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 ■7・30  大阪

  住民代表招き岩国連帯関西集会開かれる



 七月三十日午後六時三十分からエルおおさかにおいて、「岩国基地大強化反対!愛宕山に米軍住宅はいらない!7・30関西学習交流集会」が開催された。この集会は、昨年六月十三日の同趣旨の集会につづく、二回目のものであった。主催は、10岩国・労働者反戦交流集会実行委員会とアジア共同行動日本連絡会議の共催、しないさせない戦争協力関西ネットワーク(シーサーネット)の協賛であった。岩国からは、昨年に引きつづいて、愛宕山を守る市民連絡協議会世話人代表の岡村寛さんを招いて集会は開催された。会場は、立ち見の参加者を含めて約百二十人の結集で満杯となった。
 集会は、司会を担当したユニオンぼちぼちの南守さんの開会あいさつから開始された。つづいて主催者あいさつを労働者反戦交流集会実行委員会を代表しておおさかユニオンネットワークの垣沼陽輔さん、アジア共同行動日本連絡会議を代表して共同代表の白松哲夫さんがおこなった。垣沼さんは、労働運動の立場から岩国のたたかいに連帯することの重要性を訴えた。白松さんは、アジアからの米軍総撤収に向けて、沖縄・岩国・神奈川の闘いの結合をもって米軍再編と対決しようと呼びかけ、とりわけ西日本では岩国のたたかいに支援と連帯を強化しようと訴えた。
 次に五月二十三日に岩国駅近くの公園で開催された岩国大集会の記録映像が上映される。豪雨のなかで四千人が結集したこの集会は、かつての自公政権と同じように普天間基地の辺野古移設や岩国基地大強化・愛宕山米軍住宅建設を推進する鳩山政権(当時)に対する怒りに満ちたものであった。同時にこの集会では、沖縄、徳之島、神奈川から参加した代表が次々と発言し、米軍再編と対決する各地のたたかいの連携がさらに強まっていることがはっきりと示されたものであった。
 つづいて、この五月二十三日の集会で主催者を代表して冒頭の発言を行った岡村さんが講演をおこなった。岡村さんの講演は、要旨、以下のものであった。岡村さんはまず、厚木基地の米艦載機移駐などによる岩国基地強化と愛宕山米軍住宅建設をめぐる経過を報告した。
 井原市長のもとで米艦載機移駐に反対する岩国住民投票に勝利し、二〇〇七年十二月の「怒りの一万人集会」など大きな闘いが組織されたが、政府の介入のもとで二〇〇八年の市長選挙において惜敗した。愛宕山を守る会を結成し、十一万人を越える米軍住宅建設に反対する署名を集めたが、期待した鳩山政権は二〇一〇年度予算において米軍再編関連費用を予算化し、米軍住宅建設のために愛宕山開発跡地買い取り費用百九十九億円まで計上した。署名を集め、集会を行い、政府への申し入れ行動をくり返しても、鳩山政権は民意をくみ取ろうとはしなかった。このようななかで、今年の初めから岩国の住民運動のなかでは「もう実力行使をするしかない。座り込みをやろう」ということが議論されてきた。
 この座り込みの準備をかねて、七月十七日から十九日まで愛宕山を守る会で沖縄を訪問した。沖縄では、辺野古で安次富さんらと交流し、伊波宜野湾市長とも話をした。沖縄では、民意は米軍基地反対だが、行政は賛成という構造が続いてきた。しかし、鳩山政権のもとで沖縄はひとつにまとまってきた。名護市長選挙での勝利につづいて、今年の秋には県知事選挙がある。統一戦線を組んでたたかえば、反基地の知事が誕生する。知事は、辺野古移設のために不可欠な公用水面埋め立て工事の認可権限を持っている。知事選に勝てば、辺野古移設阻止の闘いは勝利できる。沖縄の人々は、中国や日本とはちがう独自の歴史・文化をもつウチナンチュだ。正義を貫けば必ず勝てる。
 岩国でも、辺野古のオジー・オバーの闘いに学び、八月から愛宕山での座り込みを開始する。準備は簡単ではない。座り込み場所を確保するための地主との折衝が必要だが、まだ交渉中だ。いっそ、愛宕神社の敷地でやろうかとも思う。辺野古での座り込みは八年、上関原発に反対する祝島では二十八年の闘いとなってきた。岩国も粘り強く頑張る。岩国住民の愛宕山米軍住宅建設を絶対に許さないという意思を示し、全国に発信していくための座り込みへの支援をお願いしたい。岩国ではまた、陸・海・空・テーブルの裁判と呼ばれる四つの基地訴訟が闘われている。弁護士費用もちゃんと払えていないような現状であり、これへの支援もぜひお願いしたい。岩国は、長い間、基地と折り合いをつけてやってきた。しかし、基地にともなう助成金に頼って生きていこうとしても、決して豊かにはならない。ともに頑張りましょう。
