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 ■2・10 沖縄  

  
新基地建設阻止・名護市長選に勝利したぞ!

  刷新会議が団結総会開く発言する稲嶺名護市長




 勝利だ!名護市長選に勝利した。一月二十四日執行の名護市長選挙において、「辺野古、大浦湾の美しい海に新しい基地はつくらせない」「市政変革」をかかげて闘いぬいた稲嶺ススム氏が、大激戦を制し基地容認派の現職市長を破り見事当選をかちとった。
 今回の名護市長選勝利は単なる選挙、一地方自治体の選挙勝利の意義にとどまらないことは言うまでもない。辺野古への新基地建設阻止・米軍再編粉砕の重要な政治闘争であった。何よりもこの勝利に大打撃・大衝撃を受けたのが、鳩山政権だ。官房長官・平野は、「市長選の結果は斟酌に値しない」とあからさまに敵視し、「(地元と国が)合意しているかは別問題」だとして、法的強制での新基地建設強行もちらつかせる有様だ。首相・鳩山や防衛大臣・北沢も「ゼロベース」「政府が本来決めること」と辺野古移設案を排除しないことをことさら強調する。ふざけるな。「日米同盟堅持」「安保抑止力」にしがみ付く鳩山政権を断じて許せない。
 二月十日、市長選勝利!刷新会議・団結総会が名護市内で開催された。結集した仲間たちは皆、一月二十四日投開票日の勝利の余韻もそのままに、はちきれんばかりの笑顔だ。それは、一九七七年の名護市民投票以来十三年間、当時の比嘉鉄也市長による市民投票結果否定・基地受入れと辞任から始まった民意と政治のねじれ、基地とリンクした「振興策」の幻想と苦悩、まさに暗く重い「閉塞的現状」を、今まさに労働者・市民の団結と英知の結集で打ち破った自信と誇りにあふれる笑顔だ。そればかりではない。刷新会議に結集した仲間にとっては、二十四年目の「市政奪還」の勝利の感動でもあった。
 二月八日の市長就任・初登庁を受け、団結総会に参加した稲嶺名護市長は、「十三年かかったが、やっと新基地反対の民意が改めて示せた。新年度予算も改めて精査し、市政においても政権が変わったことを政策実現で示したい」と不動の決意をのべ、満場の拍手を浴びた。そして、次々に登壇した発言者は、この市長選勝利を新たな起点に、辺野古への新基地建設断念まで一致協力して闘いぬくことを訴え、全体の意思として決意を固めた。
 稲嶺ススムさんと共に名護市政を刷新する市民会議、略称「刷新会議」は、「新基地建設反対」「市政刷新」を結集軸に結成されたヘリ基地反対派の選挙闘争母体である。県議・市議、名護市職労を先頭とする労働組合(労組政策推進会議)や北部地区労OB会、命を守る会や二見以北十区の会などの住民団体で構成され、独自の事務所を設置し選挙戦を展開してきた。
 刷新会議は、名護市長選勝利へ新たなステージを構築し、大きな原動力となった。何よりも、昨年十一月六日の結成総会の場において、稲嶺ススム氏は声明文を発表し、「辺野古、大浦湾の美しい海に新たな基地は造らせない」「『名護市に新たな基地はいらない』という信念を最後まで貫く」と、明確に新基地建設反対の立場を共有したことは重要であった。刷新会議の闘いによって、今名護市長選挙の政治的位置が、改めて辺野古への新基地建設阻止・普天間基地の県内移設反対であることが明確になったのである。
 それは同時に、白を黒と言いくるめ、党利党略のみで分裂・敵対を繰り返してきた日共の路線的敗北を決定的につきつけ、労働者人民の奔流を生み出す力となった。またこの力は、告示当日に選挙事務所めがけてデモを組織し、反共謀略ビラや「日米安保堅持・辺野古新基地賛成」なる反動ポスター、宣伝カーなどであらゆる妨害を繰り返してきた幸福実現党(幸福の科学)の右翼排外主義者の敵対も粉砕してきた。まさに、階級攻防戦の高揚期に立ち現れる社会排外主義・民族排外主義との組織戦にも打ち勝ったのである。
