共産主義者同盟(統一委員会)

 

■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

■ENGLISH

■リンク

 

□ホームに戻る

 ■8・30 東京

 自衛隊・米軍参加の「東京都総合防災訓練」

 軍事訓練反対掲げ監視行動・集会・デモ





 自民・公明が歴史的大敗北を喫した総選挙当日、東京では「総合防災訓練」なるものが自衛隊・米軍の参加の下、世田谷区三宿駐屯地周辺および調布市元調布飛行場周辺において行われた。これに対して「自衛隊・米軍参加の東京都総合防災訓練に反対する実行委員会二〇〇九」が終日行動を闘った。

 ●①自衛隊・米軍参加の合同訓練

 石原都知事は二〇〇〇年「ビックレスキュー」と称して自衛隊を参加させた「総合防災訓練」を行い、〇六年からは米軍も参加した、さながら「治安維持」「軍事訓練」ともいえるような、およそ「災害時の生活・安全の確保」とは無縁な訓練を行ってきた。昨年は銀座通りを自衛隊の装甲車が走り、米軍の強襲揚陸艦エセックスが出動するなど派手な「訓練」が行われた。さすがに今年はそうした派手な動きは無かったが、実は自衛隊と米軍が参加した実質的な合同訓練の強化が行われたのである。

 ●②病院の屋上で、自衛隊・米軍のヘリが離発着

 当日の監視行動は、「世田谷会場」「調布会場」「仙川駅周辺」の三箇所で行われた。

 今年の訓練の特徴の第一は、自衛隊三宿駐屯地とりわけ自衛隊中央病院がフル活用されたことである。この「総合防災訓練」は毎年場所を変えて行われている。今年は「世田谷区・調布市」が訓練場所となった。世田谷区のメイン会場は世田谷公園一帯であったが、この公園に隣接する「自衛隊三宿駐屯地」「自衛隊中央病院」は訓練で重要な役割を果たした。横田基地などから飛び立った自衛隊・米軍ヘリが救援物資を運んで中央病院へ飛来する。中央病院から東京湾上にいる米艦船デンバーや所沢の防衛医大へ患者を搬送するなどの訓練が行われた。八時五十分頃から十時二十分頃まで自衛隊ヘリや米軍ヘリ、東京都消防庁のヘリなど七機が爆音とともに次々飛来していくさまは野戦病院のようであった。

 公園内では、地震による倒壊家屋からの救出訓練や破壊された道路の復旧訓練等の様々なイベントが行われていた。東京都の各部局のみならず「自動販売機保安整備協会」や「NTT」なども参加していたが、「国民保護」法に基づく自治体や企業の参加にすぐに結びつくものであり、「災害のためなら」という思いがいつ「治安維持」にすり替わるかもしれないのである。

 ●③自衛隊が野営訓練

 京王線仙川駅から世田谷区内へと区市をまたがった訓練が行わた。そこでは町内会のみならず小学生の「消防団」が訓練に参加していたとの報告があった。子ども達は、純粋な気持ちで参加しているのであろうが、いつの時代でもこの純粋さが国家権力によって利用されてきたことを忘れてはならない。

 調布基地跡地では、隣接する都立武蔵野森公園において自衛隊による部隊展開と野営訓練が行われた。この訓練会場への監視行動に対しては警察による執拗な妨害もおこなわれた。まさに「治安出動訓練」が行われたのである。

 ●④「国際平和協力センター」建設反対

 実行委員会は、監視行動後、世田谷区内の会場周辺でデモ行進を行い「防災訓練に名を借りた治安訓練反対」「自衛隊・米軍の参加反対」などを訴えた。

 夕方からの集会では、各地での監視行動の報告の後、地元で「国際平和協力センター」反対運動を行っている地元の方から反対運動への呼びかけの提起がおこなわれた。

 目黒区中目黒にある防衛省防衛技術研究所には、様々な研究施設があり、そしてあの田母神が校長をしていた統合幕僚学校もある。そこに陸海空の三自衛隊が国際情勢や語学などの研修を行ったり、自衛隊が行っている海外での活動に関する広報活動などを行う事を目的に、「国際平和協力活動のための教育・広報施設」である「国際平和協力センター(仮称)」の建設が予定されている。将来的には静岡県御殿場市の駒門駐屯地内にある「国際活動教育隊」と目黒の「国際平和協力センター」の両部隊・施設が連携して「日本版PKOセンター」の役割を担う事になる。この施設は鉄筋コンクリート作り地上七階、地下一階の延べ七千平方メートルの施設である。ここでは「自衛隊員のみならず、他省庁関係者、国連・国際機関職員、NGO関係者、一般国民、更には諸外国関係者に対して、教育・広報・研究を実施する」という、まさに自衛隊海外派兵の「宣伝工作部隊」が作られようとしているのである。この施設においては、防衛省の「国際平和協力」の研究だけではなく、一般国民向けの展示や講演会も行われる。「教育基本法」が改悪された今、この施設への小中高生の見学や講演会への参加等が行われる可能性がある。また再び戦争へと子ども達を動員する動きが始まろうとしている。

