共産主義者同盟（統一委員会）

　■５・28　沖縄

　日米共同声明弾劾　名護市民集会に1200名

　五月二十八日、鳩山はオバマとの電話会談の後、普天間基地の移設先を「名護市のキャンプ・シュワブ辺野古崎地区と隣接する水域」とする日米共同声明を発表した。そして、臨時閣議を開き、この日米合意を政府方針とした。現代の「琉球処分」の屈辱的な日となった。断じて許さない。
　沖縄では当日午後六時半より、名護市役所中庭広場において千二百名以上の名護市民が結集して、「『辺野古合意』を認めない緊急名護市民集会」が開かれた。緊迫した情勢を反映したかのように開会の頃から激しい雨が降ってきたが、名護市民の怒りは押しとどめようもない。傘という傘には「怒」の赤スッテッカーが。定刻には庁舎のピロティまで一杯になり、続々と駆けつける市民で膨れ上がった。
　さっそく集会実行委員長を務める稲嶺進名護市長が登壇した。市長は開口一番「今日は屈辱の日を迎えた」「合意発表で怒りは頂点に達している」「沖縄はまたしても切り捨てられた」と厳しく鳩山を弾劾し、「民意をないがしろにする地方自治の侵害」「民主主義の否定」と怒りを露わにした。そして「名護に新たな基地はいらない」「辺野古移設は断固反対する」「この闘いに勝利することが真の地方自治、地方主権、そして日本に民主主義を取り戻すことになる。この場からまた闘いを始めよう」と集まった市民に檄を飛ばした。会場の市民は一体となり、そうだ、異議なし、闘うぞ、と掛け声を飛び交わせ、満場の拍手で応えた。
　つづいて決意表明だ。若者代表の酒井満さん、女性代表・具志堅千鶴子さん、辺野古からは、當山佐代子さんと嘉陽宗義さん、二見以北から渡具知武清家族が発言した。発言者はそれぞれ、この十四年間の、市民分断の苦しい葛藤についてふれ、鳩山政権の裏切りを糾弾し、稲嶺市長とともに絶対阻止しぬく決意を明らかにした。
　集会は最後に、「国土のわずか０・６％の沖縄に在日米軍の74％の負担を六十五年間も押し付けた上、さらに新たな基地を押し付けようとする『辺野古合意』は『沖縄差別』そのものである」と厳しく弾劾し、「名護市に新たな基地はいらない」「辺野古への移設に断固反対する」「『辺野古合意』の撤回を強く求める」決議とアピールを全体の拍手で採択した。そして、豪雨を吹き飛ばすガンバロー三唱を名護市内全域に響かせ、緊急市民集会を戦闘的に終えた。
　この日は、名護と呼応し那覇においても、基地の県内移設に反対する県民会議主催の「普天間問題の日米合意を糾弾し、辺野古移設を決して許さない五・二八緊急県民集会」が那覇市内県民広場において開かれた。集会には千八百名余の労働者・市民が結集し、国際通りのデモを展開した。怒りのシュプレヒコールが響き渡った。
　鳩山は、日米合意に反対し閣議署名を拒否した福島瑞穂消費者担当相を罷免する暴挙も強行し、社民党は連立政権を離脱した。なりふり構わず帝国主義的本性をむき出しにして、新たな「琉球処分」を打ち下ろした鳩山政権を断じて許すな。