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 ■3・4  大阪

 韓米合同軍事演習に抗議し領事館前行動



 二月二十八日から二ヵ月に渡って実施されている韓米合同軍事演習に対する抗議行動が、AWC日本連の呼びかけで三月四日夕刻に大阪アメリカ総領事館前で行われた。抗議行動が始まるや、9・11以降、米総領事館前に常駐している警察バスから出てきた警官隊が厳重に米領事館の警備を開始する。この日の抗議行動は、AWC韓国委員会や「平和と統一を開く人々(ピョントンサ)」、民主労総など韓国で連日展開されている抗議行動に連帯して取り組まれた。
 マスコミ報道では「北朝鮮の挑発」に備える防御演習であるかのように報じられているが、抗議行動の参加者たちは、連続する韓米・日米合同軍事演習こそが朝鮮半島の軍事的緊張を高める戦争挑発行為であることを異口同音に糾弾した。また昨年夏から開始された韓米合同演習への海上自衛隊オブザーバー参加が今回の演習でもほぼ確実な状況の中で、参加者たちは、軍事演習の強化が朝鮮半島情勢を悪化させ、それを口実に日米韓の軍事協力(日米韓の合同軍事演習まで言及されている!)をどんどん推進しようとしていることに危機感と怒りを強め、この問題は日本民衆自身の問題であると訴えた。今回の演習名「キー・リゾルブ」とは「解決の鍵」という意味だ。それをいうなら日米安保の破棄と駐韓米軍・在日米軍の撤収こそが朝鮮半島とアジアの平和のための「解決の鍵」だと強く主張した。
 AWC日本連はこの抗議行動と合わせて、米大使館や韓国政府、また毎年フォール・イーグル野外機動演習に参加する岩国米軍基地に対する抗議ファックス送付にも各地で取り組んだ。韓米連合司令部は内外からの「侵略演習」だという批判に対して、「米本土から展開する兵力のための事前備蓄装備列車輸送(三日)と京畿道抱川のスンジン訓練場で実施される米ストライカー部隊の実弾演習(七日)、沖縄嘉手納基地からテグ基地へ展開する兵力と装備(八日)などをマスコミに公開する予定だ」としているが、公開すればするほど侵略演習としての本質は明らかになる。抗議ファックス送付を続けよう!


  ●抗議文

 以下は三月四日、大阪米領事館前の抗議行動で提出された抗議文である。
 
 韓米合同軍事演習キー・リゾルブ/フォール・イーグルを直ちに中断せよ!
 自衛隊は韓米合同軍事演習への参加をやめろ!
 日米韓は朝鮮半島での軍事協力推進を全面中断せよ!