 また、この防衛技術研究所敷地内には、試験研究施設「弾道研究センター」と「個人装備・防護研究センター」が新設されようとしている。「弾道研究センター」はMDミサイル防衛のための研究であり、「個人装備・防護研究」とは、戦場における情報共有化装置研究及びサリンのようなガス状化学剤からの防護の研究というまさに実戦的な研究である。しかも一九七二年からこの防衛技術研究所には、核爆発に伴う中性子線の測定機器が正常に動くかを確認するために、核物質のプルトニウム239が三十二グラム保管されている。このプルトニウムは毒性が強く、粉末を吸い込むとがんを引き起こす可能性が高い。プルトニウムは、一九六八年に国会で問題にされるまでは無許可で保存され、そしてそれ以降も保存され続けている。

 集会では、この「国際平和協力センター」反対の運動も地元の人々と共に行っていくことが確認された。また、関東大震災時に行われた朝鮮人虐殺についての「殉難者・追悼碑」が市民団体の力で荒川河川敷に完成し、九月五日に「追悼式」が行われることが報告された。その他、長野での治安訓練反対運動の報告や、最近多発している右翼勢力の妨害活動に対する報告など様々な活動の報告が行われた。
 政権は自民党から民主党になったが、民主党が「海外派兵」に明確に反対していないこと、「国民保護法」制定に積極的に関与したことなどを見れば政権が変わっても防災に名を借りた「治安出動」訓練が行われる可能性は大きい。これからも反対運動を強化していこう。そして同時に、「日の丸・君が代」を強制し、差別排外主義言動を繰り返し、自衛隊・米軍参加の「防災訓練」を繰り返す石原都知事を一刻も早くやめさせよう。
「『日の丸・君が代』強制反対!」「石原は知事をやめろ!」。都教委が入っている第二都庁舎にむけて怒りの声が響き渡る。

 八月二十八日、都教委包囲・首都圏ネットの主催で「8・28都教委包囲アクション」がたたかわれた。「石原知事は即刻退陣せよ! 東京都杉並区の『つくる会』教科書採択弾劾! 改悪教育基本法の実働化と闘おう!」をスローガンに掲げて、集会と都知事、都教委への申し入れ行動がおこなわれた。

 午前中には、根津さんと河原井さんの「都庁前座り込み」がおこなわれ、昼には情宣がおこなわれた。

 午後三時すぎ、司会のあいさつにつづくシュプレヒコールで集会が開始された。第二都庁舎前には、首都圏をはじめとする各地から教育労働者や市民団体ら二百五十名が結集した。

 集会は、はじめに永井栄俊さん(「日の丸・君が代」強制反対予防訴訟をすすめる会代表)の開会あいさつがおこなわれ、「日の丸・君が代」不当解雇撤回を求める被解雇者の会、「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会、「日の丸・君が代」強制反対・嘱託採用拒否撤回を求める会、河原井さん根津さんらの「君が代」解雇させない会の根津公子さんなどから、たたかいの報告と決意表明がおこなわれた。

 前段集会で、全体の意志統一をおこない、都知事、都教委への要請行動がおこなわれた。石原都知事と都教委に対する要請団がそれぞれ組織された。ガードマンや職員による不当な妨害・規制をはねかえし、石原知事の秘書(副参事)に要請書を渡し、石原に渡す確約を確認。一方、都教委での要請では、教育委員会人事部に要請に行ったにもかかわらず、担当部署は一切でてこないで、教育情報課が対応に出るという、まったく不誠実きわまりない対応だった。

 そして、要請行動を終えて、再び第二都庁前に結集し、今後も反「日の丸・君が代」、改悪教育基本法の先取りを許さずたたかうことを誓い合い、この日の行動を終えた。

 石原都政が発足してから十年が経過した。石原都政下での教育の反動化はすさまじいものだ。10・23通達による卒・入学式での「日の丸・君が代」の強制と、反「日の丸・君が代」闘争に立ち上がった教育労働者への処分の乱発。〇五年の予防訴訟9・21判決によって「10・23通達」による処分は違憲・違法と宣告されたにもかかわらず、職務命令違反を理由とする懲戒処分が続けられ、その数は四百二十名以上にものぼっている。さらに処分された教育労働者には分限処分の脅しがかけられている。

 しかし、不屈にたたかう教育労働者のたたかいは、石原都政下で都教委がなにをやろうとしているかを浮き彫りにしている。都教委は、改悪教育基本法の実働化を全国に先駆けておこなおうとしているのだ。戦後の民主的な教育の体制を根底から覆し、教員と教育の統制を通じて、国家のために進んで命を投げ出す国民を作り出す教育ができるような仕組みに変えようとしているのだ。

 このようなことを断じて許さず、反「日の丸・君が代」、石原都知事の退陣、10・23通達の撤回、処分の撤回を掲げてたたかう教育労働者に連帯してたたかおう。

 
 

 

 

 

当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006-2007, Japan Communist League, All Rights Reserved.