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 ■7・27 千葉地裁

 耕作権裁判第12回口頭弁論

 弁護団、青柳鑑定書を提出し空港会社を圧倒





 七月二十七日、千葉地裁で、市東さんの耕作権裁判第十二回口頭弁論が開かれた。八十名が傍聴に駆けつけた。裁判になっている畑は、成田市の専業農家・市東孝雄さんの祖父が開墾してから九十年間耕作してきた畑である。成田空港会社(以下NAA)は一九八八年に畑の底地を旧地主から違法に買収し、今になって突然、農地法を乱用した違法手続きで取り上げようとしている。他方で、畑の一部を「不法耕作」であると言いがかりをつけ、不当に明け渡しを求めてきた。

 前回の弁論で弁護団は、「四一番地九」は一貫して石橋政次氏が小作してきた石橋氏の契約畑であることを明らかにする二つの重要証拠を提出した。一つは石橋政次氏の妹で当時をよく知る関根とめさんの証言記録、もう一つは当時反対同盟法対部だった元永さんのメモである。これらとともに弁護団は、市東さんと同様に小作耕作していた石橋氏や根本氏の買収の際の測量図や契約書等の提出を求めた。それらが提出されれば、市東さんの本当の契約地も明らかになるからである。

 さらに、①NAAが隠し持つ一九六六年以前の航空写真の提出②公団用地取り扱い規則違反の上でなした本件取得手続きの法的根拠(同規則では、賃借している農家が承諾しなければならないと書いてある)③旧地主藤崎氏の手書きメモ(この不正確な「境界確認書」を根拠にNAAは提訴)で、説明文には赤線云々と書いてあるが、図には黄色線が描かれていることの釈明と特定、を求めた。七月二十一日付けのNAAの回答は、以下のような徹底した証拠隠しとちぐはぐな釈明だった。「関根・元永証言とメモ、は記憶に基づいて作られたもので、あてにならない」「石橋・根本の書類は所持していない」「赤色が黄色に変色した。場所は図面の通り」。当日の法廷で弁護団は、青柳土地家屋調査士の鑑定書を提出した。この鑑定書のポイントはのことである。①収用採決申請書添付の地積測量図(一九六五年十一月)は土地の利用状況に基づいたもので、公法上の境界に基づくものではない。旧地主藤崎が分筆時に作成した地積測量図(一九八四年五月、一九八八年八月)は収用採決申請書添付地積測量図を流用したに過ぎず、筆界の認定にとって不適切である。②NAAのこうした証拠はすべて実測に基づいたものではなく、航空写真に契約面積から算出した長さの線を描きいれただけの机上のものにすぎない。③南台四〇はNAAが主張するような旗ざお形ではない。④藤崎作成とされる図面は明らかに別人の作成を裏付ける跡がありその意味でも証拠価値が疑われる。

 このような追及に対しNAAは、「書面で回答する」としか答えず、逃げるばかりである。反対同盟と弁護団は、農地法違反を主張し、今後も徹底して追及していく構えである。

 裁判の後、場所を移して報告会が行われた。市東さんは「七月に誘導路を供用開始するという新たな攻撃がかけられている。今日の千葉日報では『第三の誘導路でへの字を解消』だと言う。今まで通り闘っていく」と力強く宣言した。弁護団は「この裁判は空港反対の闘争であり、同時に農業、農地法の問題である」と訴えた。北原鉱治事務局長は「全くでたらめの裁判の状況だ。弁護団には三権分立を証明する裁判を闘ってほしい。現地では第三の誘導路で、市東さんの住居を空港の中へ囲ってしまおうとしている。騒音、排気ガスで追い出そうとしている。これが人間のすることか。三里塚は全国の皆さんの共有の闘いとして、四十三年間闘っている。これが勝たなければ人間の未来はない。ともに闘おう」と呼びかけた。萩原進事務局次長は「先日も韓国機がしりもちを付く事故があった。二つ目の誘導路を作ったが、信号が二つあり使いにくいから、第三の誘導路だという。あきれてしまう。不十分な誘導路では事故は避けられないだろう。昨年のウインドシア発生日数は、成田二十二、関西九、中部六で、成田が圧倒的に多い。一日のうち何度も突風が吹く。NAAはパイロットに責任転嫁し、空港の欠陥を隠そうとしている。飛行回数を増やすなどとんでもない。十月には畑で全国集会、時には緊急闘争を行う。このような形で絶対に空港をつぶせる。今国会で農地法が改悪された。耕作と権利が分けられた。農民が農地を持っていれば、高い税を取り、農地をどんどん取上げていく政策だ。この裁判は農業を守る闘いだ。市東さんを先頭にして、農民の闘いであり、かつ労働者の闘いだ。この闘いに勝利しよう」と呼びかけた。

 次回口頭弁論は十一月九日十時半から地裁で開かれる。多数の傍聴で勝訴を勝ち取ろう。

 
 

 

 

 

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