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■6・25 千葉 市東さん農地裁判 NAAの手先・農業委員会山崎を徹底追及 六月二十五日千葉地裁で、市東さんの行政訴訟・農地法裁判が開かれた。八十名が傍聴に駆けつけ、市東さんとともに闘った。前回の裁判で反対同盟は集会・デモに起ち、千葉市民の耳目を集めた。今回も支援連が千葉駅頭でビラまき情宣、署名集めを行った。裁判の不当性を訴え、傍聴参加を呼びかけた。原発と空港は、「国策・公益・公共事業」の名の下に強引に建設されたという点で、日帝ブルジョアジーによる同じ攻撃である。原発再稼働と、新たな農地取上げを阻止することを訴えた。 この日の法廷は証人尋問で、二人目の証人として、〇六年当時の成田市農業委員会事務局長・山崎真一氏の尋問を行った。反対同盟弁護団は約三時間にわたり、農業委員会による調査・審議の不十分さを追及した。山崎証人は当時も今も、「NAAが絶対」という姿勢に貫かれた卑屈きわまる人物であった。「農業委員会は、市民の農地を守り、耕作者を保護することを使命とするものだが、その使命に合致していると思っているのか?」との質問に対し、「合致しているという気持ちでやっている」と恥らうことなく平然と答え、傍聴席には弾劾の声が満ちた。 成田市農業委員会に関わる経過は以下のようなものである。一九八八年、公団が南台の畑と天神峰の畑を市東東市さんに無断で地主(藤崎、岩沢)から買収。〇二年四月、暫定滑走路をむりやり供用開始。〇三年、NAAが畑を買収していたことを明らかにし、孝雄さんに明け渡しを求めた。〇五年五月、黒野社長の謝罪の手紙「東峰区の皆様へ」が届く。〇六年七月三日、NAAが成田市農業委員会に農地の賃貸契約の解約申請。十日、市東さん、萩原進さん、葉山弁護士、足立市議が農業委員会長に対して、「申請を受理するな」と申し入れ。同日、農業委員会が受理。十九日、農業委員会が現地調査。同日、第四小委員会がNAAの意見聴取。二十四日、第四小委員会が市東さんの意見聴取。同日午後、農業委員会総会で「転用相当」を決定。翌二十五日、異例の付帯意見を付けて県に送達。 南台の畑の一部が空港用地外にあり、この部分の解約許可をするには、知事の許可が必要だった問題については、「NAAからの説明のままに一体的に考えていた」。わずか三十秒ほどの実地調査。四一番八の土地は耕作していることを確認したと言う。四一番地九の土地について尋ねると、「耕作していたかどうか記憶が定かでない」NAAの申請書には〇三年に購入と記載、一方で登記簿には一九八八年に購入との記録がある。この明らかな食い違いについて調査しないのか尋ねると、「わかりません」「購入時期は重要な問題ではない」NAAに対して抗議したのか尋ねると、「していない」。賃借地の錯誤があるという市東さんからの指摘を認識していたが、無視して進めた。「あくまでNAAの申請にもとづいて」運営された小委の中で、市東さんの営農実態を認め、転用許可に反対する委員がいた。「付帯意見で『合意解約が望ましい』と書いてあるが、賃借地の齟齬を放置したままで『合意解約が望ましい』と言っても空論だ。土地が違うという主張に対してNAAに問いただすというのが、農業委員会としてのあるべき姿ではないのか」と尋ねると、「わかりません」。「どういう基準で転用相当の判断を出したのか」と尋ねると、「空港用地という観点です」。「結局成田空港に関してはNAAの言うとおり全てフリーパスなんですね、それはどういう認識からか」と尋ねると、「わかりません」。これに対し、「記憶の問題じゃないぞ」と抗議の声が上がった。弁護団とともに市東さんも尋問を行い、鋭く追及した。 反対同盟弁護団は四月二十三日付で、経済学の鎌倉教授ほか一名の証人を追加申請した。暫定滑走路の公共性、航空需要などから見て、成田空港は社会学的に再検討されるべきだという内容である。 最後に多見谷裁判長はどさくさまぎれに、十月に予定している石指雅啓証人をビデオリンク方式で尋問すると表明した。弁護団は皆、「絶対反対だ!」と抗議した。「裁判官の頭が下がってしまっている。NAAの主張を丸呑みにした訴訟指揮だ。公平にやってほしい」と訴え、進行協議を行うことを求めた。傍聴団も含め、多見谷に食い下がった。七月十七日の第三誘導路裁判の後に話し合いを持つことを約束させ、法廷を後にした。 場所を移し、報告会が行われた。 市東さんは「NAAと成田市のやり方をつくづく思い知らされた。なめ切っている。これからもどんどん声を出して闘う」と力強く述べた。 農業委員を務めた経験をもつ小川さんは、「番地とかが間違っていないか確かめるために総会でも必ず書類を出しているはずだ。でたらめきわまりない」と山崎証人を弾劾した。 萩原さんは、「TPP締結に向かう情勢の中で農業委員会がますます農地取り上げに加担している。農地をどんどん国のものにしようとしている。その動きは被災地に典型的に現れている。きたる七・八現地闘争に大結集して闘おう。その勢いで裁判における力関係を変えていこう。今日は裁判長の本性もあぶり出した。闘えば勝てる」と呼びかけた。次回尋問は九月十日に開かれる予定である。反対同盟の呼びかけに応え、現地闘争・裁判闘争を一体のものとして闘おう。 |
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