 その意味でも今回の名護市長選の意義は、大きな政治戦の勝利である。この間、名護市民・沖縄人民は、命を守る会・ヘリ基地反対協を先頭とする辺野古現地での断固たる実力阻止闘争の継続を背景に、SACO路線を粉砕し、米軍再編攻撃と真っ向から対峙してきた。辺野古への新基地建設反対、基地の県内移設反対、普天間基地の即時閉鎖・撤去の闘いは、沖縄と沖縄人民の未来をかけた、まさに自己解放闘争として、日米両帝国主義の軍事基地隷属・差別軍事支配を打破する闘いの最重要環としてある。そして、海上ヘリ基地案、軍民共用案、沿岸案、そして現在のV字型案など、形を変えて襲い掛かる日米両帝国主義の新基地建設攻撃を一貫して粉砕してきた。
 同時に、持続的な現地闘争、広範な反基地闘争を根拠とし、選挙という一つの政治の場においても新基地建設阻止を基軸に大衆闘争としての沖縄人民要求を実現してきた。
 〇七年七月の参議院選挙では、沖縄選挙区で野党統一候補の糸数慶子氏が現職自民党候補を破り勝利し、基地の県内移設に反対する県民会議共同代表の山内徳信氏も参議選で当選を果たし、自公政権に打撃を与えた。また〇八年六月の県議会選挙では、新基地建設反対派が県議会多数を占め、七月には初の「名護市辺野古沿岸域への新基地建設に反対する意見書・決議」をかちとった。そして、昨年八月の衆議院選挙では、沖縄全選挙区で新基地建設反対派が勝利し、自公政権打倒の大きな奔流を生み出した。まさに、沖縄人民大衆の広範な反戦・反基地闘争の押し上げによって、民主党など既成政党も沖縄基地問題・辺野古新基地建設問題を第一級の政治課題にせざるをえなくなっているのである。
 昨年、二万一千名もの大結集でかちとられた「十一・八辺野古への新基地建設と県内移設に反対する県民大会」が、オバマ来日・日米首脳会談という政治日程に対する沖縄人民の政治闘争として組織されたことにも示されるように、日米両帝国主義の沖縄差別軍事支配を打破し、真の沖縄解放を勝ち取るためには、安保粉砕・日帝打倒・米帝放逐という政治路線での決起が改めて問われている。
 問題の本質は、普天間基地の「県内移設」か「県外・国外移設」か、ではない。大阪府知事・橋下は、「沖縄県民の負担軽減のため」と美辞麗句を並べ、関西空港への「移設賛成」をぶち上げ、関西空港の軍事化、侵略反革命拠点への露骨な転換を推進しようとしている。まさに、今問われているのは、米軍再編が日米軍事再編としてあることの本質を確認し、岩国・神奈川をはじめ、「移設候補地」として挙げられたすべての地域で反対・阻止の闘いを組織化し、沖縄―「本土」を貫く米軍再編粉砕・日米軍事一体化粉砕の一大政治闘争を巻き起こすことだ。それが、改定安保五十年を迎えたわれわれ労働者・人民の回答である。
 沖縄現地での闘いはまだまだ続く。辺野古基地問題の裏で、SACO路線の最後の環たる高江ヘリパット建設攻撃が強まっている。防衛省は、前代未聞の不当極まりない住民の座り込み行動に対する「通行妨害禁止仮処分」に続き、本訴訟を提起し、七月にも工事を強行する動きだ。自公政権の末期的断末魔攻撃を鳩山政権は受け継ごうというのだ。それは、不当な国策攻撃に対する住民の当然の抗議を、司法という国家権力まで介入させて弾圧を仕掛けるという、全国の住民運動・闘争への真っ向からの敵対でもある。相次ぐ米軍人・軍属による事件・事故に対する日米地位協定の改訂要求もおざなりにされている。歴史教科書検定問題も居直っている。
 名護市長選勝利を起点に、われわれは断固進撃する。5・15沖縄解放闘争―5・16普天間基地包囲闘争の大爆発・大勝利で、新基地建設反対・名護市長選勝利の歴史的意義をさらに拡大していこう。

 

 

 

 

 

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