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   9・24 大阪

 
「君が代」強制大阪府条例はいらん!

 「教育基本条例」阻止掲げ全国集会





 九月二十四日大阪の大東市立総合文化センターにて、「『君が代』強制大阪府条例はいらん!『教育基本条例』『職員基本条例』を許すな!全国集会」が闘われた。主催は「『日の丸・君が代』強制反対ホットライン大阪」と全国集会実行委員会である。
 本集会は大阪府知事橋下が今年十一月にでも提出すると言われている「教育基本条例」の成立を阻止するため、全国に呼びかけられた集会である。当日は集会妨害を画策する「在特会」や警察権力による重警備体制をはねのけて、全国から多くの闘う教職員・市民・労働者・学生が結集した。収容人数千人の会場がほぼ満席になり、熱気溢れる集会として貫徹されたのである。
 十三時からの開会前に「歌わせたい男たち」のDVDが上映された。このDVDは大阪の高校の演劇部が上演した模様を映像化したものである。「君が代」強制の現実が、ユーモラスな皮肉をまじえた演劇として再現されていた。
 集会は「『日の丸・君が代』強制反対ホットライン大阪事務局」による司会で開始された。
 各報告に先立ち、同事務局代表から基調報告がなされた。
 「橋下知事は『今の日本の政治に必要なのは独裁』(六月三十日のパーティーでの発言)だとし……十一月二十七日の知事・市長のダブル選挙に臨もうとしている」「敵をつくり出し、大衆の閉塞感や不満を解消する幻想で人気取りをするのは、ヒットラーのナチスと同じ手法である」と、橋下の手法がファシズムと同様の構造をもっていることを暴露し集会の基本的位置付けを明らかにした。
 次に東京大学教授の高橋哲哉さんからの講演がなされた。
 高橋さんは「この条例は教育に対する政治介入の禁止を取り払おうとしています」「知事による教育目標は上意下達で伝達・実行され、現場は知事のロボットになってしまう。『上官の命令は天皇の命令と考えよ』という天皇制に瓜二つです」「またこの条例では、校長と地域による『学校運営評議会』なるものによって教科書が採択されるようにしています。これは現場教員の教科書選定からの排除です。『つくる会』系のような教科書が採択される可能性が十分あります」「私はこの条例は『教育破壊条例』ではないかと思います」と批判した。
 続いて弁護士による条例批判がなされ、次に全国からの発言が行われた。
 北海道教組からは「通報制度」、通称「密告制度」導入に対する闘いの報告がなされた。次に東京から根津さんが登壇した。根津さんは自身の闘いの核心に触れながら、「君が代」強制反対の現場における闘いの重要性を提起していった。さらに「『日の丸・君が代』強制反対予防訴訟をすすめる会」の共同代表が裁判闘争の報告を行った。また、「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求め被処分者の会」の事務局が渡辺厚子さんとともに発言に立ち、継続して闘っていく決意を述べた。
 これら東京の発言に続き、神奈川、宮城、愛知の各地の現職・元職の闘う教職員が報告を行っていった。
 若干の休憩を挟みジョニーHによる音楽が披露され、続いて関西学院大学教授の野田正彰さんからの講演がなされた。次いで教員以外の保護者・学生・労働者からの発言が行われた。
 在日の女性と結婚している大阪の保護者は、「こんな条例が成立したら、当然子どもたちにも『君が代』を強制します。そしたら、僕は子どもたちに母親の国と日本の歴史をどのように教えたらいいのやろ、と悩んでしまう」と率直な思いを述べた。
 そして労働者の立場から大阪ユニオン・全港湾大阪支部の代表が発言した。「駅を降りてきたら右翼や『在特会』の連中が『愛国心のない非国民が……』と叫んでいました。でも『愛国心』とは何でしょうか。僕は排外主義者に『愛国心』を語る資格はないと思うんです」「橋下は知事選と市長選のダブル選挙に持ち込もうとしています。とりあえず、橋下や『大阪維新の会』の連中を落とすことが必要やないか。だから、反『維新の会』の統一戦線をつくる必要があるのじゃないでしょうか」と問いかけた。
 現場からの報告として、門真三中での「君が代」処分と闘っている教職員の闘いの報告や、ココロ裁判闘争の報告が行われた。また大阪の日教組で闘う教職員からは、大阪高教組において臨時大会を招集する決議を出させたこと等が報告された。
 集会は決議の採択を行った。「橋下知事は……政治権力を握るものの価値判断を『常識』とし、教育への政治介入を公然と掲げ、それに従えない者や成果を上げられない者を『府民への反逆者』として、教育委員会も校長も教員も、公務員もすべてみんなクビにするという」「条例案は、競争による選別と自己責任論を押しつけ、『弱肉強食』を府民に受け入れさせ『勝者』による『弱者』支配を教育理念にまで引き上げるものである」「こんな条例の成立を絶対に認めることはできない。私たちは全国各地から大阪に集まり……全国集会を開催した。私たちは、本日の集会を通じて行動への決意を固めた」という決議が満場の拍手をもって採択された。
 集会の最後に実行委員会から、①集会実行委員会を継続して教育条例成立阻止を闘う、②一万筆以上集まった署名の提出行動と記者会見をする、③「維新の会」による単独裁決強行を許さず議会傍聴行動を行う、④府議会議員との交渉・対話などの戦術を駆使し、またメール・ファックスなどによる大衆的圧力を加える、などの方針提起がなされた。この行動提起を全体で確認し集会は終わった。
 大阪府教育基本条例と職員基本条例の成立を許すな。闘う教職員と連帯し、全国で「君が代強制」大阪府条例成立阻止を闘おう!



 

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