 この講演をめぐって質疑が行われた。「座り込みの開始をめぐってどのような支援が必要なのか」という質問に対して、岡村さんはまず檄布を送ってくれるように要請した。
 カンパ要請につづいて、集会参加団体からのアピールが行われた。全港湾大阪支部からは、五月の沖縄平和行進に参加した青年からの発言が行われた。また、協賛団体であるしないさせない戦争協力関西ネットワークを代表して、共同代表の中北龍太郎さんが発言を行った。最後に、主催二団体を代表して、瀧川順朗さんが集会のまとめと十二月四日・五日の岩国集会への総結集を呼びかける発言をおこない、集会をしめくくった。
 この7・30関西学習交流集会には、平日夜の大阪での集会であったにもかかわらず、関西の各府県から多くの労働者・市民、青年学生が結集した。この集会の意義は第一に、岡村さんの講演を通して、岩国住民のたたかいの新しい局面がはっきりと提起されたことにある。昨年夏の政権交代と鳩山連立政権の誕生に、岩国の住民も大きな期待を寄せたが、それは裏切られた。そのなかから、岩国の住民は愛宕山での座り込みという「実力行使」(岡村さん)を開始するという決断を行った。岩国のたたかいは、まさにこのような実力闘争をも内包したものへと大きく前進しようとしているのである。集会から約二週間後の八月十一日、岩国の住民は座り込みの要綱を決定した。「愛宕山開発跡地見守りの集い」という名称で、愛宕神社前公園において、八月二十一日(土)から開始する。毎月の一のつく日(一日・十一日・二十一日)の午前十時から十二時まで座り込みを行い、思いを語り合い、連帯を広げていくための集会を行うというものである。責任団体は、愛宕山を守る会である。また、岡村さんの講演で、沖縄の闘いに連帯し、沖縄・岩国・神奈川の闘いの結合をもって米軍再編と対決するという志向がより鮮明に打ちだされたことにある。この志向は、五月二十三日の岩国大集会でもはっきりと示されたものであったが、岡村さんをはじめとした愛宕山を守る会の七月沖縄訪問は画期的な取り組みであったと言える。愛宕山を守る会は、地元の自治会をも含めたほんとうに地域に根ざした住民団体である。そのような住民団体が沖縄を訪れ、辺野古の闘いと交流し、辺野古のように闘おうと決意を固めたのだ。
 集会の第二の意義は、関西において岩国連帯の闘いをさらにおし広げていくことができたということにある。関西では、岩国・労働者反戦交流集会実行委員会とアジア共同行動日本連の連携した努力によって、岩国の闘いへの連帯が積み重ねられてきた。昨年初めの山口県都市計画審議会への共同申し入れへの賛同署名、愛宕山米軍住宅建設に反対する署名などが取り組まれた。そして、昨年の6・13集会に引き続く7・30集会の成功をもって、岩国の闘いへの連帯は関西の労働運動・市民運動、青年学生運動のなかにさらに広がってきている。とりわけ、連帯労組関生支部や全港湾大阪支部、全国一般全国協の各労組をはじめとした左派労働運動に根ざした取り組みとなってきたことの意義は大きい。愛宕山での座り込みの開始に連帯して、八月二十日には大阪の防衛省・出先機関に対する抗議・申し入れ行動も取り組まれる。座り込みへの檄布の送付、岩国基地訴訟への支援と傍聴など、さまざまな取り組みを推進していかねばならない。
 集会の第三の意義は、十二月岩国集会に向かう流れを大きくつくりだしたことにある。今年の岩国集会は、十二月四日(土)・五日(日)に開催される。四日には、岩国・労働者反戦交流集会などの階層別企画やフィールドワーク、五日にはアジア共同行動日本連主催の岩国国際集会や岩国基地へのデモが予定されている。昨年十一月の岩国集会には、関西から百人に近い労働者・市民・青年学生が結集した。7・30集会の共催団体のひとつであるアジア共同行動日本連は、九州・山口実行委員会を先頭に岩国の闘いへの日常的な支援と連帯に取り組み、またアジアからの米軍総撤収に向けて国際共同闘争を推進し、沖縄・岩国・神奈川の反基地闘争の連帯をもって米軍再編と対決する闘いの発展に貢献してきた。同じく共催団体のひとつである岩国・労働者反戦交流集会実行委員会は、岩国の闘いへの連帯を労働運動のなかにおし広げ、岩国現地での労働者反戦交流集会を開催するとともに、反戦反基地を闘う労働運動、労働者反戦闘争を再生していくための独自の結集体として奮闘してきた。このようなアジア共同行動日本連や岩国・労働者反戦交流集会実行委員会の闘いを断固として支持するとともに、市民運動・青年学生運動・女性運動などをも含めて十二月岩国集会への総結集を実現していこう。



 

 

 

 

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