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 農地明渡訴訟第一回口頭弁論

 市東さん、怒りの意見陳述で空港会社を圧倒す



裁判後弁護士会館で発言する市東さん


 二月三日千葉地裁で、市東さんの農地明け渡し訴訟第一回口頭弁論が開かれた。裁判に先立って千葉市中央公園で百五十人が結集し、集会デモを行った。「決戦中の決戦が始まった」ことを確認した。千葉地裁に迫るデモを貫徹し、市民にアピールした。

 この裁判は、昨年十月空港会社が提訴し、千葉地裁が受け付けて、開始されたものだ。すでに空港会社は、暫定滑走路の誘導路の「への字」の部分の市東さんの畑を奪い取るために提訴している。これまで九回の口頭弁論が開かれているが、その裁判中である。その裁判が確定していないのに、同じ内容の提訴を千葉地裁が受け付けること自体がおかしい。

 この日の裁判では、市東さんが陳述を行った。「農地法は耕作者を守るものだ。農地法による農地取り上げは不当だ。違法を積み重ねてきた空港会社には、農地の明け渡しを要求する資格はない。農地は単なる土地ではない。私は、代々守ってきたこの畑で野菜をつくり続けることに生きがいを感じている。長い月日をかけて、有機の土、完全無農薬の畑につくりあげてきた。全国で行われている、農業切り捨て政策をやめなければならない。人の命を作る農業は、工業に劣らず重要である。最後に、裁判が多くて生活・営農に支障が出るから、空港会社が提訴した二つの裁判と、私が提訴した行政訴訟の併合を強く要請する」と述べた。

 弁護団は市東さんの陳述内容をさらに展開し、土地の特定の誤りや、提訴自体がおかしいことを主張した。また、「空港会社と市東さんが賃貸契約を結んだのはいつか」と追及すると、空港会社は答えられなかった。

 裁判の後、弁護士会館に移動し、報告会が行われた。市東さんは、「天気もよく、早朝デモから気合を入れて、法廷に入った。農地法をねじまげて土地を取ることは許せない。裁判闘争と現地闘争を一体のものとして闘う」と決意を述べた。
 北原鉱治事務局長は、「市東さんの農地取り上げを許したら、世の中の正義がなくなってしまう。徹底的に追及しよう。正義は三里塚にあり。世の中を変えるためにともに闘おう」と呼びかけた。

 萩原進事務局次長は「本来こんなものは裁判にならず、門前払いである。権力は間違いでもごりおししてくる。成田空港は、貨物も旅客も前年より減り、凋落が明らかである。一方で、豊田市で優良農地が倉庫に転換という報道があった。工業優先、農業切捨てが進んでいる。市東さんの裁判はすごく奥深くて広がりがある問題だ。権力は農地を奪い、農民の尊厳まで奪い去ろうとしている。二、三月に裁判が続くが、起爆剤として三月全国集会につなげよう。全国の民衆に広げていこう」と力強く呼びかけた。

 次回の裁判期日は、三つの裁判の併合を申し入れたため、四月二十一日以降に決まる予定である。多数の傍聴で勝訴を勝ち取ろう。

一月二十日千葉地裁で、市東さんの行政訴訟第六回口頭弁論が開かれた。約百名が傍聴に駆けつけた。

 この日の裁判では、被告千葉県が準備書面七を提出した。市東さんの弁護団が準備書面八、九を提出し、要旨を述べた。

 準備書面八では弁護団は、農地の賃借契約の解約を知事が許可したことは、憲法二九条(財産権)、三一条(適正手続き)に違反すると主張した。九三年に(当時の空港公団が)二期工事の部分について収用採決申請を取り下げ、事業認定が失効した。空港会社は耕作者の市東さんに無断で底地を買収し、地主の立場で賃借契約の解約、明け渡しを迫るという暴挙に出た。これは第二の公用収用であり、明らかに違法である。

 準備書面九では、県の釈明に対する全面的な反論を行った。①空港会社が成田市農業委員会へ、農地の転用を申請した。農業委員は現地に来て、車から降りて畑を三十秒くらい眺めただけで何の調査もせず、農業委員会で強引に通してしまった。②地主から八八年に農地を買収し、〇三年までそのことを隠していた。登記もせず、ただ保有し続けた。適正手続きに明らかに違反している。③賃借地の特定を誤ったままで解約申し入れを行い、釈明を拒否している。④空港会社の黒野社長(当時)は、東峰地区住民に「やり方が間違っていた」とお詫びの手紙を書いた。空港会社は、六六年以来一貫して暴力的違法行為をしている。強制測量、強制代執行、岩山の鉄塔の破壊、東山氏の虐殺、現闘本部の封鎖等々。違法な組織による違法な空港建設は取り消されるべきである、等を主張した。

 次回はさらに、市東さんの自宅の前の畑の土地境界の特定について主張する予定である。裁判長は「これで主張は全部ですか?」と早期結審をもくろんだが、反対同盟・弁護団ははね返した。

 裁判の後、プラザ菜の花に移動し、報告会が行われた。市東さんは「多くの傍聴ありがとうございます。旗開きが終わり今日から裁判闘争です。今日は私が訴えた裁判です。十月に提訴され二月三日に始まる新しい裁判は、今日の裁判と裏表の関係です。お忙しいと思いますが周りを取り囲む大傍聴をお願いします」と訴えた。

 北原鉱治事務局長は「遠くからご参加ありがとうございます。農民は農地を守る権利がある。反対同盟は裁判闘争として弁護団とともにたたかう。だが裁判だけでは勝てない。現地で強制収用が必ずやってくる。体を張ってたたかう、実力闘争しかない。反対同盟は市東さんとともにたたかう。政府は農地を勝手に奪う雛形を作ろうとしている。全国の農民が生きられるか否かのたたかいとして、日本列島の農民の決起を呼びかけたい。全国の人々にこの問題を我が物として立ち上がってくれるように訴えてほしい。四十三年間たたかってきた中で、たたかえば必ず勝てる」とあいさつした。

 萩原進事務局次長は「反対同盟は二月三日の裁判を、今年一年をかけた闘争として重視する。代執行、航空騒音、工事による騒音、成田用水、一坪強奪裁判、成田治安法、みんなやりかたが憲法違反だ。市東さんの問題でも農地法を逆用して農地を取ろうとしている。農民のおかれた立場、農地をどうするのか。三里塚の土地取り上げはかつても今も、国家を挙げた攻撃としてある。代執行を迎え撃つ。あまりにも理屈、正義がない成田の裁判。万余の人民の砦を作る。市東さんは裁判も勝つ。実力闘争でも勝つ。反対同盟は市東さんとともに勝つ」と力強くアピールし、報告会を締めた。

 次回は四月二十一日(火)十一時から行われる。裁判所を取り巻く多数の傍聴で勝訴を勝ち取ろう。


 

 

 

 

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