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■9・10 千葉 市東さん農地裁判 千葉県農地課の渡辺証人を徹底追及 九月十日午後、千葉地裁民事第三部(多見谷寿郎裁判長)において、市東孝雄さんの農地裁判(行政訴訟第二十四回口頭弁論・農地法裁判第十九回口頭弁論)が開かれた。この日は、第三回目の証人尋問で、市東さんの農地の解約手続き(二〇〇六年)の際、千葉県農林水産部農地課の課長だった渡辺清一氏が証人として出廷した。渡辺証人は、〇六年七月に成田市農業委員会が異例の付帯意見を付けて「転用相当」の進達書を千葉県に送った時に、県の担当課長として書類を審査して農業会議に諮問し、会議では委員の質問に答える立場にあった人物だ。支援連絡会議は、昼前から千葉駅頭でのビラまき情宣を行い裁判にのぞんだ。 千葉県代理人の富田弁護士による形式的な尋問の後、反対同盟弁護団の尋問が行われた。小声でぼそぼそ答える渡辺証人に対して、弁護団と傍聴人が一緒に抗議した。さすがの多見谷裁判長も「語尾をはっきりと言ってください」とさとすほどだった。成田空港問題に関して、千葉県の農政がいかにていたらくなのかということを渡辺証人は自己暴露してみせた。弁護団の問いに対して「転用は農地法五条の例外」「調査はしていない」「補償金はじゅうぶんなはず」「空港会社が必要だというなら必要だ」と、とても無責任で不誠実な陳述を繰り返した。市東孝雄さん本人が直接「農地を取られるということは命が取られるのと同じなんだ」と尋問しても、「農地法に基づいて判断するだけ」と冷酷に言い放った。農業と農民を守ることを職責にしているはずの千葉県農地課が、逆に農民の農地を強奪して空港拡張と会社の利潤追求にうつつをぬかす成田空港会社のまさに手先となり奴隷となって、市東さんの農地取り上げに加担していることが明らかになったといえる。国策事業の名の下に農家が丹精込めて耕作する農地が、このようなずさんな手続きによって奪われることを許すわけにはいかない。 三時間半に及ぶ白熱した証人尋問の後、弁護団は次回証人の石指雅啓氏(元国交省成田空港課長)の尋問について、神戸地裁でのビデオリンク方式ではなく、千葉地裁での尋問(もしくは神戸地裁での出張尋問)を行うよう多見谷裁判長に対してあらためて要求をした。このかん、証人に助け舟を出すような訴訟指揮をしてきた多見谷裁判長はこれを拒否。やむをえず弁護団は「裁判官忌避」をたたきつけた。 裁判後、きぼーる会館で行われた報告会であいさつに立った市東さんは「『やっぱりおまえもか』という思いだ。書類があればなんでもできるのか」と怒りを表明した。弁護団からは「『許可相当』さえ出せば同意なしに農地を奪えるというのは憲法違反だ」「これまでの証人のなかで一番ひどい。破綻しているのに破綻を取り繕おうとする態度に怒りを覚える」「空港会社が『この土地がほしい』といえばなんでも判を押すというのか」「千葉地裁の証人隠しをゆるさずたたかう」と解説と決意表明がなされた。さらに、北原鉱治事務局長の「三里塚は健在です」という檄、動労千葉の滝口さん、関西実行委の山本善偉世話人、群馬の市東さんの会の青柳晃玄住職があいさつをし、最後に萩原進事務局次長が「全国のたたかいを爆発させるために10・7全国集会を大成功させよう」と全国集会への結集を呼びかけた。 |
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