前でビラまきを行っている関西実行委員会、群馬・市東さんの農地を守る会が発言をして、千葉地裁までのデモ行進に出発した。

 ●市東さん〝怒りを超えてあきれた〟

 午後一時三十分から千葉地裁民事三部で、石指雅啓氏の証人尋問がはじまった。石指証人はすべてを知る立場にある重要証人のひとりである。
 裁判の冒頭、裁判官忌避に対する最高裁の判断が出ていないなかで、ビデオリンク方式を強行した多見谷裁判長に対して、弁護団・傍聴席一体となって厳しく追及の声をあげた。証人尋問は、法廷内に二台の大型テレビを置いて、神戸地裁と千葉地裁を中継でつなぐというものだった。これでは証拠として出された数々の資料をきちんと見ることもできないし、当事者である市東さんの表情を見ることもできない。
 石指証人は「わが国の国際競争力の維持・強化のために滑走路の完成が必要」と、これまでの三名の証人以上に露骨な形で、市東さんの農地強奪に込められた国家意思を語ってみせた。さらに「話し合いはしたが用地取得のめどが立たないのでやむなく裁判に訴えた」「誠心誠意話し合いをしてご理解いただく」などと述べた。具体的なデータを使った弁護団の追及に対しては「ちょっと覚えていません」「記憶にございません」と言って逃げて回った。傍聴席は怒りに包まれ、少しでも画面の向こうの石指証人の伝わるように力の限り弾劾の声をあげ、四名が不当にも退廷させられた。
 四時間におよぶ尋問の後、きぼーる会館において伊藤信晴さんの司会で報告会が行われた。はじめに発言した市東孝雄さんは「怒りを超えてあきれたというのが感想だ。自分の知らないところで『話し合いをした』などと言っていることが本当にゆるせない」と述べた。弁護団は「用地取得の過程で様々な違法を重ねてきたことが明らかになった」「官僚答弁と『結論ありきの話し合い』で向こうは何十年もやってきた。一般社会では通用しない」「裁判長は国家権力のバイアスに負けている」「ビデオリンク方式を恒常化させてはならない」と解説した。
 最後に萩原進事務局次長が「黒野社長の反省・謝罪は口だけのものだった。ボタンの掛け違いと言ったが、空港を作ってからは何でもやってくるということを覚悟せねばならない」とし「もっともっと危機感を持ってほしい。どうやったら人を集められるのか、市東さんを守り抜くことができるのかということについて考えてほしい」と檄をとばした。
 空港会社の言い分は破綻している。それにも関わらず、千葉地裁は空港会社の肩を持つ訴訟指揮をして恥じないでいる。今こそ、全ての三里塚支援勢力が市東さんの農地と生活を守り抜くために、不退転の決意で決起していこう。次回期日は、十一月十二日月曜日の午後一時三十分から萩原進さんが証言に立つ。


 

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