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  ■5・11 

  市東さん耕作権裁判

 新証拠に空港会社即答できず





 五月十一日、千葉地裁で市東さんの耕作権裁判第十一回口頭弁論が開かれた。約百名が傍聴に駆けつけた。

 裁判になっている畑は、成田市の専業農家、市東孝雄さんが耕作している畑である。市東さんの祖父が開墾してから九十年間耕作してきたものである。成田空港会社は、一九八八年に畑の底地を旧地主から違法に買収し、今になって突然、農地法を乱用した違法な手続きで取り上げようとしている。

 この日の法廷では、弁護団が新たな証拠を提出した。市東さんの畑の隣で畑作をしていた石橋政次氏の末の妹さんに聞き取り調査に行き、録音のテープ起こしをしたものを提出した。彼女の話では、四一番地九の土地は戦前から石橋家が耕作していたそうである。また弁護団は以下の点について空港会社に釈明を求めた。

 ①空港会社は最も古い航空写真は一九六八年のものだと言っているが、それ以前のものがあるはずだから出してほしい。

 ②空港会社が依拠する証拠は藤崎メモのみである。このメモには、四一番地九の農地について、「市東から石橋へ賃借を内緒で移行した」と書いてあるが、空港会社は「四一番地九を市東さんが耕していた」ことを、いつ、誰から聞いたのか。

 ③空港会社が提出した二つの図面で、赤線が黄線に変わっている。コピーによる退色という説明だが、もっと詳しく説明してほしい。

 これらに対して空港会社は即答できず、七月二十一日までに返答することになった。また同日までに市東さん側から、青柳測量士による鑑定書を提出する。これは、空港会社の提出書類の四一番地八、四一番地九の土地の区分けが現地調査をした上でのものなのかどうかを明らかにするものである。

 弁論終了後、場所を移して、報告会が行われた。市東さんは、「傍聴ありがとうございます。こちらから新たな証拠を出したが、空港会社は何も釈明できない。裁判にもならない状況ですが、今後も皆さんと弁護団とともにがんばりたい」と決意を述べた。

 北原鉱治事務局長は、「裁判闘争も三里塚闘争として重要な闘いだ。今、農地法の問題で、国が勝手に土地を取っていくことに対して、市東さんの農地を守る会を中心にがんばっている」「四十三年の闘いによって反対同盟は、政府権力のやり方についてとても鍛えられてきた。三里塚の闘いは、人民の共有の財産だ。日本の未来のために闘いぬこう。大衆へ闘いを広げていこう」と力強く呼びかけた。

 農地を守る会の井村さんは、森田新知事の辞任を求める署名を呼びかけた。また、会が行う五月十七日の市東さんの畑の現地調査への参加を呼びかけた。

 萩原進事務局次長は、「フェデックス機の事故や豚インフルエンザの問題を利用して、成田空港、周辺のホテル、病院を使った有事の訓練が行なわれている。戦争反対、空港反対の声をつぶそうとしている。農地法改悪も裁判員制度も道州制も、戦争につながる問題だ。三里塚は、米軍再編と闘う沖縄や岩国、全国の先頭として闘う。その一つとして裁判闘争も闘う。七月はじめに、延長滑走路前倒し供用開始に対する闘争を行う。ともに闘おう!」と呼びかけた。

 次回口頭弁論は、七月二十七日に開かれる。多くの傍聴ででたらめな訴訟指揮を打ち破ろう。
 

 

 

 

 

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