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 ■9・19 滋賀

 日米合同演習反対!あいば野で集会

 労働者・市民600名が結集

日米合同軍事演習反対闘争(滋賀県・饗庭野)


 九月十九日滋賀県高島市住吉公園で「日米合同演習反対!9・19あいば野集会」が開催された。

 「フォーラム平和関西ブロック」と「'09あいば野に平和を!近畿ネットワーク」の共催による集会には六百名の労働者・市民が結集した。

 滋賀県高島市の陸上自衛隊饗庭野(あいばの)演習場では、十月上旬から下旬に十回目の日米合同軍事演習が強行されようとしている。

 饗庭野演習場は、一八八六年(明治一九年)から陸軍の演習場として利用され、琵琶湖西岸の広大な台地に演習場が広がっている西日本最大の演習場である。現在、自衛隊陸上自衛隊今津駐屯地と航空自衛隊饗庭野分屯基地の二つの基地が設置されている。今津駐屯地の門には「第十戦車大隊」「第三戦車大隊」の文字が見え、饗庭野分屯基地には第四高射群第十二高射隊(パトリオットに対応する部隊)が配置されている。ここに今年四月二十八日未明、住民への説明も連絡もなく抜き打ち的にPAC3ミサイルが強行配備されたのだ。

 現在PAC―3の配備は、首都圏の第一高射群高射隊(入間、習志野、武山、霞ヶ浦)、高射教導隊・第二術科学校(浜松)及び第四高射群第十三高射隊、第十四高射隊(白山)、第十五高射隊(岐阜)そして饗庭野を合わせて、全国九カ所。さらに本年秋 には芦屋(福岡)、築城(福岡)、高良台(福岡)に配備される予定である。その配備に費やす費用は、当面一兆円、最終的には六兆円を越えるといわれている。昨年九月に横須賀に強行配備された原子力空母ジョージ・ワシントンを管制塔とする米軍のミサイル防衛計画と結合して沖縄嘉手納のPAC3(米軍)をはじめ、日本全国に配備されるPAC3は日米軍事一体化のシンボルともいえるものである。昨年九月には航空自衛隊がアメリカで迎撃試射実験を行い、今年四月には共和国のロケット発射実験に際してPAC3での迎撃態勢をとるなど、まさに集団的自衛権の行使そのものの憲法違反を強行してきた。

 饗庭野演習場には、二〇〇六年に国内二番目の規模の都市型戦闘訓練施設が完成した。この施設には、銀行・レストラン・ビルディングなどを模したコンクリート製の建造物とそれらをつなぐ地下道がある。都市の武力制圧とゲリラ掃討作戦を訓練するためのものである。毎年数千人の自衛隊員が近接接近訓練を行なっている。また、日米合同演習でも、イラク戦争体験者の米軍兵士が自衛隊員を訓練する、実践さながらの合同演習が繰り返されている。まさに日米軍が一体となって戦争のできる部隊を作り上げる最先端の基地・演習場となっている。

 一九八六年に日米地位協定にもとづく米軍使用地(年間六十日まで)に指定された饗庭野演習場では、過去九回に渡って日米合同演習が繰り返されてきた。

 一回目は一九八六年十一月二十四日~十二月七日、演習に参加した部隊は、陸上自衛隊第三十五普通科連隊(名古屋・守山六百十名)と米海兵隊第三海兵連隊第一歩兵大隊(沖縄五百五十名)。二回目は一九八八年十一月十九日~十二月一日、陸上自衛隊第三十七普通科連隊(大阪・和泉五百四十三名)と米海兵隊機動展開部隊(沖縄六百二十名)。三回目は、一九九一年十一月二十二日~十二月四日、陸上自衛隊第七普通科連隊(京都・福知山七百三十名)と米海兵隊第三海兵連隊第一歩兵大隊等(沖縄六百八十七名)。第四回目は一九九七年十一月四日~十七日陸上自衛隊第四十六普通科連隊(広島・海田七百名)と米陸軍第二十五軽歩兵師団第二―五歩兵大隊(ハワイ四百八十名)。五回目は一九九九年十月二十七日~十一月六日、陸上自衛隊第三十三普通科連隊(三重・久居七百五十名)と米第四海兵隊第三海兵連隊(カリフォルニア八百名)。六回目は二〇〇〇年十一月二日~十八日陸上自衛隊第十五普通科連隊(香川・善通寺約七百五十名)と米陸軍第二十五軽歩兵師団第一―二十七大隊(ハワイ約八百名)。七回目は二〇〇三年十月二十七日~十一月九日、陸上自衛隊第三十六普通科連隊(兵庫・伊丹八百名)と米第三海兵師団第四海兵連隊(沖縄八百五十名)。八回目は二〇〇六年二月十九日~三月三日、陸上自衛隊第八普通科連隊(米子市約三百五十名)と米海兵隊第一―二十三予備役大隊(テキサス約二百五十名)。九回目は二〇〇八年十一月二十八日~十二月十七日、陸上自衛隊第十七普通科連隊(山口約二百五十名)と米海兵隊第三十一海兵機動展開部隊(沖縄)。となっている。今回十回目の人員規模や訓練内容などは不明だが、二〇〇九年十月上旬~下旬、陸上自衛隊第三師団第七普通科連隊(京都府福知山市)とアメリカ陸軍第四十二歩兵師団第一―六十九歩兵大隊(ニューヨーク州兵)の訓練になると報じられている。昨秋の合同軍事演習から十カ月を空けない演習である。

 饗庭野での演習の頻度が高まっていることは、米軍再編の中で、最も重要な要素である米軍の作戦行動の中に自衛隊を組み込んで一体の行動がとれる部隊へと鍛え上げていく過程の進行を意味している。全国の反戦・反基地を闘う勢力の総力を挙げて、このような日米軍事一体化の実績作りを粉砕していかねばならない。

 今回の「日米行動演習反対!9・19あいば野集会」は昨年に引き続き、「フォーラム平和関西ブロック」と「'09あいば野に平和を!近畿ネットワーク」の共催で闘われた。饗庭野での日米合同軍事演習、PAC3配備に対して、全関西規模での共同行動を積み重ねてきた左派労組や市民団体の努力は米軍再編そのものへの闘いとして広がっている。饗庭野における合同軍事演習だけでなく、沖縄・横須賀・岩国からも連帯のメッセージが寄せられ、全国の反基地・反戦・米軍再編反対の闘いが結びつく大きなうねりのひとつとして闘いとられたことに大きな意義がある。

 特に沖縄からは、ヘリ基地反対協の共同代表の安次富浩さんが集会に駆けつけ、この間戦争のできる国づくりをひた走っていた自公政権を、先の衆院選挙で倒した人民の経験の重要性と、政権交代に過度の期待をするのではなく、戦争への道を阻止し、米軍再編、沖縄の基地建設を阻止していくために、大衆的な運動の力が今こそ必要とされていることを強く訴えた。

 決意表明に立った、各人の発言にも、基地に反対する声をさらに広げていくこと、大衆的な力で米軍再編阻止を実現していこうという力強い決意が満ちていた。

 この闘いの成果をさらに今秋、十一月岩国現地闘争へと引継ぎ、アジア民衆と連帯して米軍再編と闘う人民のうねりを作り出そう。


 

 

 

 

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