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■4・10 東京 PAC3沖縄配備強行糾弾! 防衛省緊急抗議行動に決起 朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)が地球観測衛星光明星三号をロケット銀河三号に乗せて打ち上げると発表したことを受けて、日帝―野田政権が沖縄(琉球諸島)と首都圏にPAC3迎撃ミサイルを配備し臨戦態勢を演出したことに抗議して、沖縄一坪反戦地主会・関東ブロックと日韓民衆連帯全国ネットワーク(日韓ネット)のよびかけで、四月十日夜、市ヶ谷の防衛省正門前で緊急抗議行動が取り組まれた。緊急のよびかけであったが、およそ三十名が結集した。 防衛省への抗議申し入れ行動の前に行われた正門前集会で、参加者たちは「野田政権は原発や消費税など自らの失策を『外敵』をつくることで乗り切ろうとしている」「ふたたび沖縄を戦場にすることはゆるされない」「民族排外主義を煽る共和国敵視政策をやめよ」と怒りをもって発言した。数々の団体・個人が申し入れを行った。防衛省側の受け取り担当は、地方協力企画課の進(しん)という職員だった。申し入れの後、シュプレヒコールと主催団体から「復帰四十年」の5・15に向けた行動提起がなされてこの日の行動は終わった。 ロケットもミサイルも搭載物が異なるだけで実質的に違いはない。日本政府とマスコミの論理を延長すれば、日本の人工衛星ロケットは全て「長距離弾道ミサイル」だ。共和国を批判する資格は日米韓を始め、ロケットを打ち上げている国にはそもそもないのだ。また、PAC3配備は辺野古新基地建設や与那国島への自衛隊配備への地ならしであり、大飯原発再稼動の批判をかわす煙幕でもある。反戦反基地闘争をたたかう沖縄民衆や朝鮮半島の自主的平和統一を目指す韓国・朝鮮民衆と連帯して、日帝―野田政権の戦争政策に反対していこう。 【資料】 4・10防衛省抗議要請文 防衛大臣 田中直紀 殿 日本政府は、朝鮮民主主義人民共和国の人工衛星打ち上げ計画を非難して臨戦態勢を作り出し、中国への軍事的威嚇をはらんだ上で朝鮮戦争突入体制づくりに大々的に利用している。戦争勃発につながりかねない日本政府のこうした危険な動きを私たちは強く批判する。 地球観測衛星光明星三号をロケット銀河三号で四月十二~十六日に打ち上げると今年三月十六日に共和国が発表した。これに対して防衛大臣は「弾道ミサイル等に対する破壊措置等の実施に関する自衛隊行動命令」を三月三十日に発令した。これに基づき、海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載したイージス艦「ちょうかい」「きりしま」(以上佐世保)「みょうこう」(以上舞鶴)が護衛艦と共に東中国海と日本海に、地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」(PAC3)が沖縄島二カ所・宮古島・石垣島の沖縄四カ所と首都圏三カ所に配備された。さらに陸上自衛隊員約七百人が、宮古島、石垣島、与那国島に送られた。名目は「被害確認」と「住民救護」だ。 だが、人工衛星打ち上げロケットは三段式で、一段目は韓国西方沖、二段目はフィリピン東方約百九十キロの太平洋に落ちる予定だ。人工衛星及びロケットの本体と部品が日本に落ちる可能性はほぼゼロだ。官房長官藤村自身が記者会見で述べたように、野田政権もそう認識している。にもかかわらず、「万々が一」に備える、という詭弁を持ち出した。そして税金無駄遣いの愚行を進めている。衆参両院も歩調を合わせて、すでに発射自制要求決議を挙げている。沖縄では全国瞬時警報システム(J―ALERT)の情報伝達試験を行い、不具合が続出しながら公務員労働者と住民を巻き込んでいる。 野田政権はまた、共和国に対する日本独自の制裁措置を四月十三日からさらに一年延長することを決めてもいる。 外交分野でも共和国包囲網をさらに強めるために動いている。防衛省と外務省が六か国協議関係国との間で連絡を取り、日米韓あるいは日中韓で「一致」したと報じられている。だが具体的な成果は何一つ上がっていない。米国は共和国批判では一致しているが具体的行動は起こさず日本任せ、韓国は発射の自制を求めることでは一致しているが、十一日の総選挙で人工衛星どころではなく、また日本の行き過ぎを懸念する声が政府内部から公然と上がるほど、今回の事態に脅威を感じていない。中国はむしろ日本の突出した行動とそれを許す米国に苦言を呈している。日本は国際的に完全に浮き上がっている。 住民の生命を守るつもりなど日本政府には一切ない。人工衛星ロケットの本体もしくは破片をPAC3などで撃ち落とせないことは当の防衛省・自衛隊自身が百も承知だ。パトリオットの射程は二十~三十キロだ。配置場所は自衛隊基地が中心で、住民を保護する予定はない。 落下するロケットの破片をミサイルで撃ち落とすと息巻く、国際的にも稀有な日本政府の蛮行に込められた狙いは何か。それは、第一に、「長距離弾道ミサイル発射」を連呼するマスコミを総動員して「北朝鮮の脅威」を煽り、虚構の戦時情勢を作り出して人民の意識を「北朝鮮叩き」の排外主義へ根こそぎ誘導し、沖縄基地問題・原発・消費税・TPPなどに関する政府批判を封殺することだ。そのためには韓国の御用通信社聯合ニュースの「消息筋」による核実験の動きという極めて怪しげな情報も流して「人工衛星の次は核弾頭化」というイメージを人民に植え付けることもためらわない。第二に、虚構の準戦時状況に沖縄人民を無理やり引きずり込み、自衛隊配備の必要性を承認させることだ。歴史歪曲教科書の正当化もこれとつながっている。第三に、中国に対する軍事的な威嚇であり、釣魚台諸島を必ず強奪するのだという決意表明だ。 ロケットもミサイルも搭載物が異なるだけで実質的に違いはない。日本政府とマスコミの論理を延長すれば、日本の人工衛星ロケットは全て「長距離弾道ミサイル」だ。共和国を批判する資格は日米韓を始め、ロケットを打ち上げている国にはそもそもない。 BMD統合任務部隊の指揮官である航空総隊司令官がもしも人工衛星ロケットの本体もしくは破片を打ち落とすために迎撃ミサイルを発射すれば、共和国はそれを戦争行為とみなし、反撃してくる可能性がきわめて高い。その意味で、今回の迎撃態勢は紛れもない戦争挑発行為だ。絶対に認められない。 われわれは防衛大臣に対し、三月三十日に発令した「弾道ミサイル等に対する破壊措置等の実施に関する自衛隊行動命令」を直ちに撤回することを強く求める。 二〇一二年四月十日 アジア共同行動日本連絡会議 |
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