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  ■10・9  東京

  沖縄・自衛隊基地の強化許すな

  一坪・関東ブロックが集会



 釣魚台周辺で海上保安庁の船に中国の漁船が衝突し、漁民を逮捕したことを契機に、中国脅威が煽たてられ、九月二十日には、陸上自衛隊の定員を現在の十五万五千人から十六万人八千人へと、実に一万三千人を増やすという報道がなされた。その増員は沖縄への配備で、沖縄の自衛隊が十倍近くにも一気に膨れ上がることになるのだ。
 そのような急展開の事態の中で、「沖縄・自衛隊基地の強化を許さない10・9集会」が、十月九日夜、東京の文京シビックホール・会議室で沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックが主催して開催された。
 メインスピーカーは、与那国からかけつけた、田里千代基さん。田里さんは、九月十二日の町議選で、与那国への自衛隊基地の配備反対を掲げて初当選している。
 「現在、町の人口は千六百七名だが、一万二千人のときもあった。それは与那国が台湾との交通があったときで、町は栄えていた。台湾との交通がなくなってから、人口の減少傾向に歯止めが利かない。交通がなくなると、流通経済が行き届かなくなる」「自立へのビジョンを進めるべきところを町長が自衛隊を持ってくるという意味は、『万策が尽きたので自衛隊しかない。人口減少に歯止めが利かない。企業を呼んでも来ない』という安易な考え。なぜ六十四年間、基地がなかった島に基地を持ってこようとしているのか理解できない。安全保障というのは軍隊だけでできるもんじゃない。多面的な外交が必要。国境政策がない。自衛隊で地域が活性化した事例はない。台湾との交流が地域の安全保障にもつながる。軍隊ではなく海上保安庁で十分可能だし、双方に刺激を与えない。民間の交流が進めば、軍も入りにくい」「『我が島に自衛隊を絶対に入れない』という盛り上がりができれば、いくら国といえども入って来れない。地域が盛り上がるためにもみなさま方のエールが、支援がいただければと思っている。ぜひいっしょに闘っていただければ幸い」と訴えた。
 また、琉球新報記者の滝本匠さんが「沖縄の自衛隊の動向」と題して発言した。
 集会では、「沖縄の自衛隊強化の実態を知り、武力で平和は作れない、軍隊は住民を守らないことを再確認し、沖縄における自衛隊配備強化の流れを阻止すべく、今後闘い続ける」という決議を参加者で採択した。
 最後に、集会で終わらせることなく、政府・防衛省へ抗議要請をしていくこと、そしてこのような米軍再編と自衛隊の強化を許さないためにも、十一月知事選に勝利しようと訴えられた。

 沖縄自衛隊の強化

 沖縄の自衛隊強化の動きは、この釣魚台事件で始まったわけではない。その状況を集会の呼びかけ文を引用して簡単に明らかにする。
 「今年、三月には第一混成が第十五旅団へと格上げし、千八百人から二千百人へと増員しました。また、『復帰』後、はじめてライフルなどによる本格的な実弾射撃訓練や米軍演習場での実践訓練も始まっています。一方、宮古、石垣、与那国での自衛隊基地の強化と新たな配備がおこなわれようとしています。
 すなわち『米軍再編』による軍事基地の日米共同使用だけでなく、沖縄では自衛隊の独自強化が一挙に進められているのです。
 防衛省は、〇四年の防衛計画大綱で、中国への警戒を強め『島嶼部に対する侵略への対応』を新たな役割として初めて打ち出し、沖縄の宮古島以西も重視し始めました。民主党政権で開かれている『新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会』でも宮古島以西への自衛隊配備が提言されています。さらに、来年二〇一一年度の概算要求に宮古島以西への部隊配備にむけた調査費、第十五旅団の偵察隊や通信隊、化学防護隊を強化し、離島に独立的に派遣する斥候班を増やす、地対空誘導ミサイルのPAC3化や中距離地対空誘導弾(中SAM)の新規導入、離島侵攻を想定した実動訓練を陸自と空自が行う経費などの予算が盛り込まれ、陸上と航空の自衛隊を中心に強化しています。
 とくに注目するのは、『敵軍の動静や敵地の地形などを密かにさぐりに行く』斥候班を増やしたり、陸上自衛隊の普通科(歩兵)連隊の一部を、米海兵隊をモデルとする『水陸両用部隊』に改編し、占拠された離島に海から近づいて上陸・奪回したり、後続部隊のための陣地を確保したりする機能をもたせることです。防衛の名のもとに、他国に上陸して突撃する能力を持つことになります。
 さらには、建設しようとしている辺野古新基地でも自衛隊常駐による日米共同使用を求めていることが明らかとなりました」。
 まさしく、自衛隊はここ数年にわたり、中国を仮想敵国として沖縄への新たな配備と増強をしてきている。釣魚台事件を利用して一挙に進めようとしているのだ。沖縄戦における日本軍に対する沖縄人民の怒りと不信を踏みにじり、またもや沖縄を最前線基地へと化そうとしているのだ。
 沖縄・自衛隊の強化を許さない闘いを沖縄人民、アジア人民と連帯して取り組んでいこう。


 

 

 

 

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