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 ■8・31 米軍・自衛隊参加の東京都総合防災訓練反対!

 右翼の妨害はねのけ監視行動・デモ・集会を闘いぬく



8・31防災訓練反対行動

 八月三十一日、中央区・江東区をメイン会場とする東京都総合防災訓練が強行された。米軍・自衛隊三軍が参加し、「防災」とは名ばかり、どう言いつくろっても軍事(有事)訓練にしか見えないものだ。二〇〇〇年ビッグレスキュー来八年ぶりに銀座で装甲車を走らせたり、自衛隊練馬駐屯地から、迷彩服の自衛隊員を満載した地下鉄大江戸線特別列車を走らせ都心へ進駐したり、参加した米軍の軍艦も過去最大級の「強襲揚陸艦エセックス」というエスカレートぶりだった。私たちは二〇〇〇年来取り組み続けてきた荒川・墨田・山谷&足立実行委の仲間、今回の当該地域で闘う中部地区労働者交流会や江東の仲間を中心に実行委員会を結成し、八月十九日には東京都防災課との団体交渉、三十一日当日は早朝からの訓練会場監視行動、中央区・銀座でのデモ、江東区での「問う集会」と一日がかりで闘った。

 この大衆的反撃に恐怖した右翼ファシストどもが、妨害・敵対行動をしかけてきた。右翼は午前中のデモから街宣車数台で付きまとい、差別暴言をあびせかけてきた。午後の屋内集会の会場にも押しかけ、トラメガを手に施設内を徘徊し、集会破壊を画策してきた。

 しかし実行委は毅然とした態度で闘いぬいた。デモ六十名、集会約百名と会場からあふれるほどの結集は、右翼どもの敵対を完全に粉砕した。

 集会では、まず最初に主催者から参加者に向けて、右翼がデモ・集会への執拗な妨害をしていることについての説明がされた。「防災」訓練反対の取り組みに右翼が妨害をしてきたのは今回が初めてのことであり、その背景には差別排外主義の激化があること。関東大震災時朝鮮人虐殺を忘れない、差別排外主義を許さない、を軸に地域の仲間と共につづけてきた闘いが標的にされていること。そして憶測の域を出ないが、SAPIOに「関東大震災『朝鮮人虐殺』の真実」(ノンフィクション作家工藤美代子著)と題して、「虐殺の事実を否定」どころか、「『流言蜚語』には根拠があり、(虐殺は)あって当然だったのだ。やられて当然だったのだ」とするような文章が連載されていることなども背景にあるのではないか。今そのような彼等の動きがあることは決してたまたまではない。差別排外主義と一体の戦争動員体制・対テロ治安出動体制の強化が進められている中での攻撃なのだ。毅然として今日の集会を成功させ、今後も団結をより強くしていこうと提起された。

 まず、訓練各会場を監視した仲間からの報告と取材ビデオの上映がおこなわれた。葛西臨海公園へ向かった仲間からは、米海軍揚陸艇LCACが上陸し、都職員九十七名を載せて、沖合で待つ軍艦エセックスへ向けて出航する姿を間近に見たことが報告された(昨年は米艦艇内で都職員がギターライブやバーベキューパーティー、米軍グッズなどの土産物販売、といった接待を受けたことを問題にしてきたが、今年の接待は「冷水一杯」だったことが後日わかった)。銀座会場へ向かった仲間からは、中央通りを自衛隊の装甲車が疾走したり、なぜか警視庁の騎馬隊が登場して馬にポーズをとらせるなど、マスコミ向けのPRが大半を占める中で石原都知事と猪瀬副知事が連れ立って現れたとの報告。晴海埠頭会場では、会場の入り口で制服・私服の警察が阻止線を張っており、「あなた方は一般市民ではない」と会場内に立ち入ることすら許さない不当な弾圧があったと報告。木場公園会場では、練馬から地下鉄大江戸線でやってきた自衛隊員が、公園内の「秘密の出口」から次々に駆け出してきて整列し、石原都知事に敬礼する軍事演習そのものの光景(石原は各会場を巡回しては米兵や自衛官と敬礼ポーズを交わしている)。最後に、やはり八年ぶりに使われた羽田空港会場の監視に取り組んだ大田区の仲間からの報告を受けた。自衛隊の航空機とヘリが離発着し、部隊を会場へと運んでいったとのことであった。

 全国各地で大規模な震災や水害が発生しているにもかかわらず、本来の防災の色彩はきわめて薄かった。災害時(あるいは有事)に、軍隊がいかにして都市を制圧するかに力点をおいた訓練であったことは、誰の目にも明らかであった。

 集会の後半では、多くのゲストから連帯のアピールを受けた。まずは「原子力空母の母港化に反対し、基地のない神奈川をめざす県央共闘会議」の桧鼻達実さんから、原子力空母ジョージ・ワシントン横須賀配備を阻止する闘いへの結集が次のように呼びかけられた。

 「八月にも配備強行が目論まれていた矢先の深刻な火災事故、そして全国各地での放射能漏れが発覚。延期にはなったものの九月二十五日には配備が強行されようとしている。もし横須賀で原子力空母がメルトダウンを起こせば、関東全域に甚大な被害が及ぶ。災害の元である米軍に防災訓練参加を求めるなど、愚の骨頂だ。危険性を覆い隠し、米軍受け入れのためのPRに防災訓練を利用する政策も許してはいけない」。

 続いて、「関東大震災時に虐殺された朝鮮人の遺骨を発掘し追悼する会」の慎民子さんから九月六日に予定されている追悼式への参加が呼びかけられた。「虐殺事件の現場である荒川・四つ木橋での追悼碑建立を求めて二十七年運動してきたが、ことごとく否定されてきた。国や行政が何も認めず、責任を負っていこうとしない中で、民衆の力で碑を建てようと新たに運動している。虐殺事件は八十五年も前のことであるが、未だに在日の若い世代ですら、『いつなんどき同じような虐殺事件があるかわからない』という不安を抱えて生きている。決して昔の話ではないのだ」と訴えられた。

 立川自衛隊監視テント村の仲間や、沖縄一坪反戦地主会・関東ブロックの仲間、練馬や中野、習志野でPAC3配備反対を闘う仲間、遠くは長野、関西、韓国からの仲間からも様々な提起がされた。

 十一月には、東京都国民保護実働訓練が予定されているほか、各自治体で「国民保護」体制が着々と進められている。「防災」に名を借りての治安出動・戦争動員体制、「対テロ」煽動のもとで進行する「国民保護」体制に、これからも反対の声を上げていこう。差別排外主義に抗する地域の団結を、さらに固くしていこう!

 
 

 

 

 

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