 二月二十八日から大規模米韓合同軍事演習が韓国全土で展開されている。戦時増援演習キー・リゾルブは三月十日まで、野外機動演習フォール・イーグルは四月三十日まで行われるという。米原子力空母をはじめ米軍一万二千八百名と韓国軍二十万人以上が参加する両演習は、朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)の体制転覆と共和国軍の壊滅を目的とした「作戦計画五〇二七」「作戦計画五〇二九」に基づいて共和国への直接侵攻・全面戦争から局地戦、共和国の急変事態まで朝鮮半島で起こりうるあらゆるシナリオを想定して行われる。その内容は、紛争地へもっとも迅速に投入される米軍ストライカー旅団と大量破壊兵器除去部隊などの攻撃戦力を中心に、ピョンヤン制圧・占領のための大規模上陸作戦、渡河訓練、市街戦訓練、加えて共和国の核施設と核兵器の奪取までを含んでいる。どこから見ても「防御演習」などではありえない文字通り侵略戦争の実戦演習である。
 そのような演習が実に二ヶ月以上にわたって、黄海および韓国全土で行われる。米国がいかに口先で対話を語っても、このような大規模軍事演習そのものが、共和国に対する戦争恫喝であり、挑発行為にほかならない。ロバート・ウィラード米太平洋司令官は、「数ヶ月以内に北の挑発に直面するおそれがある」などと公言しているが、その原因は自らが作り出しているのだ。
 このような米軍の朝鮮半島での軍事行動を支えてきたのは他ならぬ在沖・在日米軍と日本政府である。同演習では沖縄から増援部隊が送り込まれ、フォール・イーグル野外機動演習では毎回、米軍岩国基地からも戦闘機が飛び立ち三十八度線付近まで展開している。昨十一月二十三日延坪島砲撃事件発生直後に米原子力空母ジョージ・ワシントンが横須賀から黄海へと向い十一月二十八日から十二月一日まで米韓合同軍事演習が、十二月三日から十日まで日米合同軍事演習が連続して強行され、朝鮮半島と東アジアの軍事的緊張を極限にまで高めた。
 米韓両政府は例年三月に行う同演習を二月末に繰り上げた上で同時期に南北軍事会談の開催を提起することで南北軍事会談予備会談を決裂させ、あたかも共和国側が一方的に対話を拒否しているかのように描き出そうとしてきた。しかし朝鮮戦争六十周年の昨年一年間だけを見ても朝鮮半島で戦争挑発を繰り返してきたのは米韓両政府である。昨年の韓国海軍哨戒艦沈没事件はまさにこのキー・リゾルブ/フォール・イーグル演習期間中、韓米連合軍が合同して展開する最中に起こったものであったにも関わらず、米軍は一切の真相究明責任を果たそうとしないどころか、韓国政府はその責任を一方的に共和国に押し付け、米・日・韓はこれを口実として軍事同盟関係を一挙に強化しようとしてきた。
 自ら作り出した軍事的緊張状態を口実に、日米韓の軍事協力がこれまでになく加速されている。昨年七月の韓米合同軍事演習には自衛隊が初のオブザーバー参加を行い、延坪島事件直後の日米合同軍事演習には韓国軍が初めてオブザーバー参加している。今回の韓米合同軍事演習に先立って横須賀米海軍基地を拠点とする米第七艦隊スコット・バンバスカーク司令官は、今後の韓米合同軍事演習においては、NLL(北方限界線)によって一触即発の状態にある黄海への米空母の派遣を継続すると強調するとともに、昨年に続き韓米合同軍事演習への自衛隊参加、および日米合同軍事演習への韓国軍参加を強く要請し、海上自衛隊側は調整がつけば今回の演習にも幹部のオブザーバー派遣を行うと明言した。米軍の演習参加規模は徐々に縮小している一方で、日韓間の軍事協力は拡大しており、同司令官は日米韓による合同軍事演習まで公然と要求している。
 朝鮮半島への自衛隊の派兵は菅民主党政権自身の熱望でもある。延坪島砲撃事件以降、民主党政権は、朝鮮半島有事の邦人救出を口実に自衛隊機派遣を持ち出し、韓国との間で「物品およびサービス相互提供協定(ACSA)」や「韓日情報保護包括協定(GSOMIA)」の協議を推進している。これは日韓軍事同盟そのものだ。また韓国ハンナラ党を中心に戦術核兵器の韓国配備要求が高まっており米ホワイトハウスのセイモア軍縮・大量破壊兵器担当調整官が「韓国が米国に戦術核兵器の再配置を公式要求すれば、米国はこれに応じる」と述べるという危険千万な話まで出てきている。これら日米韓の実質的な軍事協力の加速化を通じて、朝鮮半島での大小の戦争危機が恒常的に進行している。
朝鮮半島平和のための対話を再開するには、何よりもまず侵略的な韓米合同軍事演習を直ちに中止すべきである。また軍事協力の名の下で恒常的に推進されている米日韓の危険な軍事行動は朝鮮半島のみならずアジアの平和を脅かすものであり、全面的に中断することを強く求める。私たちは新たな朝鮮戦争を絶対に阻止する。

             二〇一一年三月四日

               アジア共同行動日本連絡会議



 

 

 

 

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