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 ■11・12 三里塚「仲戸川裁判長は実地検証を行なえ」と訴えるデモ

 天神峰現闘本部裁判

 反対同盟を先頭に140名結集




 十一月十二日、千葉地裁民事第五部にて天神峰現闘本部裁判第二十三回口頭弁論が開かれた。反対同盟を先頭に百四十名が結集し、裁判闘争をたたかい抜いた。

 この裁判の重要な論点として、木造の現闘本部が存在するのかしないのかが争われている。そうした中で、反対同盟はもとより、空港会社までもが実地検証を求めているにもかかわらず、裁判長・仲戸川は実地検証を行わずに結審へ持ちこもうと突き進んできた。この実施検証の拒否をはじめとして、証人尋問の拒否や忌避申し立てに対する妨害など、仲戸川の常軌を逸した訴訟指揮を徹底的に弾劾し、その責任を追及するべく、反対同盟は十一月四日に弾劾裁判所の訴追委員会に仲戸川裁判官罷免の訴追請求を行った。

 一方で空港会社は、最終弁論直前の十月二十九日になって「訴状訂正の申し立て」という形をもって、明け渡し対象地を約八・九坪拡大したいと主張した。通常の民事訴訟では、請求金額を五百円から千円に増やせば「訴えの変更」として扱うのが原則となっている。今回空港会社が申し立てたのは明け渡し土地面積の拡張変更である。したがって、「訴えの変更」の手続きをとらなければならない。しかし、この手続きをとれば、反対同盟の認否反論の機会を保障しなければならない。つまり、予定されていた十一月十二日の最終弁論は先延ばしになる。しかし、十一月十二日で結審という方針を崩したくない空港会社は「訴状の訂正」で乗り切ろうとし、裁判長・仲戸川はこれに積極的に荷担し、民事訴訟法の原則を踏み破って反対同盟の防御権を剥奪したのだ。

 反対同盟と弁護団は十一月十一日に、裁判の最終段階における暴挙を断固粉砕するために、千葉地裁に四度目の忌避申し立てを行った。「裁判官の忌避」という問題の性格から、仲戸川本人がその当否を判断することは許されないはずだが、これまでの忌避申し立てでは仲戸川自身が申し立てを引き取り、却下を連発してきた。今回は千葉地裁民事第一部に申し立てる事を明確にしたが、民事第一部は民事第五部と「協議」し、結論としては仲戸川自身が却下してきた。仲戸川ただ一人の暴走ではなく、千葉地裁がその暴走を追認し、加担してきたのだ。

 この一連の事態を断固として許さず、反対同盟は十二日当日、午前九時から千葉市中央公園で集会、千葉地裁に対するデモを行い、裁判に臨んだ。まず反対同盟弁護団は、空港会社による「訴状の訂正」の扱いについて仲戸川を追及した。しかし、仲戸川は「訂正」で済むと主張し、反対同盟の認否反論の機会が奪われている点については「この場で認否してください」と暴言を吐いた。防御権を保障するためには、空港会社の主張を吟味し、訴えの変更内容を確認するためにも、それにふさわしい時間が確保されなければならないはずだが、仲戸川は、全く認めなかった。仲戸川は上っ面の形式は整えられるとして、その実、反対同盟の防御権―反論の機会を奪ったのだ。

 しかし、このような反動的訴訟指揮に対して、北原事務局長が意見陳述を行い、弁護団全員が弁論を行ない、予定時間よりも一時間超過した。北原さんは、結審間際の「訴状訂正申し立て」と防御権の剥奪、最重要証人の喚問と実地検証の拒否、裁判官罷免請求など、現闘本部裁判の全般にわたる反対同盟の見解を表明し、仲戸川を追及した。この北原事務局長の陳述を受けて、弁護団は個別の問題について掘り下げた精密な弁論を展開した。法廷には、反対同盟・弁護団・傍聴席が一体となって、仲戸川を批判・弾劾する声が絶えることなく続いた。その一瞬の空隙をついて、仲戸川は判決期日二月二十五日を宣言し法廷から出て行った。

 裁判後の報告会において、北原事務局長は「二月二十五日の判決で屈するのではなく、たたかいはまだまだ続きます。反対同盟は四十三年にわたって、刑事でも民事でも、いくつもの裁判をたたかってきました。現闘本部裁判でもそうだが、今の世の中に展望は無いが、それは作り出すしかない。それが三里塚のたたかいです。判決が出ようが出まいが、三里塚闘争の展望はわれわれ反対同盟自身のたたかいで切り開いていきます」と発言した。萩原事務局次長は「やはり最後まで国策裁判だった。こうした裁判では、部分的勝利などありえません。仲戸川もそれを自覚して攻撃をかけてきていました。今回の裁判では、われわれの主張の正義を全面展開する中で、仲戸川の悪行を暴露するたたかいを展開できました。今後、どのような判決が出ようとも驚きません。なぜなら、空港会社の主張、仲戸川の暴挙が、どうやっても正当化できないところまで追い込んだからです。だからこそ、仲戸川は、こちらが説明を求めれば、結審すると恫喝をかけてきたりしたわけです。これから現地での闘いもあります。現闘本部のたたかいを、市東さんのたたかいと一体のものとして、さらに皆さんとともに発展させていきたい」と述べた。

 次回、判決は二月二十五日午前十時半から行われる。反対同盟とともに、現闘本部破壊を許さずたたかい抜こう。



 

 

 

 

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